複屈折物質
~方解石~



複屈折


 複屈折とは、光がある種の物質を透過したときに、二つの方向に屈折し分けられることをいう。
 分けられた光はそれぞれ「通常光線」「異常光線」と呼ばれ、光学軸に対して偏光方向が異なる。
 この二つの光は、屈折率が異なるため、光の速度が異なり、それによって、位相差が生じる。

 また、光が入ると、複屈折が起こる物質のことを「複屈折物質」という。
 複屈折物質の一種として「方解石」が挙げられる。
 複屈折物質を通して、物質を見ると像が二重に見える。




方解石


 方解石は、石灰岩を構成している鉱物で、色は白色・灰色、透明度は半透明~不透明である。
 一定の形(平行四辺形)に割れやすい性質を持っている。
 今回はこの方解石を用いて、像が二重に見える様子とレーザー光を使い光の屈折の様子を観察した。






方解石の実験Ⅰ

実験方法

①白い紙に文字(”光”と”1”)を書き、文字の上に方解石を乗せた。このとき、文字はどのように見えるのかを観察した。
②方解石を360°回転させたとき、文字の見え方はどのように変化するのかを観察した。

結果

①天然の方解石を用いた時、”光”という文字は次の図aのようになった。

天然の方解石「光」

 "光"が二重になって見えた。


 人工の方解石を用いた時、”1”という文字は次の図bのようになった。

人工の方解石「光」

 "1"が二重になって見えた。
 文字が二重になるのは、通常光線と異常光線の屈折率が異なるためである。


②天然の方解石を回転させることで、”1”という文字がどのように変化するのかを確認した。


 人工の方解石を回転させることで、”1”という文字がどのように変化するのかを確認した。

 天然の場合も人工の場合も、方解石を回転させることで、"1"という文字が時計周りに動いていることがわかる。

 方解石を回転さっせることで、方解石に光が入射する位置が変化する。その結果、異常光線の屈折率が変化し、文字の見え方が変わる。




方解石の実験Ⅱ

実験方法

 人工の方解石にレーザー光を当てたとき、光はどのように進むのかを観察した。

結果

 次の写真のように、緑色のレーザー光を方解石に当てた。方解石の先にある紙に、光がどのように当たるのかを観察した。
天然の方解石「光」


 部屋を暗くした。
天然の方解石「光」



 カメラの輝度を変えて撮影した。

天然の方解石「光」


 写真より、1本のレーザー光は、方解石を通ることによって、2本の光となることが観察された。
 2本の光はそれぞれ、通常光線と異常光線を示している。