四年に一回

秋の始まりと同じぐらい過ごしやすかったはずのゴールデンウィークなのに、また今年もやたら暑かったですね。Tシャツが嫌でもヨレヨレになります。

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さて今回お話するのは5月5日に行われた、九品寺浄真寺の二十五菩薩来迎会、通称お面かぶりについて。

詳細を話す前に、どれぐらい珍しいものなのかをお話しましょう。

公式ホームページ(二十五菩薩来迎会(おめんかぶり) | 行事 | 九品仏淨眞寺 | 九品山 唯在念佛院 浄真寺)(最終閲覧2025/3/19)をみると、

これは江戸の時代より※四年ごとに奉修される「阿弥陀如来二十五菩薩来迎会」のことで、都指定 無形民俗文化財(民俗芸能)に指定されております。
※元来は三年毎でしたが、令和六年奉修後《四年毎》に変わりました※

とあります。四年に一度。今年やったら次は二〇二八年。逃したら忘れそうな感じですね。タイミングよく気づけました。

ちなみにおめんかぶりについて、当日配られたご住職による説明書きには、

当寺の開山珂碩上人(略)臨終の正念往生を勧められんが為に此の寺を開創せられ、(略)臨終の御来迎を顕章せんが為に来迎会(通称おめんかぶり)の御法要をお示しになりました。

「おめんかぶり」は浄土よりの御来迎の佛菩薩を表わすもので、一つには臨終の御来迎にあやかる為に、二つには念佛行者の信仰生活と佛の護念光照を喜ぶ為に信者の方が進んでお面をかぶり、練行列に加わる関東に於ては当山のみの独特の相続行事であります。

とあります。上記のとおり、このような練行列は関東ではもっぱら無く、関西だと大念仏寺の万部おねり、當麻寺の練供養会式が挙げられます。

大念仏寺万部おねり 万部おねりとは | 万部おねり | 融通念佛宗総本山 大念佛寺 -大阪市平野区-

當麻寺練供養 練供養会式 | 季節の行事

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さてそんな珍しい行事を現在もなお行っている浄真寺はどんなお寺さんかというと、正式には九品山 唯在念佛院 淨眞寺。九躰の阿弥陀如来坐像の安置していることから「九品」の名がついたそう。寺に置いてある『浄土宗九品山淨眞寺略縁起』曰く、先ほども引用の中で触れた珂碩上人が四代将軍徳川家綱の代に、「奥沢城跡であったこの地を賜り、浄土宗所依の経典である観無料寿経の説相によって堂宇を配置し、この寺を創建」したそうです。

境内図はこちら→境内図 | 拝観のご案内 | 九品仏淨眞寺 | 九品山 唯在念佛院 浄真寺 の通りで、入り口付近から、閻魔堂、開山堂、観音堂、龍護殿(ご本殿)、珂碩上人御廟、上品堂、中品堂、下品堂、五社殿の九つの建物があります。

ご本殿には本尊に釈迦牟尼佛像や五劫思惟像などが安置されており、先ほど話題に出した阿弥陀仏は、上品・中品・下品にそれぞれ三躰ずつ安置されており、これが九品の由来で、他に仁王門の上にもいらっしゃいます。

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さて、いざおめんかぶり。一日に二回行われるのですが、私は午前十一時の回に参列しました。境内は流石の混みようでしたが、京都三大祭りを乗り越えた私にはなんてことありません。しかし、当日は本当に暑く、もうバテて倒れる人がいることは目に見えるような気候でしたから、参列者には団扇が配られました。その団扇はおそらく二~三種類あったらしく、隣に立っていた方と柄が違うわね、などといって盛り上がりました。

おめんかぶりの行列は、本堂と上品堂の間に柱がかかっており、そこを計三回、行き来します。橋の柱には阿弥陀経に詠まれた二十五の仏様の名前が一名づつ刻まれており、今日だけの為に拵えたものかと思われます。

コーン、コーンと鐘楼の音が鳴り響きます。上品堂から、お念仏が本堂側から聞こえる中、菩薩様だけがやってこられます。阿弥陀如来さま、観世音菩薩様、勢至菩薩様、薬王菩薩、薬上、法自在王菩薩様、獅子吼菩薩様、陀羅尼菩薩様、虚空蔵菩薩様、徳蔵菩薩様、宝蔵菩薩様、金剛菩薩様、金剛蔵菩薩様、光明王菩薩様、山海慧菩薩様、華厳菩薩様、衆宝王菩薩様、月光菩薩様、日照王菩薩様、三昧菩薩様、定自在王菩薩様、大自在王菩薩様、白象王菩薩様、大威徳王菩薩様、無辺身菩薩様と、お付き添いの方々(お面は重い上に前があまり見えません)が、お渡りになります。暑いので、お付き添いの方は、如来さまたちにうちわをふっております。そして本堂におつきになると、本堂でしばらくの御法要があります。

しばらくして、鐘楼の音が鳴り響き、こんどは銭湯に開山上人御厨子及衆僧稚児が菩薩様と一緒に上品堂へ向かいます。

そしてまたしばらく待って、また鐘楼の音が鳴り響き、三回目のお渡り。お念仏が唱えられながら、まず、緑色の衣を着た道成寺の雅楽隊が先に行きます。雅楽泰の前には振り籠を持った男性。四歩進むごとにとんとん、と橋の床を叩きます。さらに続いて上人が行くと、菩薩様がやってきます。そして菩薩様に続いて浄土宗三十八のご住職様が練り歩きます。そして、散華を振りまくのです。

私は貧血になってしまい、ちょうど帰ろうと橋の下をくぐっている時に散華が上から舞い降りて来たものですから、つい嬉しくて胸元に降りて来たものを一枚お持ち帰りしました。

動画でのご様子は、公式があげてましたのでこちらをどうぞ。

https://www.youtube.com/live/2MtoncjPXs0?feature=shared

鐘楼

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ばててしまったので、自由が丘のサイゼリアで涼んで、551にそっくりだという肉まん(全然似てない、551を求めるならば新幹線代をケチらないべき)を食べて帰りましたが、本当に人の情含めて素敵なお寺だったので、涼しくなったらまたお伺いしたいです。

本日の読みたい本

『よくわかるお経読本』 瓜生中 角川ソフィア文庫 

お経は法典を歌詞にしたミュージックだ。謡う人や宗派によって違うし、歌詞さえ理解できればもっとお経が面白く聞こえてくるものだ。

本著はひとつづつのお経の、概要・内容解説と、ふりがなによる読み方指導を行う本だ。

元が法典ということで、仏教=墓場のイメージが強い日本人にとっては暗い印象を抱くだろうが、法典の内容は物語であったり、嘆願である。最近の曲とさして変わらず。楽しみは多い方がいいだろう。是非読んでみて、今後のお参りにお役立てください。