
昨年(2009年)の4月から半年間、大学の海外研修で、イギリスのケンブリッジ大学にビジティングスカラー(客員研究員)として滞在する機会を得ました。ビジティングスカラーは、学部や研究所に所属することになりますが、私が所属したのは教育学部でした。ここでの研究テーマは、「歴史的景観保全に関する住民の学習活動と子どもへの環境教育」というものでしたが、かねてよりこのテーマは私の関心領域のひとつであり、現地に滞在してこそできる研究をと選んだものでした。
指導にあたって下さったリズ・テイラー講師は、専門は地理教育の先生ですが、イギリスの子どもたちが「遠い国、日本」に抱くイメージについての研究をなさり、来日経験もある方でした。1~2週間に1回程度、指導の時間をとって下さったのですが、研究のことだけではなく、イギリスでの生活に関する情報を下さったり、集会の案内をして下さるなど、ご親切な対応に大変助けられました。
ケンブリッジ大学には(また、オックスフォード大学にも)、学部のほかにカレッジという組織があることはよく知られており、通常、学生はカレッジにも所属することになります。ビジティングスカラーは必ずしもカレッジに所属しなくても良いのですが、カレッジの生活の一端でも経験する機会になればと、今回、セントエドマンズカレッジに所属しました。学生はカレッジ内で寝起きし、食事をとり、スーパービジョンと称する個人指導を受けるのですが、私はカレッジ外に宿泊していたので、おもに食事を通してのカレッジとの関わりとなりました。
月に何回か開催される「フォーマルホール」という晩餐会にも出席しましたが、白いテーブルクロス、銀の燭台、黒いガウン姿のフェローたち、食事の前のラテン語のお祈りといったケンブリッジ文化(?)にふれたのも貴重な体験でした。ただし、早口の学寮長の隣の席での会は、聞き取るのに必死で、ほとんど食事の味を楽しめるどころではありませんでしたが。
(文責:高野 由美子 准教授)
