なまがわ

 梅雨時は何といっても髪の毛が難ですね。
 一髪二姿三器量っつってね。
 朝シャンさえすれば一番きれいにフォルムを保てる季節とも言えます……
 が、それをしない場合、特にドライヤーを怠って寝た場合、
 髪型の酷さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
 というわけで私はウィッグを導入いたしました。
 これは実に良いものです!
 もうヘアケアの努力とはおさらばです!
 人はこうしてダメになります!
 もちろんウィッグがダメなのではありません!
 ダメなのは利器の導入によって地毛の手入れを怠る弱い私です!
 はぁー(←ためいきだよ)
 ちなみによく尋ねられることですが、ウィッグは意外とムレません。
 ショートボブならば通気性もよく、軽く、実に過ごしやすいです。
 ただしうなじから地毛が出るリスクが常にあります。
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 ちうわけで私にはもうヘアケアについて話す権利がなくなりましたわ。
 女子力とやらがあるならばそれのの下落を感じますわ。
 なので私の女子性の維持のためスキンケアの話をします。
 女子力という言葉は好きではありませんが、確かにそれにあたるものはなくもないと思います。ただ女性器がついているだけで女子を名乗れると思うてはならぬ。それで名乗れるのは女であって女子ではない。


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 スキンケアとは申しましたがほとんどただの日焼け止めの話ですので、ニキビ吹き出物あばたなどについては皮膚科の受診をおすすめします。なぜか敷居が高いと思われる方もおられるようですが、蛇の道は蛇。皮膚のことは皮膚科。病院を含むすべてのレジ入り建築物は私やあなたに使われるためにあります。
・日傘
 真っ黒だと見た目が重い。黒地に白の刺繍がされているものだと多少爽やか。
 白でもUV加工されてさえいれば良い。むしろ日傘の本質は白にこそあるのではないか? これまで実用性の面で抑えられてきた白日傘ですが、こんにちのUV加工技術によってそのアクセサリー性が本領発揮されており大変素晴らしいことです。旧軽井沢銀座にでも白い日傘をさして行くと良いでしょう。山泉寮あるし。
 多分いたずらに色や模様がありすぎると雨傘みたくなってくるよね。メーカー側もそれを配慮しているのか大抵の場合は色柄さりげなくor薄くとどめられていると思います。
・サングラス
 目から入る紫外線は多いですのでこれは非常に有効な手立て。
 しかし人によって似合う形がまったく違うため、うっかり不適切なものを引いてしまうと、もはやすっぴんのほうがマシという事態になりかねません。古着屋とかでグルグル回る円柱にかけられながら黒ひげ危機一髪みたいに売っているものを最初に買うのはリスキーだと言わざるを得ません。こちらの顔を知り尽くした第三者あるいはサングラスのプロに頼んだほうが良いでしょう。サングラスを選ぶのは意志や嗜好ではなく顔の造形と肌の色です。
 サポーターを伴いながら購入した最初の一本によって自分に似合うレンズの形が分かってからなら黒ひげっぽい売り方のを買っても良い……とは思いますけど、それは仮にも神経の州中部である顔に触れているものです。一気にランクを落としたことでプラスチックの肌触りが気になり、結局はずしてしまうことになるかもしれません。それではサングラスの意味がありません。高いものには高いだけの価値が(あることも)あります。
・日焼け止め
 塗らずに外に出ると皮膚がはがれますが、洗わずに寝ると皮膚が荒れます。
 日光が強いのは「まぶしい!」と感じた日だと考えていいと思いますけど、紫外線についてはうららかな四月が一番強い(らしい)。つまり紫外線に関して我々の視覚は信用できたものではない。一年中塗りましょう。そしてぎっちり優しく洗いましょう。分子ひとつ残すな。
 なお高いもの(アネッサ金とか)は汗で流れ落ちないためにウォータープルーフ仕様になっていることが多い気がします。そしてそういうものほど往々にして肌荒れを招きます。そも汗というものは気化熱で身体を冷やすほかに一応老廃物を流す効果も持っています。それに負けない作用を持つものが皮膚に良いわけはありません。しかしアリーは最近荒れなくなってきたからアネッサも変わってきたかもしれんな。久しく使ってないからわからんけどな。たしか下地を兼ねたのが発売されてた気がしますけど使ってないからわかりませんな。
 なお肌の調子がいいときはベースメイクがこれだけで終了する。非常に便利。日焼け止めが便利だというよりは、調子の良い状態にある肌が便利。
・化粧
 下地のSPFなんて存在しないのと同じことよ。
 ……というのは言い過ぎですが、そう思っている人のほうが焼けずに済むのは事実です。むしろ日焼け止めのSPFも信用せずにいきましょう。可能な限り木陰や物陰を歩くのです。
