原理
(1)記録
ホログラムの記録には、被写体から反射した物体光と、被写体を照らす光源である参照光の二つの波の干渉を利用しています。
図はホログラムの記録方法の概念図です。
物体光の複素振幅分布を式(1)とおきます。
U(x,y)=A(x,y)exp{iφ(x,y)}...(1)
A(x,y)はU(x,y)の振幅分布、exp{iφ(x,y)}は位相分布です。
また参照光は光軸に対して(-θ)複素振幅分布を式(2)とおきます。
U_R (x,y)=Bexp(-ikxsinθ) ...(2)
これは参照波の位相は原点に対して-kxsinθの位相差が生じるためです。
物体光と参照光の波長の干渉による感光材料面Hでの強度分布は式(3)と表せます。
I(x,y)=|U(x,y)+U_R (x,y)|^2
=|U(x,y)|^2+|U_R(x,y)|^2+U(x,y)U^*_R(x,y)+U^*(x,y)U_R(x,y) ...(3)
式(3)の第3項について詳しく表すと式(4)となり、注目する物体波の位相情報を含まれていることがわかります。
U(x,y)U^*_R(x,y)=A(x,y)exp{iφ(x,y)}Bexp(ikxsinθ) ...(4)
感光材料面での強度分布を記録したときの振幅透過率分布は式(5)のようになります。
T(x,y)=t_0+γI(x,y) ...(5)
ここでのT_0、Kは、記録材料の持つ特性によって定まる定数です。
(2)再生
次に、記録したホログラムから波面を再生するために、ホログラムの記録時と同じ入射角(-θ)で、
振幅分布C_0exp(-ikxsinθ)の再生波を入射させます。
ホログラムを通過した光の振幅分布R(x,y)は式(6)と表せるので、振幅透過率の式を代入すると式(7)となり、
3種類の波面を形成します。
R(x,y)=C_0exp(-ikxsinθ)T(x,y) ...(6)
R(x,y)=C_0exp(-ikxsinθ)γ×
{|U(x,y)|^2+|U_R (x,y)|^2+U(x,y)U^*_R(x,y)+U^*(x,y)U_R (x,y)}
=γ{A(x,y)^2+B^2 } C_0exp(-ikxsinθ)
+γBC_0 A(x,y)exp{iφ(x,y)}
+γBC_0 A(x,y)exp{-iφ(x,y)}exp(-2ikxsinθ) ...(7)
まず、直進光は再生波の位相が変調されずにそのまま直進することを示します。
直接像は再生波によって元の物体の波面が正確に再現されていることを示します。
実際には、再生波の照明しホログラムを右側からのぞくと、
元の位置にあたかも物体があるかのようにみえる波面を生じます。
共役像は直進する直進光の軸として直接像と対称な方向に実像を結びます。
式(7)からも、実像を光軸上に結びたい場合には、再生波を光軸にたいして対称な方向から照明すれば良いことがわかります。
すなわち、再生波振幅をC_0exp(ikxsinθ)とすれば、第三項R_Cは式(8)となり、
ホログラム面を対称な位置に元の物体の実像を結ぶことが分かります。
R_c=γBC_0 A(x,y)exp{-iφ(x,y)} ...(8)
このようにR_Cは元の物体をほぼ忠実に再現するので共役像と呼ばれています。
こうしてホログラムの後方に再生される波面は、元の物体からの波面に正確に一致します。