2018年最後の子規庵――蕪村忌とともに――

こんにちは。あかねです。2018年の12月23日、ツイッターを見ていた私はあるものを発見しました。

「今年最後の子規庵です。」

行かなければと思いました。急遽外へ行く準備をして日暮里駅へ電車で向かい、そこから徒歩で更に10分かけて。こうして年収め子規庵を行うことになりました。

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ボランティアの方が私のことも撮ってくださりました。ありがとうございました。

中では、入館料500円を払ってくじを一枚引きます。はずれ無し最低4等の内、4等を引きました。ポケットティッシュだろうと思っていたら、松山市提供のフェイスタオルと、道後温泉「飛鳥の湯(椿の香り)」のもとでした。愛媛県松山市は正岡子規と夏目漱石の出身地です。学生時代から二人は一緒でした。つい最近論理学のテストの点数が全国ニュースで流れていましたね……子規さんが低いのではなく、漱石さんが高かったんです……。危ない危ない、閑話休題。温泉のもとの椿の香りも、子規さんの弟子で双璧と呼ばれる高浜虚子と河東碧梧桐を彷彿とさせます。

赤い椿 白い椿と 落ちにけり

碧梧桐の句です。この双璧の二人も出身が松山で、子規さんと兄弟のような、先輩後輩のような近しい関係でした。子規さんを最期まで看病していた人たちの中にも二人の名は挙がっています。

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以前の子規庵と比べると、緑が減って赤と茶色が目立つようになりました。そしてこの日は与謝蕪村にちなむ蕪村忌が行われておりました。

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子規さんたちが寄せ書きしたものです。実物ですが写真撮影が可だったので、傷めないようフラッシュは焚かず、しかし心中大はしゃぎで撮影しました。

「風呂吹や蕪村百十八回忌 規」

規とは子規さんのこと。この句は左の「風呂吹」の掛け軸の右上に書いてあります。よく見ると同じ掛け軸の左上には「風呂吹や蕪村百十八回忌 八々」の字が。門下生が真似して書いたようです。「何同じもの書いてるんだよー!」「えー、同じだったんですかあー!?」とふざけあっていたのだろうと思われます。右の「蕪(かぶら)」とはカブのこと。

「大根は蕪の尻を笑ひけり 紅」

愉快な句もありますね。日本文学科では一年生の前期に「変体仮名演習」という授業があるおかげで、これらの字もざっくりとは読むことが出来ました。実は展示中央にある翻刻されたパネルに、判読の難しかったところが「□」という記号で表されていました。よく見ると「これは「た」、これは「や」……?」と解読に挑戦してみてもいました。先生方ならば漢字も読めるのでしょうか。学生は主に平仮名しか読む練習をしないため、限界はすぐ訪れます。来年、いや、今年、またチャレンジしたいです。

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外に出ます。休憩できる東屋では、火鉢とお菓子「のぼうる」(子規さんの本名「升(のぼる)」と、彼が好きだった野球(の・ボール)のボールのような形を掛けたものと思われる)、子規さんが飲んだとも書き残されているココアを頂きました。ここで雨が降ってきてしまい、傘を忘れていた私は雨宿りすることに。ボランティアの方々と談笑しながら止むのを待っていました。

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感謝デーとのことで、この日だけ「子規庵ストラップ」の裏側に名前を入れてもらえました。折角なのでストラップ(1個600円)を購入。自分の名前は恥ずかしかったので、子規さんの本名を入れてもらいました。

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普段とはまた違った子規庵でした。庵の雰囲気が祖母の家と一緒で、とても落ち着くので何度も行ってしまう……今年もきっと行くのだろうと思います。勿論、他にも行きたい文学館はありますので、その都度お知らせしていきたいと思います!目下、1月14日までの森鷗外記念館「うた日記」に行かねば。以上あかねでした。