♪ 新茶摘まないつまらないやつに用は無い
かけた茶碗を3回まわして踊るトゥナイ
大事な問いかけに
俺はお茶を濁したまま
明日を掴み取る
千利休
水曜日のカンパネラ
「千利休」より
2015年夏期アニメがそろそろ一斉に最終回を迎えることに気づき、奇声をあげてそれを阻止しようと画策しております あゆみ ですとれびあーん。考えてみたら、4月始まりの半年クールのアニメ(「境界のRINNE」「アルスラーン戦記」など)も、一斉に最終回なのだ………かなしい。秋アニメに一筋の光を見出してはいる(「おそ松さん」「緋弾のアリアAA」「ノラガミ~ARAGOTO~」は楽しみ)ものの、さびしいものはさびしい。もう通年で安心して観ていられるアニメって、戦隊ものか「名探偵コナン」くらいなのではあるまいか……。更に考えを巡らせていたら、春アニメで大好評だった「血界戦線」の最終回が、未だ放映されていないことに思い当たりました。そうだ、私の中では、まだ春も終わっていなかったんだ!! スタッフさん頑張れ!! まさかの劇場版になっちゃったとしても軍資金はたいて観に行ったげるから!!
今回の歌詞載せは、J―POP界の異端児「水曜日のカンパネラ」が歌う「千利休」………うん、「千利休」。彼が築き上げた茶の湯文化と、昨今の緑茶・抹茶ブームをテンポよくラップにまとめた、面白い歌です。すごく、よしでんっぽい歌です(無断記載ごめんよ、よしでん嬢)。人名を冠した歌は他にもあり、「ナポレオン」「マリー・アントワネット」「桃太郎」「竹下夢二」などなどなど。一度ハマるとなかなか忘れられない、耳をハイジャックする方々ですね。特に、主演・歌唱担当:コムアイさんは、某オークションのCMで目が釘付けになるほど、インパクトがある御仁なので、MVも見逃せません。「千利休」は特にMVも合わせて楽しんでいただくのが、適当な様式美だと思います。
本題。他人様に自分をアピールする時に、「趣味は読書です」と言うことが常套句になりました。時間の関係で、そこから先にツッコまれることはないのですが、いざツッコまれた時を妄想したときに、あまり情報を整理できていないことに思い当たりました。何度か読書ネタは出していますが、自称「乱読家」の名に恥じないよう、ちょっと脳内を整理しつつ、読者さまにお伝えできたらと思います。ネタは3つ。
➀「最近読んだ本」
最近あまり読書に励めていないため、「最近読んだ本」は4ヶ月ほど前になってしまう………忍びない。『虚空の逆マトリクス』→『夢違い』→『茉莉の空想旅行』→『夜の底は柔らかな幻』→『鱗姫』→『弱法師』→『思い出の時修理します』→『玩物草紙』→『あわせ鏡に飛び込んで』という順番で、記録がとってあるのは確かですが。最後の本:井上夢人『あわせ鏡に飛び込んで』を登録したのが5月15日かぁ。ちょっと真実味に欠けますね。
➁「一番好きな作品」
即答。山尾悠子さんの『ラピスラズリ』です………2015年の現時点では。装丁が美しいことも力説できますが、「幻想小説」の名に恥じぬ、儚げなのに万華鏡のように表情を変える作品だと、他人様に自信をもってお薦めできます。大金(¥4000近く!)はたいて、永久保存版(箱入り)を手に入れてしまった(理性が働かなかった)り、本棚に入れられず手元に置き続けて何度も読み返すほど、大切な作品です。
➂「一番好きな作家」
これは難しい。あゆみ の脳内には三賢人と渾名される、男女別三大小説家が設定されております。新刊がでたら是が非でも読む、という中々厳しい選考基準を勝ち抜いたお三方(×2)です。女性は上橋菜穂子さん・小野不由美さん・桜庭一樹さん。男性は京極夏彦さん・米澤穂信さん・嶽本野ばらさん(←最近、森博嗣がとってかわりそうであるが)。他にも、シリーズもので追いかけている作家さん(化野燐さん・高田崇史さんなどなど)や、五大偉人という扱いをしている作家さん(渋澤龍彦さんなどなど、もう亡くなっている方々)のカテゴリーも存在しております。
でも、一等好きな作家はこの方々ではない、のです。ここまで書き連ねておいて何たる裏切りか!という感じですね、すみません。でも、唯一不可侵である「一番好きな作家」という称号は、この方に。
\服部まゆみさん/
友人に言ったら「誰だそれ」と言われました。確かにごもっとも。あまりベストセラー作家とはいえないマイナーな方です。否、「でした」と申した方がいいのでしょうか。少し前に亡くなられた方なので……私がこの方の作品に初めて触れた時にはもう、鬼籍に入られていました。
幻想小説であり、ミステリ小説でもあり、歴史小説のような側面もあり、という読めば読むほど、彼女の術中にハマっていく恐ろしさは、初読してから何年か経った今でも忘れることができません。文章は読みやすいのに、想像以上の情報が含まれている上、読者の度量を試してくるような悪戯心や、ふとした時に感じる凄味に翻弄されて、読み進める=溺れていく、酸素が足りなくなる感覚に陥ります。なかでも『この闇と光』という直木賞ノミネート作の読了感には、筆舌尽くしがたい、読んだ人にしかわかり合えない「何か」があります。最近新装版が出たんですけど、今ではほとんど在庫がない状態だと聞いたので、お早めに。
この方の作品は、他にも幾つかございますが、共通して「美術品がでてくること」が挙げられます。とりわけ絵画への言及が多いです。なんでだろうと、挙げてあった絵画の画集の頁を繰ったりして考えたこともありますが、答えは案外近くにありました(いや、見落としていた私が阿呆なだけだ)。服部さんの本職は芸術家なんだそうです。版画がご専門で、そちらの業界では有名な方なんだとか。一度だけ作品を拝見できた(らしい)のですが、「作家の服部さんだ」という認識がないままに見過ごしていたので、正直目からこぼれ落ちたまま、忘れてしまいました。嗚呼、勿体ない。
閑話休題。美術に造詣が深いと、文章へのアプローチも多少変わっていくのでしょうか。初めて『この闇と光』を読んだ時「これ、読んだことない」という新鮮さを感じたことを、よく覚えています。一度心を奪われると「責任とれ」と言わんばかりに作品群を読み漁る悪癖が功を奏したのか、絶版になる前に、服部まゆみ作品群を大方読了することができました。ですが、数年経った今日では入手することが難しい作家さんのお一人になってしまいました。BOOK OFFには絶対ありませんし、「日本の古本屋」にも挙げられることは少ないです。………しょぼん。
いつになく、ちゃんと真面目に投稿してみました。夏休みが夏休みとはいえない有り様なので、そろそろ活字への禁断症状がでてきた反動なのかもしれません。今はPC画面に映る字でさえ、心ときめくものに見えてしかたない。早く紙の本を読める生活に戻りたい………。
お相手は あゆみ でした。