満願

自称本好きとして生きてきて、どうにかこうにか好まぬお勉強にも精を出し、日本文学科にまで転がり込んでくると…やはり好きな作家を問われる機会というのは人よりも多い。それにしても、だ。正直に申し上げて、その回答で「三島由紀夫」と答えるコトほど微妙な空気が流れることはないだろう。もし、他にも「この作家さんを答えたら微妙な空気になっちゃった!」というご経験があればぜひお伺いしたい。日文生の中にはそういう経験をお持ちの方もいるやもしれぬ。
兎も角、三島由紀夫。彼の名を口にすると人それぞれ色々なリアクションを見せてくれるが、どれもこう、若干の苦笑いと共にある。特に年齢が上になればなるほど引き攣った笑みや耳を疑うような反応を頂戴するワケだが…(個人の感想)

わかっている、勿論わかっている!!おそらく!!!!

特に世代によってはまだメディアのコンプラ云々が緩かった時代にかなりショッキングな映像と共に世間とお茶の間を揺るがしたりとか。思想も行動も色々とね、えぇ…





だが、惚れてしまったんだ、仕方がないだろう!
艶やかで破壊的で悪魔的、道徳や倫理なんかお呼びでない、恍惚。劇的なそれは読む劇薬。お行儀よく育っていたはずの美学と価値観が瞬く間に腐食しドロドロに溶けてしまう。あぁそうだ、辞書の「背徳」の言葉の意味へは彼の作品を付すがよかろう。
中学校の図書室、9類が置いてある一番奥の、きっとお掃除当番の見逃した埃たちが集う、内緒の内緒の集会所。その本棚に挟まれた狭苦しい一角が洗礼堂。そうに違いないわ。




何方だったろう、たしか昨年か今年に受講していた講義で先生が「他人に勧められて読む本ほど面白くないものはない」と仰っていたのを何故か今思い出した。
たしかにその感覚も何となくは理解できる。だが。。。私は常日頃、他人に布教するのもされるのも好んでいると宣言している(つもりだ)し実際にそういうヤツだ。だって、いいじゃない。
他人の「お勧め」、そこにはその人が勧めたいと思うだけの魅力と熱意が詰まっている。そうして読み始めると、勧めてくれたあのお方はどこがお気に召したのだろう?ここなんかお好きだったのかしら?そういった趣味もあるのね・・・云々。好き勝手な当てずっぽうをして、読む。本自体が持つ物語に付随して、その物語がヒトに与えた感想、影響、エピソードと共に味読できるという寸法だ。
その意味では書き込みのある古本なんかも好きだ。傍線や丸の囲い、その一つ一つにどんな感動があったのか……なんて魅力的なスパイスエピソードだろう。

結局、本は読まれることでしか完成しない。著者というシェフが作り上げた料理に、読者という料理人もどきが好き放題な味付けをして嚥下する。そんな料理人もどき先駆者の方々のスパイスを諸共に味わいたい。

が、しかし。問題はこのスパイスたち。なかなか市場に出回らない。
近頃じゃァ良い時代になったもので、インターネットの大海原に本の感想が投稿できるサイトやら通販のレビューやらでそれなりに揺蕩っている。それでもやはり、このマーケットは極端に小さい。特にニッチな本になればなるほどその傾向は強まる。結果として、黄金のスパイスを求める私はボッチ大航海時代に成り果てているのだ。哀れですね。


随分と回り道したもんだが、私が言いたいのはそう。【ご興味のない方!!ぜひ三島由紀夫読んで下さいね!
ご興味のある方は放っておいても読むでしょう。まぁなんにせよ、別に好きになってくださいなどとは申し上げていない。むしろその逆の方が私はわくわくするかもしれない。世の中、面白い本ばかりでなくとも良いはずだ。一度読んでしまったが故に、一生後悔するような、幾度となくちらちらと日常に影を落とすような、、、蝕んでくる一冊との事故みたいな出会いを、是非。


ここまで私は立て板に泥水といった具合の最悪なお喋りを繰り返してまいりましたが・・・
もしかすると件の先生は「他人に勧められただけの本は面白くない」「殊更に勧めるまでもなく相手が自然と読みたくなるような紹介をするべき」という意味で仰ったのかもしれない。もしくは「閉鎖的且つ個人的な活動である読書においてオススメという行為自体がナンセンス」なのか。いやはや真意など分かりっこない。
……やたらと振りかけたスパイスで、素材の良さがお釈迦になっている。どうやら私は相当な味覚音痴らしい。




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⚪︎月△日 夢が叶った日だった。茹るような暑さも、度々吹っ飛んで来ては私のメガネに正面衝突する虫も、延々と続く砂利道と階段も、全ては些事。文学の道へと転がり落ちてはや数年。猪口才にも程があるが、好きな作家さんなんてのもできて。その作家さんの記念館なるものにもう長いこと心を捕らえられてしまっていた。

そんな、念願。

場所は山梨県に位置する「山中湖文学の森公園」の奥深く。15個もの有名歌人たちの歌を讃えた句碑に道草をたらふく頂きつつ歩くこと数十分。見えてくるのはそう―――「三島由紀夫文学館」。
暖かな日差しが差し込む中庭にはかつての三島邸にあったアポロ像が再現されている。




