ホーム研究室紹介>色彩嗜好に及ぼすトーンの影響

研究室紹介

色彩嗜好に及ぼすトーンの影響

 色彩学において色彩嗜好は重要な課題であり、今まで様々な研究が行われている。ファッション、インテリアなどでも好まれる色に対しては関心が高い。これまでは、主に鮮やかな色に対する色彩嗜好が研究されていたが、日常生活には淡い色などトーンの異なる色が多く存在し、また、それらを見る背景も様々であり、これらの色に対する好みも重要である。

 本研究では、同じ色でもトーンごとによって嗜好が変化してくるかどうか、そして背景を変えると見え方が変わり好みが変化するかどうかを調査した。

 実験は、まず色彩トーン11種、各トーンについて12色、さらに無彩色10色の計142色の配色カードを用意し、それらを3色(黒、灰、白)の背景で観察する。黒、灰、白背景の順番で、同じ色の背景の上に12色(無彩色のみ10枚)を同時に並べて、被験者に好きな色上位3位まで、嫌いな色3位までを選んでもらった。

 実験結果は、色彩嗜好がトーンにより大きく異なることが判明した。例えば緑系の色彩は淡いペールトーンでは好まれていたが鮮やかなビビットトーンではあまり好まれていなかった。また、暗いダークグレッシュトーンではビビット、ペールと比べると色彩嗜好の変化が明確に分かれなかった。これらのことから、同じトーンでも背景が変わると色彩の好みが大きく異なり、色の見え方、感じ方が変わることが明らかになった。