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理学部の女性科学者 4人にインタビュー
~ もっと多くの女性科学者を育てたい ~
~  イ ン タ ビュ ー  目 次  ~
T  O  P
 (1) 数物科学科     夏井利恵 准教授 (数学)
 (2) 数物科学科     村岡 梓 講師 (物理学)
 (3) 物質生物科学科  佐藤香枝 准教授 (化学)
 (4) 物質生物科学科  永田典子 教授 (生物学)
 (5) 理学部卒業生の就職先・進学先の紹介
(3) 佐藤 香枝(さとう・かえ) 准教授 博士(農学)1993年 日本女子大学家政学部家政理学科Ⅰ部(化学系)卒業。
1999年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程 修了。 その後、国立がんセンター研究所 細胞増殖因子研究部 リサーチレジデント、理化学研究所バイオ工学研究室 基礎科学特別研究員、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 助手、 東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻 講師を経て、2009年より現職。
<<研究内容>> マイクロデバイスを用いた遺伝子検査法の開発およびマイクロ血管モデルの開発

物質生物科学科 佐藤香枝 准教授 (個人研究室にて)
~ ひとこと自己紹介 ~
趣 味 : ビオラ演奏。社会人オーケストラに所属しています。
休日の過ごし方 : 料理・買い物
最近のマイブーム・ハマっていること : Youtubeでクラッシック音楽を聴く、料理番組を見ること
スウェーデンでの国際共同研究
── 佐藤先生が参加されている国際共同研究についてお話していただけますか。
 2006年からスウェーデンの研究所と国際共同研究をしており、それから 8年ほど毎年夏にスウェーデンに行っていました。国の支援で行われている日本とスウェーデンの共同研究の取り組みがあり、そこに私の立てた企画が採択され始まったものです。スウェーデンはノーベル賞のお膝元の国であり、あらゆる科学分野で研究のレベルの高さには定評があります。 私は、ウプサラ大学の先生と共同でDNA分析装置を作る仕事をしていました。スウェーデンに実際に行って、「サイエンス」誌の論文で読んだ開発者の先生と直接お話ができたときは、勉強を続けてきて本当に良かったと思いました。 普段は、メールでデータ、論文、実験の相談のやり取りをしつつ、シンポジウムを日本とスウェーデンで毎年交互に開催しました。

 スウェーデンの研究所は、日本よりも環境がゆったりした印象があります。じっくり考えて研究者同士ディスカッションするのが好きで、ホワイトボードが至る所にあります。大学院生も積極的に議論に加わっています。勤務時間が比較的短いのに論文投稿先は「ネイチャー」などの有名な雑誌です。 研究所にはいろいろなスタッフ(洗い物専門、試薬調製の専門)がいて効率的に実験が行えるからかもしれません。
── あちらでの仕事はすべて英語ですか?
  スウェーデンの母国語はスウェーデン語ですが、スウェーデンには、子供の見るアニメ、娯楽TV番組などは海外から輸入されたものしかなく、子供のころから皆英語に慣れているので、国民は普通に英語が話せます。一方、私は、英語の論文は日常的に読んだり書いたりしていましたが、大学の英語クラスで習ったくらいで、英会話学校に通ったことはありませんでした。ディスカッションは初めての経験で、科学の専門用語を基本文法に沿って繋げて話すぐらいでしたが、研究をやりたい気持ちがあったので仕事内容の打ち合わせはできました。

仕事と家庭を両立するコツ
── 仕事と家庭の両立はどのようになさっているのですか?
 家事を効率よくこなすことを心がけています。家庭生活の中で大事なことを失わないようにするために、優先順位を付けて行うようにしています。料理が好きなので、食事はなるべく家族と一緒に食べるようにしています。都合でそれができないときは、お弁当を作っておいて同じものを食べるようにしたり。少しでも連帯感が保てることを期待しています。 それと、家事では「100%完璧」を目指さないこと。 100%完璧にはできないということを自分がまず理解して、家族にも分かってもらっています。

── 女性の視点が仕事で役に立ったことはありますか?
 研究テーマを選ぶ際には、オリジナリティのあるもの、他の研究者とかぶらないものを考えることが重要になります。私がテーマを考える発想法の一つとして、自分が女性であることを意識してテーマを探す、男性と違う視点のものを選ぶようにしています。 そうすると、少なくとも男性研究者とはテーマがかぶりにくくなる。それがいいのです。
 たとえば、これはテーマ選びの話ではないのですが、ある実験で材料として“小さな溶ける物”が欲しかったのですが、研究室では適当なものを見つけることができませんでした。そこで身近にあるもので何かないかを考えてみて、思いついたのがケーキの上に載っている”アラザン(砂糖でできている銀色の粒の飾り)”でした。 アラザンを化学実験の材料として使ってみたところ、いい実験結果が得られました。女性だと、生活に近いもの、身近なものなどは、わりと思いつきやすいのではないでしょうか。

──最後に、研究者をめざす学生さんたちにメッセージをお願いします。
 物質生物科学科の授業の中では10種類くらいの最新分析機器装置を使った実験を体験できます。これは他の大学の理学部と比べてもめずらしく、実践的な教育を重視する本学の特徴的なものだと思います。また、大学院生になれば外国で研究発表をしたり、外国の研究室で実験をするチャンスもあります。

 大学生活は自分の力を思いっきり試せる時間です。自分が興味を持った勉強にじっくり時間をかけて取り組みましょう。また、研究者になるには、勉強を継続していくことが重要です。前向きな気持ちを保ちつづけるためにも、気分転換になる趣味や一生の友だちも見つけられるといいと思います。