東京生まれの彼の文学館が何故山梨県に?
私もそう思っていたのだが、公的機関による資料保存を望んでいた御遺族のご意向と当時準備が進められていた「山中湖文学の森公園」の構想が合致したことによる開設らしい。勿論、この地は三島作品に幾度となく登場するなど彼自身とも浅からぬ縁がある。

どのような縁があるかと言われれば、例えば『豊饒の海』であるとかが挙げられるのだが…その辺りは語り始めると長くなるため機会があれば貴方様自身の目で記念館の展示をご覧いただきたい。
主な展示としては三島由紀夫の生涯を辿るようにして展示室がぐるりと一周している。文学館の方が用意されたであろう小さなPOPのようなものもあり、見るべきポイントがとても丁寧に解説されている。基礎情報に関しても補足などで細やかに配慮がされており、事前知識の有無に関わらず楽しめるはずだ。個人的には三島が幼稚園生の頃に使用していた自由帳や小学生の頃に提出した作文といったものが印象に残っている。興味深い資料は数多くあったが、その2点はあまりにも保存状態が良いので仰天したのだ。たしかな筆で書き著された作文は、小学生とは思えないほどの整った文と字の美しさにキャプションの言葉と自分の目を疑うほどであった。
その他にも映像室では彼の生涯をムービーの形でまとめたものから、特定の一作品にフォーカスしたものまで色々な知識に親しむことができる。そして何より、特別企画展示が素晴らしい。
私が訪れた際は「推しの演劇—新世紀の三島演劇—」という特集展が行われていたのだが、こちらは通常展示とは異なり「小説家」としての三島ではなく「劇作家」としての三島にスポットライトが当てられている。
そう。小説家として名高い彼だが、実はインターネットで検索してみるときちんと「小説家・劇作家」と表示されるようにその才能は舞台の方面にも発揮されている。しかもその「舞台」は能楽や歌舞伎からオペラまで多岐に渡るのだ。彼自身が舞台へ上がることも演出や脚本を担当することも様々あり、三島がいかに「演劇」に対して精力的であったかが窺える。



特に有名なのは「近代能楽集」であろうか。本学でも能楽に関する講義を通して、能に親しんだことのある方も少なくないだろう。「近代能楽集」では8曲の作品が収められているが、その中でも「葵上」や「卒塔婆小町」、「班女」などは聞いたことがある方もいるはずだ。
それではこの「近代能楽集」とは一体何なのか。簡単な理解としてはパロディといったところだが、もっともっとオタク的に分かりやすく申し上げるのならば謂わゆる「現パロ」だ。しかしながら、ただ時代設定を近代的にしたのではない。中世に比べて、様々な演出や技術の増えた「近代」の舞台で最も「劇的」に映えるように作られている。否、作り込まれている。
現在文庫化されている「近代能楽集」は戯曲本、脚本のような形で楽しめるのだが、読んでいると頭の中で「あぁこのシーンはきっと映える!」とそんな妄想が止まらなくなる。是非とも舞台で観たい作品である。

今回の企画展では、【そんな素晴らしい三島作品たちの中で一体どの曲を舞台でやってみたいか】という質問に対する演劇関係者らの投票結果なども展示されていた。そしてそして、三島自身の書き残したオペラ「サロメ」に対する熱意溢れる「わが夢のサロメ」等々の資料も所狭しと並んでおり、三島自身の舞台への情熱と後世の演劇界が持つ三島作品への情熱という二方向を眺めることができた。なんて満足度の高い企画展示だろう…。来年は記念すべき「三島由紀夫生誕100周年」であるため、さらなる特別展示が予定されているらしい。就活との睨み合いの行く末次第では私も非常に行きたいところだ。


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さて、こんな具合で私の念願でしたのは「三島由紀夫文学館」ですが・・・もちろんその他にも色々と巡って参りました!
まず彼の文学館と同じように「山中湖文学の森公園」の中に位置するのが「徳富蘇峰館」。神奈川にある記念館とは別に、彼が生前別荘を構えたことから建てられています。





徳冨蘆花の兄であり、生涯を通してジャーナリズムや歴史書の整備に心血を注がれたお方が徳富蘇峰です。弟の蘆花は小説家として有名ですが、その実兄である蘇峰は雑誌『國民之友』を発刊したことや『國民新聞』で知られています。最初の頃は弟の蘆花も同じ新聞社にいたようですが、日本が帝国主義を唱え始めた時代に彼らの新聞も一時右傾したことがあり、そのような思想の方向性から彼ら兄弟は別々の道を辿ることになりました。
記念館には数多くの書簡が残されており、蘆花が蘇峰を皮肉るような内容もちらほら……どう見ても揉めてそうなのもちらほら……という感じでしたが、そんな中でも蘆花の小説を蘇峰が雑誌や新聞で紹介しているようなのを見るとなんだかんだ仲は悪くなかったんじゃないのかなァ~なんて勝手に思ったりもします。


