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研究室紹介

視覚障害者のための触覚利用における基礎特性

 視覚障害者にとって触覚による情報伝達は重要であり、様々な生活用品を利用する上で必要とされている。近年、急速に進展してきたアクセシブルデザインの概念に基づき、凸記号を用いたデザインの製品がさらに増えてくると予想される。しかし、凸記号の幅や高さはデザインによって異なり、適した寸法が定められていないのが現状である。

 そこで、本研究では、触覚による凹凸面の知覚を様々な粗さにおいて計測し、触覚の基礎特性を明らかにする。触覚は年齢や、視覚障害者の触知経験によって変化すると考えられるので、高齢者や視覚障害者を対象として検討した。

 実験は、矩形波及びサイン波で幅と高さが変化する凹凸の縞模様サンプルを用いる。それぞれ30種、合計60枚のサンプルを用意した。このサンプルを指先で触り、凹凸のついた方向とそのわかりやすさを5段階で評価してもらった。被験者は、視覚障害者15名、高齢者15名、若年者10名である。この結果、全体の正答率は、若年者、視覚障害者、高齢者の順で高く、加齢効果があることが明らかとなった。触覚パターンは、幅が広いほど正答率が高く、わかりやすさの評価も高くなる傾向が強いことが分かった。また、幅に比べて、高さの影響は少なかった。触覚による知覚において、幅が重要な要素であるといえる。触覚記号のデザインには図形を構成する点や線の間隔を適切に設計することが重要といえる。