ピア・サポーター養成講座 中級第2回2024

 ピア・サポーター養成講座 中級第2回では、「ナラティブを分厚くしよう」と題して、『A子の物語』という架空の話をもとに登場人物の責任について考え、話し合いました。
 物語には、A子、父親、母親1、母親2(継母)、相談員、A子のボーイフレンドの6人が登場しました。15歳のA子は、複雑な家庭環境のほか、生活態度の急変や17歳のボーイフレンドとの子供を妊娠するなど、多くの問題を抱えていました。
 この現状を踏まえて、6人のうち誰が最も責任があるか順位付けを行い、グループ内で意見を共有しました。
 話し合いの中では、様々な立場や観点から意見が出されたことで議論が白熱し、集団決定に至るのが非常に難しかったです。A子との関係性、A子が妊娠した事実に対する社会的責任、A子と子供の将来などの視点が挙げられ、人によって異なる順位付けがなされていました。しかし、全体的にはA子との関わりの薄さから、相談員や母親1の責任は軽くなる傾向がありました。その他の登場人物については、A子自身と周囲の状況を鑑み、どのような基準で責任を捉えるかによって順位に変動が見られました。
 話し合いを経て、自分自身の価値観について客観視できただけでなく、周りの人の意見に耳を傾けることで、自分にはなかった新しい視点を知ることができました。
 一人一人が異なる価値観や考え方に基づいて物語を捉えている中で、相互理解から受容に至るまでのプロセスの難しさを実感できた講座でした。

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