それはそれとして、この徳富蘇峰、めちゃくちゃご長寿!なんと享年は95歳…!
56歳から『近世日本国民史』という超超超長編の歴史書を書き始め、90歳の時に全100巻もあるそれを完成させました。
本当に信じられない筆のパワフルさです・・・。56歳の新聞記者リタイア後から書き始めて100巻ですよ、、??まさに人生を懸けた一冊です(百冊あるけど)。

そして蘇峰は実際に別荘として山中湖の地を利用しており、山中湖に関係する詩や石碑も様々あります。訪れてみると分かるのですが、本当に自然豊かで場所によってはまるでジャングルです。それ故か、散歩が趣味だった蘇峰は道すがら良さげな植物の大きなツタを見つけると持ち帰って杖にしていたようです。何言ってるかわからないと思いますが、大丈夫です、私も分かりません。
真面目に記念館の展示を見ていたら、突然目の前に大量の(多分30本くらい)杖が生えていたのです。置いてあったんじゃない、生えてました。うん。
なんと生涯で無数の杖を使っていた蘇峰の杖コレクションの““一部””が展示されていたようで、それがあんまりにもシュールで意味が分からなすぎて「んんん…??え……????」とややしばらく大困惑しておりました。その他にも杖に関わる珍エピソードが沢山紹介されており、展示を見ながら同行者と爆笑していました。他に来館者がいなかったとはいえ、ちょっとお行儀よろしくなくて反省はしておりますが、、、もう本当に堪えきれないものがあるので、是非とも皆さん一度行ってみてほしいです。
記念館行ってあんなに吹いたの初めてかもしれない、わりと好きになっちゃったもん蘇峰さん。(失敬)


ちなみに三島由紀夫文学館と徳富蘇峰館は共通入館券となっており、これだけボリューミーな二つの館を合わせて500円で巡ることができます!!しかも大学生なら学割で400円!これはもうハッピーセットで行くしかないってモンですよ!間違ってもどっちかだけとか切ないことしないでね!!!泣いちゃうから、私が。





そしてそして、所要時間だけなら今回の旅のなかで最もかかったのが「天下茶屋」!!
なんとバスは1日に1本、車でも麓から1時間ほど。これはもう、免許持っててレンタカーできる人しか行けないタイプのやつですよ。が、しかし。残念ながら私めは無免許。マリカでも常にジュゲムにお世話になっている私めに運転なんかさせてはいけません。
その為全力でタクシーにへばりついたのですが…なんと片道で6600円位かかりました。ヒッ……一泊できちゃうよォ。。行かれる際は免許の取得をオススメします。



そんなこんなで漸く辿り着いた天下茶屋ですが、現在は「天下茶屋」と「峠の茶屋」の2店舗が存在しています。手っ取り早くほうとう鍋を味わいたい場合は麓にある「峠の茶屋」に行くのが最適かもしれません。
しかしながら今回向かったのは峠の奥にある「天下茶屋」。〈富士には月見草がよく似合う〉なんて一文で知られる太宰治の『富嶽百景』で登場していた茶屋です。実際に太宰もほうとう鍋を召し上がったとか、放蕩と聞き間違えてピキったとかなんとか…色々言われてるよ~とお店の方からお伺いしつつ、私もほうとう鍋を頂いてきました。
東京では気温が35度を超えるような日が続く夏休みに行ったのですが、山間の標高の高さからか天下茶屋の気温は23度程で上着が必要なくらいでした。つまり、鍋を食べるにはもってこいな気候というワケです。アツアツの鍋はきっと一年中いつ訪れても美味しくいただけます。


さらにここを訪れたら忘れてはいけないのは2階にある「太宰治文学記念室」。お店から少し歩いたところに『富嶽百景』の記念碑があるのですが、そちらが作られた当時の記録や井伏鱒二、太宰治が使用した茶室などお店の雰囲気をより楽しめる展示が見られます。残念ながら閉店作業の関係でじっくりと見ることは叶いませんでしたが、ほうとう鍋を味わえただけでも満足です。
公式ホームページには17時閉店となっているのですが、私が訪れた日は15時に閉店でございましたのでもし行かれる際は事前にお電話をされるか、お時間に余裕を持って展示室までご覧になると良いかもしれません。天気が変わりやすい地域であるため、営業時間等ももしかしたら流動的なのかしら…?



何はともあれ、こちらのお店の方が本当にお優しい方々で、様々なお話を聞かせてくださいました。3日も山梨にいたのに雨女すぎて、一度も富士山を拝めなかった私めのために四季折々の富士山の写真を見せてくださったり…とてもとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
それにしても晴れてはいるのにずぅっとお天気雨で、見たい景色には常にモヤがかかっておりました。。今度はてるてる坊主でも引っ提げてリトライしたいところです。天下茶屋の皆様誠にありがとうございました。



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ハァ〜〜〜〜長いッッ!!いいですか、これ書くのに一ヶ月くらい使ってます。纏まらなかったのです。どうにもこうにも。何でしたら最初はこの倍近くの分量がございました。割愛に割愛を重ねたということ。
幸福にも書きたいことが多すぎて、言葉が感情に追い付かない。全くもって読みにくい、駄文でしょう紛れもなく。本当はもういっそゼンブ消そうかとも思ったのですよ。
でもまァ、このみっともないこんがらがった紀行文モドキも、その中から平々凡々たるオタクの熱意だけは、もしかしたら心優しい貴方様が拾ってくださるかな。などと。




大学2年生の夏休み、私のこんな3日間。

まさに、満願。



私は三島由紀夫の「文学」が好きだ。太宰の「文学」はどうだろう。難しい。
イヤヨイヤヨモスキノウチ?

