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理学部の女性科学者 4人にインタビュー
~ もっと多くの女性科学者を育てたい ~
~  イ ン タ ビュ ー  目 次  ~
T  O  P
 (1) 数物科学科     夏井利恵 准教授 (数学)
 (2) 数物科学科     村岡 梓 講師 (物理学)
 (3) 物質生物科学科  佐藤香枝 准教授 (化学)
 (4) 物質生物科学科  永田典子 教授 (生物学)
 (5) 理学部卒業生の就職先・進学先の紹介
(2) 村岡 梓(むらおか・あずさ) 講師 博士(学術)日本女子大学附属豊明幼稚園から大学までの一貫教育で本学に学ぶ。
日本女子大学理学部数物科学科を卒業後、本大学大学院 数理・物性構造科学専攻に進学。 東京大学大学院総合文化研究科博士課程にて学位取得。 その後、フランスのUniversité de Versailles Saint-Quentin-en-Yvelines(ベルサイユ サン・カンタン・イベリン大学)博士研究員、明治大学理工学部 物理学科 助教、東京大学大学院工学系研究科 JST、CREST主任研究員を経て、2015年より現職。
<<研究内容>> 物質の電子状態を第一原理計算により解明し、分子物理・分子物性の理論的研究を行っている。
── 学生時代の村岡先生はどのような学生さんだったのでしょうか?
 小さい頃から身近に起こるいろいろな自然(物理)現象に大変興味がありました。そうしたこともあって大学では物理・化学など実験の授業が楽しみで、おおいに実験にハマっていました。実験で生じた現象を理論的に裏付けることがまた楽しく、本屋に飛び込んだりして自分で納得いくまで調べたりすることをよくしていたように思います。当時、理工学専門書を多く扱っていた池袋の書店に通って、本を買いあさっていたものです。それが今に通じているのかなと思っています。アメリカのボストンでの国際学会に参加したとき、ボストン郊外の本屋で夢中で専門書を探し求めたことが思い出されます。

大学院への進学
 大学に進み、より一層物理学を極めたいと考えておりましたので、当初より博士課程まで進みたいと思っていました。本学には熱意溢れる先生方が多くいらしたので、是非ご指導を仰ぎたいという熱い希望もありました。4年生になり、実験に明け暮れる毎日でしたが、折に触れ学会に参加させていただいたり、一年を通じて東大との共同研究をさせていただいたりしているうちに、研究というものの面白さや奥深さ等に触れることができたように思いました。
 また本学や東大の先輩方の研究姿勢に憧れ、刺激され、是非自分も先輩方に恥じないような研究者になりたいと思うようになり、それが、研究者を目指すということが現実の目標になった瞬間でした。
写真2
数物科学科 村岡 梓 講師 (研究室にて)
~ ひとこと自己紹介 ~
趣 味 : 音楽鑑賞(クラッシック)
休日の過ごし方 : 趣味のフランス刺繍を楽しんでいます。
マイブーム : 国際学会に行ったら、その土地の民芸品を必ず買って帰ります。
座右の銘 : 「継続は力なり」 博士課程 及び ポスドク時代の指導教官より言われた言葉です。
フランスで研究生活
── どのような経緯でベルサイユ サン・カンタン・イベリン大学へ行かれたのですか?
 東大で研究している時に、「第一原理計算の実験を行う共同研究者を募集しているが、どうですか」と、フランスのベルサイユ大学の教授からお誘いがありました。突然のお話ではありましたが、誰にも相談せずに迷うことなくふたつ返事で「お願いします」と即答しました。機会があればくらいに思っていましたので、特にそのための準備をしていたわけではなかったので、周囲を驚かせてしまいましたね。とにかく「いいチャンスだ」と直感したのです。出発するまでの短い期間で、先方の教授の論文を読んで私の専門である”第一原理計算”を使って何ができるか、目的の確認だけはして飛び出すことになりました。自分でも思い切りの良さ、決断の速さに驚いたくらいです。

あまり迷わず自分を信じて飛び込むこと、柔らかいものの考え方も大事
 ベルサイユ大学の研究室のメンバーは多国籍で、フランス人のほかに、チュニジア、マリ、ルーマニア、イタリア、ベルギー、モロッコ、インドなど、いろんな国から研究者が来ていました。ゼミや日常会話は基本的に英語ですから、英語でコミュニケーションをとります。また、数ヶ月後にはフランス語で教授や研究者とディスカッションができるようになり、帰国する頃には不自由なくフランス語が話せるようになっていました。
 研究も概ね順調に進む中、フランス国内はもとより他国での国際学会にも積極的に参加し、大変度胸がついたと思っています。
 教授陣を始め、周りの研究者たちは大変気さくでフレンドリーでした。その研究者仲間とは今でも交流があります。ここで生まれた人脈は私の大きな財産になっているように思います。帰国後は、共同研究体制はもちろんのこと、仲間の結婚式に招かれルーマニアまで行ってきました。
 とにかく、いいと思ったら自分を信じて、あまり固定観念にとらわれず、何事にも挑戦してみようというスタンスが私のモットーです。


── 女性研究者の先輩として、研究者をめざす学生のみなさんにアドバイスをお願いします。
 本学の理学部は、数理・物理・化学・生物学の基礎科学全般にわたり横断的に幅広く学べるようになっていることが特徴です。
 研究者として一つの専門分野に取り組む場合、学際的な幅広い分野に裾野を広げておくことが発想や考え方など研究の展開に大きく寄与することがあると教えを受けました。そうした意味も含め、自ら行動範囲を狭めることなく、さまざまな可能性を求めて挑戦する女性になってほしいと思います。