顕微鏡
顕微鏡
望遠鏡が肉眼では見えない遠くのものを見たいという人間の欲求から生み出されたように、顕微鏡は、
肉眼では見えない小さなものを見たいという人間の好奇心や探究心が生み出したといえる。
ここでは、簡単に顕微鏡の歴史としくみについて説明する。
歴史
~16世紀後半~
レンズで物が大きく見えるということは、古くから知られていたという。
しかし、レンズ自体が高価なものであったため、一般に使われるようになったのは15~16世紀ごろである。
16世紀後半に顕微鏡の原型が発明された。
オランダの眼鏡職人であるヤンセン親子が2枚のレンズを組み合わせて、物が大きく見えることを発見したと言われている。
~17世紀後半(同時期)~
・レンズ1枚の単式顕微鏡
オランダのレーウェンフックが、レンズ1枚の虫眼鏡のような単式顕微鏡を発明した。
倍率が200倍もあり、当時としては画期的なことであった。
単式顕微鏡によって、赤血球やバクテリア、精子などが発見された。
・2枚のレンズを組み合わせた複式顕微鏡
イギリスのフックは、2枚のレンズ(対物レンズと接眼レンズ)を組み合わせた複式顕微鏡を作製した。
この顕微鏡で、植物細胞が発見された。
レンズの収差などの影響で、単式顕微鏡よりも解像度が低かったという。
~19世紀~
レンズの改良や、レンズの組み合わせによる収差の補正が可能になり、顕微鏡の解像度が格段に向上した。
~現在~
現在では光学顕微鏡に限らず、電子顕微鏡や超音波顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡など異なる原理や用途の顕微鏡が存在する。
ヒトの肉眼では、100μm以下の大きさのものは見ることができない。
光を用いる光学顕微鏡の場合、1500倍まで拡大でき、0.2μmの大きさまで観察することができる。
さらに、電子を用いる電子顕微鏡では、100万倍まで拡大でき、DNAの直径2nmなどナノメートルの世界を観察することができる。
豆知識
~収差とは~
中学生で学習したように、レンズを通過した光は、1点に集光しているように見える。
しかし実際には、光は1点ではなく、ある程度の範囲をもっている。これを収差と呼ぶ。
収差には、ザイデル収差と色収差の2つに分けることができる。ザイデル収差は、球面収差・コマ収差・非点収差・像面収差・歪曲収差は、
5つの種類に、色収差は、軸上色収差・倍率色収差の2種類にそれぞれ分けることができる。
ザイデル収差は、レンズの中心部分以外を通る光線による収差であり、色収差は、波長による屈折率の違いから生じる収差である
ザイデル収差の1つである球面収差と、色収差の一つである軸上色収差の図は次のようになる。
よく、レンズを通して物をみたとき、像がぼけることがあるが、それは、収差の影響である。
顕微鏡の仕組み
顕微鏡には、対物レンズと接眼レンズの2種類の凸レンズが用いられる。
標本に近いレンズを「対物レンズ」と呼び、眼に近いレンズを「接眼レンズ」という。
対物レンズによってつくられる倒立の実像を、接眼レンズで拡大している。接眼レンズで拡大された像は、実像を見ていることになる。
対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率を掛け合わせたものが、顕微鏡の倍率になる。
出典
顕微鏡を学ぶ|オリンパス ライフサイエンス
<https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/>(2020年12月16日)
顕微鏡の歴史|顕微鏡を知る|顕微鏡入門ガイド|キーエンス
<https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/beginner/study/history.jsp>(2020年12月15日)
収差の分類とは|Olympus IMS
<https://www.olympus-ims.com/ja/microscope/terms/classification/>(2020年12月15日)