全てはシャンパンの

若さは財産だ とか 若いうちにできることを とか
直接でなくとも、間接的に目にするとかでそういうお言葉を頂戴した経験ってあると思うんです。

でも、正直なところ。目が悪くなるまで健康な視力の価値なんか分からなかったし、課題が増えるまで自由な放課後の価値なんて意識したこともなかったし……。それが無くなるまで、実際のことは分からないし気が付けない。想像力は、素晴らしいものだけれど現実はもっと素晴らしく素晴らしくないものだから、私なんぞの貧弱な想像力じゃァ敵わない。稀に現実の方が素晴らしい時もあるしね。



それでも。明確に若さが財産だと気付ける部分がある。
とてもとても現金なお話で、お上品ではない感性なのだけれど。。。
今更品性だなんだの探す当てすらありもしないのが私めでございます故、現実的に、現在進行形で、感じることの出来る【若さ】の価値、これ即ち【学割】なのです。
世の中にはありとあらゆる【学割】が存在しますが、【大学生】をその中に含んで下さるものって存外少ないのです。高校生までのものが多い。
ですが、大学生どころかアンダー25として25歳以下まで含んでくださる超太っ腹ジャンルが存在します。それは【舞台芸術】という分野。私が何度かブログにも書いている能や狂言なんかもそうで、舞台によっては学割枠や特定の年齢以下の人が対象のチケットがございます。もちろん全ての舞台がそうというワケではありませんが、本学の学生支援課横の掲示エリアなどには学生向けのそういったお知らせがびっしりと貼られている光景が見られたり、ネットで適当に検索しただけでも沢山ヒットしたりとかなりその機会に恵まれていることが分かります。


数多の舞台芸術でそのようなムーブメントがある中、私が最もオススメしたいのが・・・

【 オペラ 】です!!!


オペラはそのほとんどがドイツ語やイタリア語等々の異国語公演であることや、3時間近い公演時間、Switchが1台買えちゃうくらいのチケット代ということから中々近づく機会のない芸術ジャンルです。
しかしながら、近年では日本語版の上演もかなり増え、そうでない場合でもシアター内に大きな字幕表示があるなど親しみやすくなっています。上演時間の長さが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところオペラというものは途中休憩がかなりしっかりしており、その時間にシアターによっては併設のバーでワイン片手に歓談するマダムの姿を見かけることもあるくらいの優雅さです。未成年の私は軽食としてホットドッグを買い求めることもしばしばです(笑)
休憩時間はしっかりしていますし、上演時間の長いオペラには見せ場の数もそれだけ多いですから、観たいところだけ観るという贅沢も悪くはないでしょう。実際、上演中に素晴らしい音色と美声に酔いしれてそのままうつらうつらと船をこぎ出す観客もちらほらいますので、それはそれでアリな気もします。
そして何よりもハードルの高いお値段! ここが若さの価値なのです。
諭吉さん(最近は栄一さん)が数人ほど出払ってしまうのが通常価格なのですが、学割などによってその負担が一気に樋口さんや野口さんくらいまで抑えられます。このあたりのお値段は劇場や劇団によりけりであるため、お札の皆様方で抽象的に表現させていただきましたが、、、本当に桁が一桁異なってくるようなところもあります!



そしてこの【学割文化】の何よりも重大な恩恵は芸術の乱読ができることではないでしょうか。
別にその作品について何も知らなくても、ちょっと気になったから行ってみる。そうして行った一舞台が人生を変えるかもしれない。その気軽さを許してくれるのがこの文化なのです。
人生をすぐさま一変させずとも、色々な作品や舞台音楽、延いてはそこに映し出された数多の人情に「見覚えがある」だけでも、それがじんわりと人生を左右するかもしれません。「教養」と言うと、少し大袈裟ですが…日々を、人付き合いの行く先を、思わぬ方向に滑らせてくれる。例えば今日のこのブログのタイトル「全てはシャンパンの」を見て、この台詞を知っているお方はこれを上の句のようにして下の句をサッと答えてくださる。そうして私と貴方様はふふっと笑う。そんな面白味をもしかしたら、誰かは「教養」と呼ぶのかも。
ですから是非、ちょっと調べてみてほしいのです。近所の劇場でも、行ってみたいファッション街の近くにちょうどある劇場でも、偶然暇な日にやっている公演でも。そして、学割があったら有難く乗っかってみてください。その価値に気づくのはずっと先でもいい。今はただ勢いだけでも。



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きっと本来ならば若いうちのその感性や時間でしかできないことに価値を見出せと言うことなのでしょうが、、それに対して【学割】というお金の話を持ち出すと「なんて生々しく、貧乏くさい話か」と思われてしまいそうですけれど。。薄給の私めのような学生には本ッ当~~~~~~~に有難いのです。


