研究内容

♪実験趣旨♪

私たちの身近にあるものでも電気を作れることを体感し、またそれを得るためにはどれだけのエネルギーが必要かを確認すること。
最近話題になったLED電球の消費電力の少なさを実際に発電することで体験すること。

♪使用器具♪

・モーター(65W)
・自転車(後輪が浮くタイプ)
・キャスター
・タイヤ
・LED電飾
・白熱電飾
・オルゴール
・扇風機
・以上のものを固定するための板、ねじ、釘、みのむしクリップ、接着剤

♪原理♪

電磁誘導とは

このコイルと磁石には不思議な性質があります。
コイルのそばで磁石を動かすと、コイルの両端には電気が発生します。
コイルのそばで磁力の変化があると、コイルの両端には電気が発生します。
これが電磁誘導です。
発生する電気の大きさ(電圧)は、磁力の大きさやコイルの巻き数に関係します。
磁力の変化とは、すなわち磁石か、コイルを動かすことで変化します。
動く、動かないは相対的なものですから、磁石でなくても、コイルを動かしてもかまいません。ただコイルと磁石を同時に同じ方向に動かしてはだめなのです








・フレミングの左手の法則

コイルと磁石には密接な関係があります。
コイルと磁石がごく近くにあるとき、どちらかを動かせばコイルに電気が発生します。
そして磁界の中にあるコイルに電流を流すと、コイルが固定されているなら磁石に、磁石が固定されているならコイルに下図のように力が加わります。

左手を使ってこのように表すことができます。ちょっとあなたの左手でこのようにやってみてください。
人差し指の方向に磁力線が走っているとき、中指の方向に電流を流すと親指の方向に力が働きます。
これはこの現象を発見したフレミングにちなんで『フレミング左手の法則』と呼ばれます。

実際の場合を考えます。
2個の磁石の間に電線があって、電流が流れているとします。
磁力の向きはN→Sです(青い矢印)
電流の向きは赤い矢印です。
この場合、磁石が固定されているとすると、電線は上の方に動くように力がかかります。(緑の矢印)


モーターの仕組み

またコイルの両側には磁石があり、N極からS極に向かって右向きに磁力が通っています(青い矢印)。
するとモーターの回転子は、この場合だと右向きに回転します。




発電機の仕組み

電気を作る「発電機」と、扇風機や洗濯機などの電気製品を動かす「モーター」の仕組みは全く同じです。違いは電気を作っているか、使っているかという点です。




♪実験装置♪





豆電球

2.5V 0.3A

白熱電球(40W,30W,20W,10W)
10W


20W


30W


40W


LED電球

LEDとは、電圧をかけた際に発光する半導体素子(電子部品)のことで、 Light Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)の略称です。日本語では発光ダイオードと訳されます。
LED(発光ダイオード)はpn接合と呼ばれるしくみの半導体から成っており、そこに電流を流すことで、p型半導体から正の電荷を持った正孔が、n型半導体から負の電荷を持った電子が互いに向けて動き出します。
そして、正孔と電子が接合面で出会うことで正負の電荷を打ち消しあい、その際余ったエネルギーを光エネルギーに変換して発光します。この発光原理を”エレクトロルミネセンス(Electroluminescence:EL)効果”と呼び、有名な有機ELもLEDの一種です。
LEDのメリット・デメリットをを以下にまとめます。

*メリット

*デメリット

2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震の影響を受けて日本全国で節電意識が高まったこともあり、2011年5月頃からLED照明への関心が一気に高まりました。



電子オルゴール

実験用のオルゴールリード線付き
サイズ:80×30×3mm

曲名:ハッピーバースデー
使用電圧:1.3〜3.5V
消費電流:400μ



扇風機

山善製扇風機
サイズ:幅22.5 cm奥行き19 cm高さ33.5 cm重さ1.2kg
製造年:2011年製
消費電力:24/22W(50/60Hz)
電気代目安:約0.5円/時
風量:2段階




♪実験結果♪


@ 豆電球(3.5V、0.3A)
手でペダルを回す程度で点灯する。

A 白熱電球(10W)
軽く漕ぐ程度で十分点灯した。


B 白熱電球(20W)
軽く漕いで点灯した。


C 白熱電球(30W)
少し真剣に漕げば、点灯する。


D 白熱電球(40W)
点灯はするが、全速力で漕いでもほんのりつく程度である。



E LED電球
漕ぐ速さによって点灯する色や割合が変化する。白熱電球よりも発電しやすい。




F 電子オルゴール
始めゆっくり漕いでいたら、音が不鮮明だが聴こえてきた。しかし、少し速めに漕いだ瞬間火花が散り、発煙した。
原因は発電した電圧と電流が使用電圧と消費電流を超えていたためである。

G 扇風機
全速力で漕いでも作動しなかった。
原因は発電した電圧と電流が使用電圧と消費電流に達しなかったためである。

実験対象 電圧[V] 電流[mA] 電力[W] 100Vかけたときの電力[W]
豆電球 16 0.00085 0.0000136 -
白熱電球10W 21 41 0.861 10
白熱電球20W 25 82 2.05 20
白熱電球30W 24 154 3.696 30
白熱電球40W 27 187 5.049 40
LED 2.6 512 1.3312 -


参考文献