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理学部の女性科学者 4人にインタビュー
~ もっと多くの女性科学者を育てたい ~
~  イ ン タ ビュ ー  目 次  ~
T  O  P
 (1) 数物科学科     夏井利恵 准教授 (数学)
 (2) 数物科学科     村岡 梓 講師 (物理学)
 (3) 物質生物科学科  佐藤香枝 准教授 (化学)
 (4) 物質生物科学科  永田典子 教授 (生物学)
 (5) 理学部卒業生の就職先・進学先の紹介
(1) 夏井 利恵(なつい・りえ) 准教授 博士(理学)1999年 日本女子大学 理学部 数物科学科 卒業。
慶應義塾大学大学院 理工学研究科数理科学専攻に進学、2004年博士課程修了。その後、慶應義塾大学大学院理工学研究科助手、日本学術振興会特別研究員PD、日本女子大学理学部数物科学科助教、講師を経て現職。
<<研究内容>> 解析学の中でもエルゴード理論を専門とし、確率論・数論的アプローチから可測力学系に関する研究を行っている。
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数物科学科 夏井利恵 准教授 (数物科学科コンピュータ室にて)
~ ひとこと自己紹介 ~
趣 味 : 映画鑑賞
気分転換のしかた : 散歩をする
── 夏井先生は本学でどのような学生生活を過ごされたのでしょうか?
  早い時期から大学院に進学したいという目標があったので、まじめに勉強していたと思います。 自分が興味を持った解析学などの講義に関してはいつも前のほうの席に座り、先生を質問攻めにしていました。先生から見ればそうとう面倒な学生だったと思います(笑)。
 毎年、目白祭(大学の学園祭)で数物科学科の学生有志による出展をしているのですが、私が学生のときも出展に参加しました。興味を持った数学的な事象を自主的に調べて研究発表したことが良い経験になりました。なによりも、先生方や先輩方と親しくなれたことがよかったと思います。来てくださるお客さんへの説明も楽しかったです。

大学院へ進学
── 大学院への進学・進学準備についてお聞かせください。
 大学院への進学を考え始めたのは大学2年生の終り頃で、そのときはすでに数学の研究者になりたいと思っていました。ただ、当時は本学の理学部の大学院ができて間もない頃でしたので、研究者の育成に実績がある他大学の大学院に進学することにしました。また、私は本学附属校の女子校育ちでしたので、外に出て広い世界を見てみたいというのも大きな動機だった気がします。
 大学4年生のとき、卒業研究ゼミの先生から、他大学の先生の情報や研究室についての情報をもらって勉強をしました。授業以外の内容も独学でたくさん勉強したと思います。

 大学4年生のときの卒業研究ゼミでは、数学書に載っている数式などの「行間を埋める」ことを先生から徹底的に指導されました。例えば、数式のあいだ(間)には、本来の計算過程がある程度省略されて書かれるのが普通ですが、その数式の間がどのようになっているのか、数式の「行間を埋める」ことを自分の頭で徹底的に考えるように指導されました。楽をしようとして考えるのを少しでもサボると、先生にはすぐにバレてしまいました。おかげで大学院で学ぶための心構えというものができたと思います。大学院に進んで、内容が高度になって精神的につらいことがあっても、卒業研究ゼミでの経験があったのでくじけることはありませんでした。

女性の視点
── 数学において女性の研究者は男性の研究者と、なにか違いがあると思われますか?
 基本的に、数学という学問には男女の違いがなく、男女とも平等に活躍できるという利点があります。本当はここで「女性の視点が活かせる」的ないい話があればいいのでしょうけど、そういうのが無くてごめんなさい(笑)。
 ですが、大学において、中学校や高校の「数学の先生を養成する」という視点で考えたときは、ちょっといい話があります。本学には数学の先生を目指して入学してくる学生も大勢いるのですが、私のゼミでは学生たちに、生活に役立つ、身近にある数学を自分で見つけて考えてもらうように指導しています。生活の中にある数学というのは、例えば、道路の渋滞学や、ATMやエレベーターの待ち行列など他にもいろいろありますが、そういう身近なテーマを探して考えるのは女子学生はとても得意だと思いますね。

── 最後に、研究者をめざす学生さんたちにメッセージをお願いします。
 大学では女性の中で何でも自ら積極的にやってきたので、自信を持って大学院に進めたと思います。いま思うと当時は怖いもの知らずだったと思いますが、結果的にはそれがよかったのかなとも思います。 大学生のときにいろいろな経験ができて、その余力があったので大学院でもやっていけたのだと思います。

 大学生活ほど貴重で贅沢な時間はないと思います。大学時代には自由な時間がたくさんあります。自由であるからこそ受動的でなく、能動的に自ら行動し、選択をしていかなければなりません。ぜひ深い探究心を持って、自分でテーマを決めて、実り多い大学生活を送ってもらいたいと思います。