稼ぎがマトモになるまで待てばいいじゃないか?
違うんです。その時にはもう、舞台に立っている人が違うかもしれない。やっている演目も違うかもしれない。舞台の上ほど、あらゆる流行り廃り、成長と老いが凝縮されている場所はない。あっという間に次へと移り変わってしまう。「その」舞台を逃したくないのです。
ですから、私は有難くそのお恵みを全力で享受し、甘えさせていただき、いずれマトモに立てるようになった暁にはその分まで全力で返す所存です。学生でいるこの数年よりも、ずっとずっと長く、一生涯【舞台】に還元するだろうと思います。実際そういうヤツもちゃんといると思うので、今後ともこのようなきっかけとなる文化が続いて下さったらなと思います。





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さて、漠然と学割をオススメしまくってまいりましたが…。ここで少し具体的にオススメな作品でも。
まず【オペラ】を推したいのは単純に単価が高いからです。お席にも寄りますが、一流の歌手に一流のオーケストラ、それらを支える一流のスタッフ陣とホール。他の舞台芸術よりも遥かに様々な人員が必要で、そして当然ながらチケット代としてそれが表れます。さらに上演時間も長いものだと4時間を超える作品があるなど、時間的にも金銭的にもかなりのボリュームです。
社会人になってから行こうとしても、気軽に行くことはかなり難しいでしょう。ですが、内容もしっかりとしたボリューム感で、舞台の余韻と満足感は他の舞台芸術とは一線を画すものです。なにせ、演劇と歌唱と演奏とが全てフルコースで味わえるようなものですから。これはもう、「舞台芸術の全部どり」です。※個人の意見

有名なクラシック音楽にもオペラ作品のものが数多く存在します。そのような聞き馴染みとお話の親しみやすさとして一番オススメしたいのが【オペレッタ】です。オペラとオペレッタは混同されることも多いようで、その差別化に躍起になる人もいたりいなかったりですが・・・簡単に言うとオペラは悲劇、オペレッタは喜劇といった感じです。悲劇且つ歴史的、神話的な要素を含むオペラは基本的に知識層の貴族階級向けのものであり、当時から市民階級には理解の難しいものでした。そこで、台詞を増やし上演時間を縮め親しみやすいストーリーの小規模オペラとして誕生したのがオペレッタです。
上演時間の長さやストーリーの傾向といったオペラ対オペレッタの特徴はまるで能と狂言のようにも見えます。狂言のようにオペレッタも喜劇がメインで最後は笑って赦し合うようなものが多く、それでいて風刺的です。

よく運動会で耳にする「天国と地獄」なんかも実はオペレッタの曲です。喜劇であるためか印象的で耳に残るフレーズが多いようで「えっこれもオペレッタだったの!?」という曲が沢山あります。
そして数ある作品の中でも私の最推しは『こうもり』というウィンナオペレッタ。
その序曲がもう大ッッ好きなのですが、実はこの曲との出会いが「トムとジェリー」です。トムジェリの作品の中に「星空の音楽会」という回があり、そこでトムが指揮を務めていたのが「こうもり」序曲なのです。ただアニメを見ていただけの幼き日の私は、テレビから流れる最初の数音で完全に虜になってしまいました。子気味良い弾けるような音は聞いているだけで自然と足が動き出してしまいそうです。
後に、この曲が「こうもり」序曲であると知り、オペレッタ「こうもり」のストーリーにもずぶずぶとハマってしまうのですが・・・先日ついに劇場で観ることができました!
生の「こうもり」はまさに想像以上。華やかな舞踏会と会場を跳ねまわる音の数々に終始目が釘付けでした。「こうもり」という作品は


【 昔のことにまだ恨みを持つ親友の復讐劇や、舞踏会に行ってみたいメイドのミッションインポッシブルすぎる姿、既婚者である主人公が美人を口説いていたら実はそれが妻本人という愛憎劇に、警官のくせして自分も遊び回っちゃうお茶目警官、しかも局長じゃん君……。 】

などなど、どう考えてもカオス。それら全てが詰め込まれた笑いのプレミアムパック、もしくはごった煮となっております。何一つ収集がつきそうもないこの状況。それがどうにかなっちゃうのがオペレッタの世界です。

ドタバタ喜劇の大いなる赦し(ガバ判定)をぜひ味わってみてくださいね。

続・日野市観光敢行

八月が終わりに近づいてきているにも関わらず、夏が終わる気配はまーーーっったくしませんが皆様いかがお過ごしでしょうか。

いやァ暑い暑い。ほんとにもう、こりゃだめだと引きこもり、私めはいつぞやの宣言通り冬眠ならぬ夏眠を漫喫しております。クーラーつけてアイスコーヒー淹れて日がな一日ごろごろごろ…。最近したことといえばそんな環境下で推しのフィギュアを自作したことくらいなものです。素体から拘ってゼロから推しを生成しました。就活だとか研究論文だとか青春をエンジョイするだとかきっともっともっとお利口さんな過ごし方はあるのでしょうけれど、私は捻くれ者でございます故に大学生という愚行権が有効なウチに全身全霊で行使するのであります。

