日本女子大学は日本初の女子高等教育機関として1901年(明治34年)に創立されました。幼稚園から博士課程後期まで、大学院を持つ4学部(家政、文学、人間社会、理学)があります。本学は一貫教育を通じた専門教育の場として日本の女子高等教育の発展と人材育成を担い、創設以来1世紀以上にわたって、研究者を含む専門性の高い職業人、そして、次世代を育む母親を世に送り出してきました。
設立当初から科学教育を重視し、物理および化学実験を行うなど、理系の女性育成と言う点では先進的な取り組みを続けてきました。男女平等を基本とした人間教育を目指す創立者の精神を受け、理科学に関心を持ち学問を究めるための環境は、日本女性初の農学および薬学博士丹下うめ博士を生むことにつながりました。
その後、今日に至るまで350名を超える女性研究者が育成されています。基礎研究を重んじる環境をさらに延ばすために、1992年には21世紀型人財育成を目標に掲げ、家政理学科が拡充改組され、数学・物理・化学・生物の4分野を持つ理学部が誕生しました。これは私立女子大学では唯一の理学部であります。
このような環境の下、女性理系研究者の卒業生は着実に増加してきていますが、本プロジェクトの推進により、理学部、家政学部をはじめとして全学規模でさらに急速な発展を目指しています。


理学部の教育目標の一つが研究者の育成です。理学研究科の設置以来、他大学への進学者を含め過去3年間の平均進学率は24%になっています。これは本学の他学部の大学院進学率に比べても高いだけでなく、全国の理系女性学生の平均進学率16%をも上回っています。
博士後期課程への進学者のうち、本学学位取得者(論文博士を含む)は12年間に19名を数えており、他大学での取得者を含めると25名を越えています。これらの学位取得者は、卒業後も本学および他機関における助手、学術研究員、企業の研究員など専門性の高い業務に従事しています。
家政学部時代からの理系研究者として、研究・開発に従事している卒業生は、大学・研究機関の121名を含め350名の多きに達しています。


シンポジウム
■平成18年3月18日学術交流公開シンポジウム「女性と科学」
開催日時 :3月18日(土)13:30〜17:15
場所 :日本女子大学目白キャンパス 八十年館5階 851教室
総合司会 小舘 香椎子(日本学術会議会員、日本女子大学理学部教授)
● 第1部
・開会の辞 岡崎 廉治(日本女子大学理学部長)
・挨拶 後藤 祥子(日本女子大学学長)
1. 女性と科学 〜男女共同参画の視点から〜 猪口 邦子(内閣府少子化・男女共同参画大臣)
2. 科学技術への女性の参画 丸山 剛司(内閣府科学技術政策担当政策統括官)
3. 女性科学者の活躍と将来への期待 松本 和子(早稲田大学教授、本学附属中・高校出身)
● 第2部
1. 女性の活躍促進のための科学技術施策 田中 正朗(文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課長)
2. 卒業生からのメッセージ
司会 永田 典子(日本女子大学理学部専任講師)
・「目標は虫歯のない社会」 江藤 亜紀子(国立保健医療科学院主任研究員)
・「一つの目、二つの目、三つの目」 塚田 由紀((独)交通安全環境研究所交通システム研究領域研究員)
・「社会の要望に応える新薬創製をめざして」
上村 みどり(帝人ファーマ 創薬研究所創薬開拓研究部 課長)
・「変化の中で、知的財産の時」 早川 美江( JALインフォテック 総務部長)
3.特別講演 塩満典子(内閣府男女共同参画局調査課長)
・閉会の辞 松影 昭夫(日本女子大学理学研究科委員長)
猪口大臣は、自らの経験を通してこれからキャリアを築こうという女性達に「ひるんではいけない」、「ひがまれたり」「足を引っぱられても」、この3つの「ひ」を乗り越えないといけないと熱く会場の人々をエンカレッジした。
丸山氏、田中氏、塩満氏から、次々と日本の科学技術の現状が紹介され、将来へ向けて具体的政策-女性科学者を25%にすること、そのための経済的、制度的支援をおこなうという政策決定が紹介された。それと同時に、本学女子学生への期待が語られた。
卒業生たちが自らの体験を語るとともにロールモデルとしての生き方を身近なものとして後輩に語りかけた。
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サマースクール
日本女子大学では、女子中学・高校生向けの理科サマースクールを開設しています。平成17年からは近隣の中学・高校生にも開放しており、本年は250名を超える参加者がありました。過去3年間の内容は下記の様です。
■平成17年度サマースクールの講座内容
・ユークリッドの原論に挑戦しよう!
・魔法のカードと2進法
・結び目〜絡まった輪っかの幾何学
・原子を見る:原子の山と砂遊び
・超伝導の不思議な世界
・光が創る3次元の世界
・パソコンによる天体画像処理
・色素の化学
・飲み水の味を決めるミネラルバランス
・分子のかたちの不思議
・電子顕微鏡で見るミクロの世界
・バイオフラワーつくり
・培養ヒト細胞への遺伝子導入
・カエルの筋収縮:動物の動く仕組み
■平成16年度サマースクールの講座内容
・結び目理論
・幾何学模様
・ホログラフィと立体視の世界
・光通信と半導体レーザ
・身近な物質をx線を使って見てみよう
・色素の化学
・花の色の不思議
・虹を作る科学
・水を測るー分析化学の眼
・培養ヒト細胞への遺伝子導入
・カエルの筋収縮:動物の動く仕組み
・細胞内のDNAを観る
・ミクロの不思議
・組織培養によるバイオフラワーの作成
・細胞から核酸を抽出して、分光光速度で計測する
■平成15年度サマースクールの講座内容
・結び目の数学
・X線は見えないものを見せてくれる
・超伝導とその応用:高温超伝導体の作製とその浮上実験
・色素の化学
・花の色の不思議
・培養ヒト細胞への遺伝子導入
・アフリカツメガエルの受精と発生
・組織培養によるバイオフラワーの作成
・身近な生物の微細構造を顕微鏡で観る