量子化学研究室
指導教員

専門分野
量子化学、化学反応速度論、レーザー分子分光学
遷移金属1酸化物ラジカルと酸素・炭化水素との反応速度についての研究
化学反応にはとても遅い反応、すぐに起こる反応、触媒を使うと起こる反応、などさまざまな種類があります。これらを区別するのは反応物から遷移状態へ至る過程で必要なエネルギー、いわゆる活性化エネルギーであると言われています。私の研究室では遷移金属原子(Sc—Cu)に酸素原子を1個結合させた遷移金属1酸化物ラジカルの反応速度をレーザー分子分光学の方法を用いて測定しています。気相においてたとえば、Fe原子は酸素分子と反応しません。Fe原子に酸素原子を付加してFeOラジカルとすると酸素分子と会合してFeO3分子となることが報告されています。私の研究室ではこのようなことが他の遷移金属でも起こらないかと考え、ScO, TiO, VO などのラジカルを気相で生成し、酸素分子や炭化水素との反応速度を調べています。酸素原子が結合すると遷移金属原子の電子軌道が変形すると期待され、これが反応速度にどのように影響するかを明らかにしたいということです。この研究は始めて見ると大変難しいものであることが判明し、なかなか明確な結論が出てこないのですが、すこしでも化学反応の本質に迫れればと、研究を進めています。
研究室HP
https://mcm-www.jwu.ac.jp/~imajo/