とは申し上げましたものの、そんな自堕落愚行サンクチュアリィを飛び出してでも行きたいところというのがほんの少しだけございまして。ブログのタイトルが「続・日野市観光敢行」と相成った次第。いつぞやのイカした友人とまたもや日野市を訪れて参りました。




それにしてもブログのタイトルに「続」がつくのは何も今回が初めてというワケじゃございません。私のブログではよく「好き」「推し」という言葉と共に「また行きたい」といった文言が顔を出します。それらは勿論お決まりの文句ではあり、綺麗な形に整えるためのものでありますが、、、私というヤツはそれらを割合に実行いたします。何といいましょうか。一度しかないものの希少性、美しさ、そういったものも承知はしているのですが。

そうですねぇ、例えばよく「知識は財産」という言葉を耳にします。たしかに知識や智慧はあらゆる局面において値千金のモノです。しかしながら、暫く前にフとかつての幼い時分に記していた読書ノートを見つけまして。そこに記してあった感想の数々はどれも拙いものばかりでしたが…その安易で愚直な感想たちは、現在の私の持つ感性がいかに理詰めで凝り固まっているかを照らし出しました。
今の私は学んだ知識を以ってして物事を見られるようには多少なりましたが、かつての真っさらな感性から生まれる荒唐無稽で潑剌としたアウトプットは当時の私ならではのモノ。でも、案外バカにできなくてそこに気付かされるものもありました。

学んでしまえば、というより、生きてゆけば理屈や知識が纏わりつきます。それによって視野は拡がりますが、どんどん柔らかさが影を潜めてしまうような気がするのです。ですから私は学ぶ前に真っさらな状態で、まずは行ってみる・やってみる。知らないまま感じてみる。それから学んで、改めてやってみる。そんな非効率と不敬を愛しています。

「知識は財産」であるのなら、「無知も財産」だと思うのです。真っさらを無駄にしないで。



まぁそんな偏った個人的な信条から、私は一度だけのものより「もう一度」があるものを好みます。今後とも「続」シリーズは続くことでしょう。

それにこれブログのタイトル考えるのをサボれるのよね…(小声)





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さてさて前説が長いのが私。ちょっとね、これについては個性として開き直るか矯正するか本当に悩むところなんですけれど、全治一生涯くらいの診断を頂くのが関の山です。本題に移りましょう。今回のメインは日野市。ご存知の方も多そうですが、「新選組」の特に「土方歳三」に縁の深い地です。前回のブログではより詳細にご紹介しておりますのでご興味があればそちらもいかがでしょう。

【日野市観光の前回のブログ】
https://mcm-www.jwu.ac.jp/~nichibun/blog/index.php/2024/04/04/%e6%97%a5%e9%87%8e%e5%b8%82%e8%a6%b3%e5%85%89%e6%95%a2%e8%a1%8c/



そしてここで感謝すべきは友人。こんな捻くれ者の私めと二度もご一緒してくださったのです。新選組の様々な魅力を教えてくれただけでなく、前回も今回も街歩きの素晴らしすぎるプランニングをしてくださいました。つまるところこの素敵旅のルート監修は総じて彼女ということです。ありがとうーーー!!!ここで言ってもあれだけど本当にありがとうー!!!


そんなこんなで、自宅も趣味嗜好も真反対な彼女と待ち合わせをし、開館前から並びつつ突撃したのが「土方歳三資料館」でございます。こちらの資料館は、土方歳三のほぼ生家跡且つ多くの貴重資料が残っていることだけでも驚きなのですが、なんと「彼の生家を見たい」という多くのファンの声を受けたのが契機となり設立されたそうです。愛が凄い…!




訪れたその日も夏休みであったためか、私たちだけでなく開館前から多くの来館者が並び列をなしていました。そしてその誰もが所狭しと並べられた資料の数々に魅入っており、土方歳三という人物や新選組への愛をひしひしと感じました。もちろん私も傍観していたワケではなく、個人的に好きな榎本武揚が土方歳三亡き後に彼への弔いとして著した額や「豊玉発句集」の翻刻など心惹かれる展示を見つめておりました。榎本武揚の字、好きなんですよねぇ…!!土方歳三資料館に行っておいて何だ貴様はってお話なんですが、榎本武揚の整っているようで荒ぶっている字がとても好きです。ちょいと脱線しましたがとにかくその他にも島田魁が保管していた資料だとか近藤勇の湯呑だとか蜀山人の記述だとか…土方歳三から広がる様々な線を追うことができます。また、「石田散薬」にまつわる薬研や薬草も紹介があり大変面白く拝見しました。

実に多くの品々が並ぶ館内で、最も人を集めていたように見えましたのはやはり「和泉守兼定」でしょうか。刀身の公開日は決まった日に限られているようで、その日は拵えのみの展示でしたがその前には常に沢山の人が溢れていました。私めは刀剣の方にもあまり明るくないのですが、七夕の図案を持つとても風流な鍔はもっとじっくり拝見してみたいななどと思っています。たしか和泉守兼定は「刀剣乱舞」などの作品にも登場していたでしょうか。私は審神者証に新任の字が載っているような超新米審神者のため、あまりゲーム自体にも詳しくはないのですが。。最近極めた包丁藤四郎くんが可愛くてしょうがないです。
以上のような展示品だけでなく、資料館のお庭には土方歳三が植えたという矢竹があったり木刀を持つ体験ができたり見所が盛り沢山でした。


