イタリアの食事情
イタリア人の普通の食生活って!?
イタリアと言えばカンターレ(歌)・マンジャーレ(食)・アマーレ(愛)の3フレーズがすぐに思い浮かぶほどイタリアの人々は人の基本的な欲求に子供のように素直です。フランス料理の洗練された佇まいとは違って、素材の良さをそのまま活かそうとするイタリア料理は日本でもよりカジュアルに受け止められていて、若者を中心に人気があるのはそのためではないでしょうか。そんなイタリア人の普通の食生活はどのようなものかご紹介しましょう。
イタリア人にとってのカフェって!?
イタリア人にとって“カフェ”は一日の生活のリズムを整えるためにも欠くことのできない文化です。街のいたるところにバールBarがあって、立ち飲みカウンターで“カフェ”をちょっと引っかけるイタリア人の姿は重要な街の景観要素と言ってもいいでしょう。日本では多くの場合「カフェ↘」と発音されますが、イタリアのcafèは語尾にアクセントがあるので「カフェー↗」と発音した方がイタリア語の発音に近くなります。このイタリアの“カフェ”、カプチーノなどいろいろな飲み方がありますが、一日の中でいつ何を飲むか、実はだいたい決まっているのです。
《カフェラッテ》
朝ご飯のときに飲むのがカフェラッテです。イタリア語でラッテlatteは牛乳ですから、要するにコーヒー牛乳のことです。日本のコーヒーショップで時々「カフェ・ラ・テ」と書いているメニューを見かけますが、恐らくカフェラッテに洒落たフランス語風の音感を求めた誤解の産物でしょう。大きめのマグカップに“カフェ”と温めた牛乳をたっぷり注ぎます。
《カプチーノ》
カプチン会の修道服と色が似ていることからついた呼び名で、日本でも今や定番メニューの座を獲得しているのではないでしょうか?“カフェ”に高圧蒸気で泡立てたミルクをたっぷりと載せたクリーミーなコーヒーです。おしゃれなお店ではココアパウダーを振って綺麗な模様を作ってくれたりします。このカプチーノはお昼前の休憩の時に飲むのが一般的で、昼食以降は普通飲まれません。ミルクの泡とたっぷりの砂糖で、お昼ご飯までもう一頑張りということでしょうか?
《カフェ・エスプレッソ》
細かく挽いた深煎りのコーヒー豆に高圧をかけて淹れる濃い目の“カフェ”がカフェ・エスプレッソで、名前の通りあっという間に入ります。イタリアで“カフェ”と言えば、普通このエスプレッソのことなので、いちいちエスプレッソと言うことはあまりありません。上述のカフェラッテやカプチーノもみんなこの“カフェ”に牛乳を加えて作ります。お昼ご飯の食後のコーヒー以降、夜寝るまでの間飲まれる最もポピュラーな飲み方です。少量ですが濃くて苦いので、苦手な人も多いようですが、喉の渇きを潤すと言うよりも砂糖を沢山入れて濃い味と香を一気に楽しむもののようです。高級なバールではグラスの水を一緒に持ってきてくれるところも多いです。
《その他の“カフェ”》
濃いコーヒーが苦手な人には“ラッテ・マッキアート”という飲み方があります。“マッキアート”とは“染みのついた”という意味で、温めた牛乳に“染み”程度の少量のカフェを垂らしたものです。カフェラッテよりも牛乳の割合が多くなります。逆に“カフェ・マッキアート”というのもあって、こちらはカフェに少量のミルクを垂らしたものです。
いわゆるカフェ・エスプレッソでは量的に物足りない人には“カフェ・ルンゴ”という飲み方があります。長い(ルンゴ)時間をかけて抽出するので薄く量も多くなりますが、イタリア人にはあまり好まれません。「長い時間をかけて抽出するから、カフェインの含有量は実はこちらの方が多いのだ。(したがって体に悪いからエスプレッソを飲んだ方がいい)」とイタリア人はしたり顔で言ったりします。
最近ではエスプレッソの苦手な観光客のために“カフェ・アメリカーノ”を出すお店もあるようですが、大概はエスプレッソをお湯で割っているだけなのでお気をつけて。
住居学科 片山 伸也
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