 つーかそんなん言ったら塗ってようが何だろうがこの世に太陽がある限りいやがうえにも多少は焼けますし、多少焼けないことには骨軟化症の恐れがあります。幼児期であればえび足をも招きかねません。何が言いたいってほどほどに気にしておけばそれで良いということです。こんなシメっぽいことをこんな真ん中で言って申し訳ありませんけどすべてのことはそんなもんです。
・窓
 たとえ屋内であろうとも窓辺にいれば日焼けはします。また、「眩しい」と感じること自体メラニン細胞を活発化させる恐れがあります。
 日光はそよ風にゆらめくすだれやUV加工済みレースカーテンから漏れ入るくらいがちょうどよく、かつ最高にオツな光景にもなる。直射日光を避けることは絨毯や家具や本の日焼けを防ぐことにも繋がる。そもそも直射日光のあたる場所での保存を良しとするような製品を私は見たことがありません。いわんや繊細な柔肌をや。
・服装
 西に黒ずくめの人がいれば、行って暑苦しいのでやめろと言いたい。つーか最近そういう人も見ないけどさ。まあいるものとして話すが……
 黒服が肌を白く見せるというのは嘘ではありませんけど、それは顔色が悪く見えるという要素も大いに含んでいることを忘れてはならない。黒い肌を健康的と呼ぶのなら白い肌が不健康であるのも当然です。不健康な女が魅力的に見えるとすればそれは美女だからです。不健康な美女が魅力的なのです。健康な美女も魅力的です。要するに美女は魅力的です。そんなことは当然です。
 色白で魅力的な女性の皮膚は、たいていほのかに桃色がかっています。要するに血潮がほのかに透けた肌をしています。女性はある程度の年齢を重ねたら胸元に薔薇色か白を置いたほうが魅力的に見えると思います。黒服を着るにしても真珠のネックレスなりで黒と皮膚のあいだに緩衝地帯を設けることをおすすめしたい。真珠の色はアコヤ貝が吐いた色ですので、単なる漂白されたような白よりもエレガントかつ柔和に肌と馴染み、なおかつ服の色との調和を手助けします。なんか私ショップチャンネルみたいになってんな
 というかほんとうに肌が白ければ白服着てようが何だろうが白く見えるはずなのです。日除け目的で黒服を着るなら暑苦しいというだけのことで済みますが、肌をきれいに白く見せようと黒服を着る行為は、もって正しからぬことです。黒にそういう効果はありません。シャネルだか誰だかが言ったように、黒が女をもっとも美しく見せる色だというのも事実です、が、それはそもそも美しい肌ありきであって、ふつうのものが黒によって美しくなるのではありません。美しいものが黒によって更なる美貌を手にするのです。
 一日二日の日焼けくらいは保冷剤と氷嚢で何とでもなるものです。日頃は黒服に日焼け止めなしで皮膚をいたわり美観を損ね、ここぞという日は日焼け止めで塗り重ねた肌に好きな装いを重ねるのがよかろうと思います。もちろんそれで黒を着るのはOKです。羽二重餅のように美しい皮膚に包まれた身体はだいたい何をやっても絵になるものです。
・食生活
 便秘は肌荒れを常に伴うのでこれを防ぎましょう。
 腸についてはプルーンが最強だけど個人的に味が嫌いなので打開策を練っています。ドライマンゴーも効くには効くがあいつ態度の割にカロリー高いんだよな。とりあえず最低でも一日2リットルくらい水を飲むと気分が良い。ただし一気に飲むと一気に出るのでトイレ頻度が高くなり作業に集中できず気が散るし頻尿の疑いをかけられて不服である。
 肌についてはトマトとオリーブオイルとアボカドとアーモンドで何とかなる。ただしアーモンドは食べ過ぎると荒れるし太る。青汁は豆乳で割るほうがまずいが効く。ついでにヒアルロン酸とオリゴ糖も入れてたけど効果あったかは微妙。りんご酢を入れるとドロドロになってビジュアルが甚だ不気味になりますが身体には良さそう。くらい? 食事あんま考えとらんしわからん
 以上
 だらだら書きましたけど美容研究する学科ではないですしいずれも確然たる根拠はありません。プラシーボ効果を活用することでどうとでもなるのが肉体のいいところですね。
 なおこうした話題のときよく口にのぼるホットヨガですが、あれはほかの運動の効果を高めるものという感じがしました。単体だと発汗に効くようですがそれ以上の効能は別に感じませんでした。
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 これだけ言っておいて難ですが、私の肌はほとんど桃色がかっておらず、ひどいときは青ざめています。そこで役立つのがチークです。男性ならブロンザーというんでしょうかね。
 最近つけている金髪ウィッグは、黒髪よりもオレンジのチークが合いますし、何よりも顔色がかなり良く見えるので気に入ってます。いささか遊び人っぽく見えるのが難点ですが……
 すっぴんでも肌が薄ピンクの人ってどうなってんだ? 何食べてるとそうなるんだ?