種考房 つ・く・る発表論文 研究論文・発表梗概・報告書
建築と住居の総合的な安全性と快適性の確立をめざして、
日々研究を行っています。
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  昭和50年に卒業論文で合成梁の押し抜き実験を手掛けてから,研究生活として早30年目を迎えることになりましたが,この間に多くのテーマに出会い,構造安全に関して多くの示唆を得ることになりました。

  鋼と鉄筋コンクリートの合成梁におけるスタッドコネクタの果たす役割の解明や梁の挙動に関する一連の研究。それにも関係してコンクリートの強度発現に興味をもち,骨材の打ち込み温度とコンクリート強度との関係,あるいは木材の切り欠きが木材の引張り強度に与える影響に関する研究。

 その後は,建築・住居の使命がその内に住まう人間の安全であることに改めて立ち戻り,人とその器である建築構造物との関わりをテーマにすることが多くなってきました。床スラブの振動障害に関する研究を発端に,水平揺れの感覚の評価から,構造物の使用限界状態設計へ至る研究。これには,実験室内の感覚実験をはじめ30階建ての高層住宅の実態調査も行いました。視覚の揺れ感覚に対する影響についても解明しています。

 また,それらの実験や分析から心理学分野の手法や考え方を利用することが多くなり,官能検査や多変量解析などの理解を深めるとともに,「あいまいな事象に対する評価手法」に興味をもつことになりました。構造物が目指している安全とは如何なるものであるのか? 構造を規定している建築法規や学会規準類に関する一連の研究。この研究を通して大宝律令まで遡ろうとは思いませんでしたが,規定の変遷をたどることで,規定の根拠がどこにあり,安全概念がどう形成されてきたのかを調査しました。建築・住居と同じく人を内在している構造物として,船舶・航空機・鉄道車両・自動車の設計法や検査制度との比較研究。これをきっかけに構造物のイニシャルコストと維持管理の関係に興味をもつことになりました。安全を脅かす荷重外力に関する研究。特に人にも直接関係する積載荷重に関する一連の研究。安全と対極をなす災害に関する一連の研究。特に近年の地震災害の分析から得られた知見で,構造安全には人々の知識や意識が大きく関与していることが分かり,住情報や住教育の重要性を痛感しています。限界状態設計法のあるべき姿を模索しているなかで,以上の安全の集大成として建物の構造安全の水準は現在どの辺にあり,今後如何にあるべきかについて問題意識をもつことになりました。

 建物の安全水準は社会的合意であり,したがって,行政の許認可はあるにせよ,建築主のみならず一般の社会構成員である人々の意識を踏まえつつ,構造設計技術者が最終判断をして,決定することになると考えています。

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