HLSRC・生涯学習総合センター共催による 第11回 生活安全保障セミナー
地震が起きたらどうなる?どうする?
コーディネーター 
人間生活学研究科生活環境学専攻 
家政学部住居学科・教授        石川孝重  

日本女子大学総合研究所人間生活科学研究センター
第11回生活安全保障セミナー(生涯学習総合センター共催)
「地震が起きたらどうなる?どうする?」
が、2005年10月29日(土)13:30〜16:45に目白キャンパスにて開催された。

セミナーの模様は、Live講座として西生田キャンパス、札幌・福岡サテライトにも同時配信された。
セミナーは目白キャンパスで約80名、Live講座の配信先も含めると約100名の参加があった。
参加された方々は熱心に聴講され、また今回のセミナーでは男性の参加者が多かったのが特徴である。

 セミナーは河内センター所長の挨拶に始まり、続いてコーディネーターとして住居学科石川孝重より今日のセミナー開催に至った主旨と地震に関する基礎知識の話しがあった。
世界的にみると日本では多くの地震が起きていること、東海、東南海、南海地域では地震発生がひっ迫していることなど、最近の地震を取り巻く状況を説明した。
来たりうる地震にむけて市民の理解が必要なことなどについても触れた。


 主題解説としてはまず、富士常葉大学池田浩敬先生より
「事前の住宅耐震化支援と事後の住宅再建支援」と題して、住宅耐震化の必要性の講演があった。
阪神・淡路大震災では死因の大多数が建物倒壊によって物に押さえつけられて窒息するケースであったことから、耐震診断を受けて必要に応じた耐震補強をし建物が倒壊しないように事前に対策することが重要であること、そのために行政が補助制度を設けるなど耐震診断・耐震改修を進めていることが、横浜市や静岡県の事例を通して紹介された。

 次に、(NPO) I Loveつづき副理事長岩室晶子氏より「身近な環境・まちづくりからの防災イベント企画〜横浜サバイバルジュニア隊員養成の結果報告〜」と題して、2005年8月に小学生対象に行った防災キャンプの取組みが紹介された。
これは小学校3〜6年生を対象に1泊2日で行ったものであり、ロープワーク、シーツで包帯作り、正しい情報伝達の訓練、ガスマイコンメーター復旧の仕方、防災街歩き・防災マップづくりといった体験学習や、横浜と地震、地震が起きたら自宅はどうなるかといった学習、非常食の試食などを行い体育館で宿泊した。
子どもたちは楽しみながら、真剣に防災学習を行い、9月には自宅周辺の防災マップ作成の宿題発表会も盛大に開催されたとの報告があった。

 石川孝重より3題目として「自分の身は自分で守る〜自助のすすめ〜」と題して、阪神・淡路大震災では、要救助者の8割が近隣住民によって助け出されていることから、地域ネットワーク作りに着目した。
最近の日本は地域コミュニティが崩壊されてきたと言われているが、ましてや防災のみのネットワークではうまく機能しない。
そこで、大学生を活用した地域防災ネットワーク構想を提示した。日本女子大学および学生の居住地をコアとした日常からの連携を意図した提案である。
女子大学周辺の地域分析や町会長へのヒヤリング調査など、これまで行ってきた研究結果などを交えて紹介した。
また、市民教育の取組み事例をはじめ、早期教育に対する大学からの社会発信として、卒業論文等でここ数年研究室で取り組んでいる、子ども向けの絵本などについても紹介した。

 武蔵野大学伊村則子先生からは「地震発生時にあわてないための準備〜室内の安全と家族のための対策〜」と題して、地震が起きたら自宅の室内安全の対策が必要であり、家具・家電の転倒防止対策など、災害が起こる前から家庭で行っておくべき対策について、阪神・淡路大震災での状況や研究結果をふまえた講演があった。
また、発災時の連絡方法・参集方法を含め家族で決めておくべき内容などについても紹介された。

 最後に「今後にむけて」と題して、石川孝重の司会でパネルディスカッションを講師全員で行った。
講師からは自助・共助(互助)が大切であることが改めて話され、会場からは家族で行ってほしい防災会議の項目、集合住宅に対する耐震診断、出勤時や映画館に行った時に気をつけること、外出先で一人の時の対策、地域の防災訓練を活発化するためのアイディアなど熱心な質疑が行われ、関心の高さが感じられた。


このセミナーが少しでも減災につながれば幸いである。

講師の先生方および参加された皆様に感謝している。