***


その次に訪れたのが土方歳三の引き墓がある「石田寺」です。ちなみにこのお寺の前あたりが土方歳三の生家跡だったようですね。
そんな石田寺のお墓で付近にあった大きな石碑にも驚きつつ、お参りを済ませ、さぁ次へと思っていたのですが友人から「ここのお神籤めっちゃ面白いんだよ、ドS神籤って呼んでる」(意訳)とあまりにも気になりすぎるお誘いが。そりゃぁもうノリノリで引かせていただきました。こちらのお神籤は一緒に七福神の小さな飾りが入っているタイプのもので、私は大黒天、友人は福禄寿でした。それにしても、いくら現実逃避をしても近づいてくる就活の2文字。やはりここは仕事運が気になるところ。いやはやそんな贅沢は言わねどできれば紙とインクの匂いに塗れた仕事ができたらなァ、、、と勇んで見れば、

〈仕事〉の欄には
「土や緑に関係する職と縁あり」
まさかの農業を勧められました。

対して私の友人、そう、大願成就などと解説のついた福禄寿を引いた彼女。
〈願望〉の欄には
「あやふやな願いでは叶いません」
エッ。断言されちゃったよ。福禄寿なのに!?

ご覧の通りの有様で、他にもまだまだ気になるお言葉が多く終始爆笑しながら見ていました。もしも石田寺を訪れることがあればこちらのお神籤も是非に。


***


石田寺を後にして、その日最後に向かったのは「高幡不動尊金剛寺」という土方歳三の菩提寺です。入るとすぐに立派な不動堂とお札所があり、季節によっては様々な行事が行われているそうです。そんな不動堂から少し左へ向かうと一際目を引く大きな土方歳三像があるのです。





私たちは一日の最後に訪れたのでもう夕暮れ時になっていたのですが、和装の秀麗なお姿が丁度夕日に照らされてとても映えていました。

土方歳三像だけでなく広い境内を色々と味わいつつ巡りこれにてその日の縁の地巡りは幕を閉じました。まだまだ語り足りない位、楽しい一日を過ごすことができたのですが…実はこの日、気温は35度越えの真夏日!引きこもリストの私めには堪えられるワケもなく。セルフ滝行レベルの汗を流しながら歩き回っていました。我ながら不甲斐ない。前回は豪雨に見舞われ、今回は酷暑と結果的にまたもや敢行となってしまったようです。こんなところまで続編かまさなくてよいのだよ。

それでも尚、この引きこもりが出ていくほどに楽しい世界が広がっています。豪雨だろうが酷暑だろうが性懲りもなく「また行きたい」ものです。





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またもや長くなってしまいました。私の学習能力はかなり怠け者らしいですね。こんなんですから申し上げるまでもなさそうですが、そうです、私は書くことが大好きです。あっちへこっちへ延々と書き散らします。加えてそれと同じくらい、読むことも好んでいます。その対象は小説でもSNSに転がる短文でもブログでも。それ故に、私にとってこのブログ部は複数の方の文章が定期的に必ず更新されるという至上の場。いやもうほんと楽園なんですよ。

ですから、可能な限り殆ど全部の投稿を更新される度に拝読しては皆様の言葉の波に酔いしれています。近頃は絵本に登場する美味しいものを作られた方や京の街のお団子の紹介など飯テロもしっかり頂戴しております。しかも先日は、いつも「好きです!」と勝手に叫ばせていただいている先輩のブログにてご紹介いただくなど身に余る光栄に夢か現か自分の目を疑いました。心より感謝を申し上げます。


と、そこまではいいんですけどね、そのブログ部という清流に私という濁流が紛れ込んでいるんですよ。ヒィ。しかも大量に。

書くのは大好きだけど書けば書くほど濁っていくジレンマ。せめてもう少しねェ、濾過がお上手になればよいものを!

念願ワークショップ!

漸く、漸くこの時がやってまいりました。

私のプロフィールの好きな作品紹介で、1番最初に名前が挙がっている作品について話す機会が!

そう、「文豪ストレイドッグス」!!!

オタク人生相対的に中々長いのですが、その中でも最も長く追っているジャンルといえるでしょう。普段使っている何気ない物も殆どが文ストのグッズという位には侵食されています。もちろんグッズの有る無しは好きであるということとあまり関係は無いのですが、ただ単に生活に推しがいるとQOL爆上がりした気分になるよね…!タイプのオタクなのでございます。

しかしながらあまりにも好きであるが故に、何かお話の軸となるものがなければ纏まりの無いオタクの叫びと成り果ててしまう…という危惧のもと、中々ブログに著す機会が無かったというのが正直なトコロ。※いつもそうだろっていう的確なツッコミは心の内にお引き取りいただくとして

そこで今回軸となったのが「太宰治ワークショップ」です!

