アオウミウシの完全養殖

 かつて、めだか研ではウミウシを捕獲・飼育していたことがあります。「ウミウシで遺伝学ができたら面白いに違いない」との目論見が発端ですが、孵化した幼生を成体まで育てることができず、早々に諦めてしまいました。もう10年以上前のことです。

 2024年7月21日に公表された論文で、なんと「アオウミウシの継代飼育が可能」と報告されました。筑波大学(中野裕昭研究室)の博士課程の大学院生、林牧子さんの成果です。

 実は、林さんは「ウミウシを捕獲・飼育していた頃のめだか研」の卒業生です(参考)。当時、解決の糸口すら見えなかったことを、今になって実現させたのは、素直に素晴らしいと感心しますし、卒業生の頑張りを喜ばしくも思います。この先、どのように研究が展開するか楽しみです。

 「ウミウシで遺伝学」、夢ではなくなりました。アクアリウムで気軽にウミウシを楽しめる日も近いでしょうか。