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衣服の色の見えにおける照明と周辺視覚情報の影響
本研究では、衣服の色彩の見え方に対象物側と見る側の照明の明るさの違いがどの様な心理的効果をもたらすのかを実験により明らかにすることを目的とした。また、単独で照明されたものと周囲に物が存在する状態で照明されたものでの影響も踏まえ、ライトアップやショウウィンドウの適切な照明方法を考える。空間の印象を決める大きな要因として、まず照度があげられ、次いで周辺物体の存在、さらに衣服の色が心理的効果を及ぼすのではないかと予想した。
実験はテスト室と被験者室を設定してその間に窓を一つ設け、被験者にはそこからテスト室のミニチュア空間を見て印象評価に関する質問項目17項目に答えてもらう。シーンは計48パターンあり、周辺物体の有無(2パターン)×人形の衣服色(無彩色・赤系統・多色有彩色の3パターン)×被験者室とテスト室の照度(それぞれ10lx、100lx、500lxの組あわせの8パターン)を組み合わせる。被験者は色覚正常な男女17名である。
実験結果の主成分分析により、印象の主要因として視覚的明瞭度が抽出され、その要因は照明の影響を強く受けることが分かった。特に、テスト室が明るく被験者側が暗い場合が明瞭度が高くなる。周辺物体のありなしによる心理的効果はあまりみられなかった。衣服の色と照明の関係においては、対象物側の照明が暗くなるほど印象に差がなくなることが分かった。この結果より、空間の印象には、対象物と観測者側の照度比が重要であることが明らかとなった。







