江戸川乱歩の新たな魅力

こんにちは。あかねです。11月25日の日曜日、私は立教大学のシンポジウムを訪れていました。そう、江戸川乱歩のシンポジウムです!

卒業論文で江戸川乱歩の作品を扱うことにしたのですが、新聞に広告を出していたという情報を論文から得た私は「作家の乱歩さんに広告を利用するマーケティング力があったのだろうか……?」と失礼ながら全く想像がついておりませんでした。そんな折に開かれたのがこちら→https://www.rikkyo.ac.jp/events/11/mknpps000000kjx9.html

広告のデザインを自ら手掛け、幅広い新聞読者層へいかに探偵小説を売り込むか、よく計算されていたことが分かりました。初期は大きな見出しで目を引いていたのが、後期になると異国人風な顔やランプの煙のようなデザインで不思議な印象を与えるように変化していました。広告ひとつ取っても奥が深いですね……。売り文句も変遷していて、その時代に合わせたものを考え研究していたことが分かりました。

また、この日は乱歩の旧邸、つまりは乱歩が晩年長らく住んでいた家が特別公開されていたので、一緒に来ていた友人とともに行ってきました。普段は水曜日と金曜日に公開されているので、日曜日に見られるのはラッキーです。行ってみると、夢野久作が乱歩に贈った博多人形が真っ先にお出迎えしてくれました。当時、夢野久作は博多近郊に住んでいたとの旨が書いてありました。自分にとって似つかわしくないような物だがと言いつつ、嬉しさが滲み出ている文面でした。中庭の方へ行くと応接間が覗き見られます。とても豪華です。別室では乱歩の著作がずらりと展示され、テレビでは乱歩手づから録画したビデオが再生されていました。横溝正史や、海らしきところで泳ぐ乱歩も映っていました。乱歩の妻や子も多くあり、幸せそうな様子にほっこりしました。映像の中で乱歩がほぼ毎回帽子をかぶっていたことに気が付いたのですが、テレビの置かれた部屋の隣に、乱歩の帽子も展示されていました。中折れ帽やハンチングがあり、サイズは59~60。「禿げているから帽子でもかぶっていないとお洒落になれない」と言っていたようで、そういうのを気にする人だったのかとお茶目でお洒落さんな一面を知りました。土蔵の入り口も開けてありましたが、あそこは去年の2~3月に感想を書いた気がするので割愛します。目を奪われるので、気になった方は是非足を運んでみてください。

帰り際、池袋駅西口にある和菓子屋の三原堂で、薯蕷まん頭(じょうよ まんじゅう)を購入。ばら売りで1個220円……!4個で1000円ですが、箱が原稿用紙のようなイラストでとても欲しいと思えるものでした……高くて断念。乱歩も好んで食べていたというお味を私も食べてみました。山芋と米粉を練り合わせた真っ白な生地に濃厚なこしあんが入っており、重すぎないあっさりした甘さ。帰宅後に食べていたのですが、もちもちな生地の柔らかさに、もう1個食べたい!と強く思いました。大変美味しかったです。

皆さんも是非、池袋まで来た際は乱歩巡りをしてみてはいかがでしょうか?(在校生の皆さんは、卒論が煮詰まった時はシンポジウムに行ってみると新たな発見に出会えるかもしれませんよ!余裕をもって是非行ってみてくださいね!)