こちらは本学の近代文学をご担当の山口俊雄先生が主催されているワークショップで、今年は8月9日に開催されました。ワークショップは〈転生する太宰治・アダプトされる太宰治〉がテーマとなっており、近年様々な漫画やアニメにも登場する太宰治を中心に文学メディアミックスについて学生達が意見を交わすものとなっているのです。今年で3回目の実施のようですが、私は今回が初参加でしたため前回までのものは公開されている議事録で拝見しました。殊に昨年のものは日本文学科公式noteで公開されておりますので、もしよろしければそちらも併せてご覧くださいませ〜。

日本文学科公式note

【語り合いの記録「太宰治ワークショップ23〈転生する太宰治・アダプトされる太宰治〉」】

https://note.com/nichijo_nichibun/n/n313961d2c919




ちなみに今回のブログのタイトルは某ねじれた世界のゲーム風ですが、此度の内容には何の関係もありません。推しは夕焼けの次期国王ちびっ子です。実装一生待ってる。




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閑話休題、ワークショップのお話。
今年も昨年に引き続き、アニメやマンガ、ゲームに音楽といった実に多種多様なメディアとの融合に意識を向けながら意見が交わされました。

その中でも今年は主に「文豪ストレイドッグス」や「文豪とアルケミスト」を例にそれぞれの作品が持つ特性やファンの受容に見られる特徴などが度々話題に上がったように思います。

文豪ストレイドッグス」(通称文スト)は2013年に「ヤングエース」という月刊の青年誌で連載を開始したマンガ作品で、「文豪とアルケミスト」(通称文アル)は2016年にDMMから配信が開始されたゲーム作品です。

かなり大雑把な紹介となってしまいましたが、一先ずそれぞれのメディア形態がマンガとゲームという異なったものであることはご理解いただけるでしょう。加えて、各作品における「文豪」や「史実」の扱い方にもかなり特徴が現れています。

「文スト」はバトル漫画であり、文豪の名を冠したキャラクター達が異能力という特殊能力を駆使して戦うといった物語が創り上げられています。史実をそのまま反映している部分は少なく、むしろ遊び心として史実が反転した形で所々織り交ぜられていることもありますね。
一方「文アル」は文豪の名を冠したキャラクターというよりは、文豪ご自身が転生して現れたといったようなイメージが近く、史実もかなり踏まえられています。基本的にはゲーム作品であるため、メインシナリオが存在するスタイルではなく、文豪間の手紙やイベントごとのやり取りから彼らの関係性を味わうことができます。(オリジナルストーリーもあります!)

この辺りの特徴はマンガとゲームというメディア媒体の性質の違いが根底には存在しているのかもしれません。そしてそれらの性質によって、ファンがどのように受容しているのか…例えば「実際の作家」と「キャラクターとしての作家」の距離感の掴み方やファンが作品を通して持つ関心の方向性などに影響しているのではないだろうか…?といった推測が話し合いの中で導かれたりもしました。
つまるところ、文学館とのコラボレーションやタイアップなどの「史実の文豪」に関わる企画があった際に「文スト」は良い意味でマンガとのギャップを知ることの出来る「間違い探し」的嗜好で楽しむことができ、「文アル」はゲーム内で登場した関係性や小ネタの「答え合わせ」的嗜好で楽しむことの出来るジャンルなのではないでしょうか。今回は史実の扱いに着目していますが、登場する文豪や物語の展開にも違いがありそれぞれの良さがありますのでご興味のある方はぜひ覗いてみてください。



・・・。まァ何にだって良いところも悪いところもございますからね、寧ろ好きになればなるほどちょっとコレ大丈夫なのかな…という所は目についてしまいますし、「文豪」として括られていると実感しにくいですが当然かつて実在した人であり現在でも親族の方がいらっしゃる、半nmmn的なとても難しい位置にあるものです。それ故のモラルや気を付けなければならぬ点はございますが…脳死で盲目的に好きであり続けるよりは享受しつつそういった問題への意識も蔑ろにはしないようにしたいな…という感じです。突然のお気持ち表明。


と、云々申し上げましたがゼ~ンブ個人の感想ですので其処は是非百聞は一見に如かずをやっていただければと思います。
個人的に文ストはバトルアクション系や少年漫画がお好きな方にオススメですし、文アルはレベリング系の自分のペースで楽しめるゲームやキャラ同士の関係性に関心がある方にオススメです。私はどちらも好きですが、、、根が少年漫画好きなので文ストの方に早く出会ってしまい無事に沼底へと沈みました…現場からは以上です…最近の本誌地獄過ぎない…???オピャ~~~~(地の底から響き渡る声、オタクの鳴き声、こんな夏の風物詩はイヤだ)




また、ワークショップの議論の中で各参加者にとっての読書体験エピソードや様々な文学に対する姿勢を知ることができ非常~~~に充実した時間を過ごすことができました!今年は13時から約4時間程意見を交換していたのですが、まさにアッという間の時間でした。
当日に出た話題のバリエーションもそうですが、在学生から卒業生、さらには社会人の方まで!という参加者の幅広さも話し合いの広がりをさらに楽しく彩り豊かなものへとしていたのでしょう。
もっと詳細な議論の流れが気になる方はