ナショナルデータベースを用いた生活習慣病の臨床疫学研究 — 関東1都6県における横断・縦断解析 —(NDB-K7Ps Study) —
我々の研究室では、大規模保健医療データを用いて様々な解析を行い、臨床的知見を探求しています。
主となる研究事象は、体重の異常(肥満・痩せ)であり、body mass index(BMI)で評価しています。体重は、栄養の過不足によって生じた最終結果であり、最も基本的な健康・栄養指標です。
体重の異常は、原因としてもまた結果としても、ほぼ全ての疾患に関連すると言っても過言ではありません。糖尿病はじめ、高血圧、脂質異常症、糖尿病、腎臓病等々とはとくに密接な関連があります。
関東1都6県の特定健診結果、病名レセプト、投与薬剤(製品名・用量など)などのデータを厚生労働省から提供して頂いています。しかし、年度あたり1千万人ほどの特定健診結果、病名レセプト、投与薬剤(製品名・用量など)のデータは、別々のCSVデータシートで提供されるため、これらを結合させて1つの解析用データセット(all-in-one dataset)を準備するのは、量・質ともに膨大であるため、ハード面、ソフト面双方で容易ではありません。
現在、結合させずに、SQLを介したRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)による解析も進めています。
従来の統計解析ソフト(SAS等)を用いてこのようなデータを解析しています。また目的事象の予測率、各因子の貢献度、非線形の関係という面を検討する場合は、ビッグデータと相性の良い機械学習も使用して解析をしています。
ビッグデータの調査研究という手段を用いていますが、臨床的観点から因果関係やメカニズムなどを推論しながら解析を進めています。
臨床医学・代謝内科学研究室 中島 啓
補足
ナショナルデータベースで、どんな医学研究ができるか(ChatGPT4.0oの返答)
ナショナルデータベース(NDB)は、日本の医療データを集積・管理する巨大なデータベースで、医療の質向上や効率的な医療提供を目的としています。このデータベースを利用することで、様々な医学研究が可能になります。以下に具体的な研究の例を挙げます。
1. 疾病の流行状況の分析
NDBを用いて、特定の疾病の発生率や罹患率の地域差、年齢層別、性別別の解析が可能です。これにより、公衆衛生政策の策定や予防策の立案に役立ちます。
2. 医療費の分析
医療費の推移や医療資源の使用状況を解析することで、医療費の効率的な配分や医療サービスの質向上につなげる研究が行えます。例えば、特定の治療法や薬剤のコストパフォーマンスを評価する研究が可能です。
3. 治療効果の評価
特定の治療法や薬剤の効果を、実際の診療データに基づいて評価することができます。これにより、エビデンスに基づく医療(EBM)の推進や、新しい治療法の開発に貢献します。
4. 医療の質と安全性の評価
患者の転帰(アウトカム)や医療事故の発生率などを解析し、医療の質と安全性を評価する研究が行えます。これにより、医療現場の改善点を特定し、医療の質向上に役立てることができます。
5. 疫学研究
NDBのデータを用いて、生活習慣病やがんなどの疫学的研究を行うことができます。これにより、疾病のリスク因子や予防策の効果を明らかにする研究が可能です。
6. 地域医療の評価
地域ごとの医療提供体制や医療資源の利用状況を解析し、地域医療の質や効率を評価する研究が行えます。これにより、地域間の医療格差を是正するための政策立案に役立ちます。
7. 長期的な健康影響の追跡
NDBの長期にわたるデータを利用して、特定の治療や薬剤の長期的な健康影響を追跡する研究が可能です。これにより、慢性疾患や後遺症の管理に役立つ知見が得られます。
参考資料
NDBを利用した具体的な研究例やその成果については、以下の資料を参考にすることができます。
•厚生労働省「ナショナルデータベース(NDB)」
NDBを活用することで、医療の質向上や公衆衛生の改善に大きく貢献することが期待されています。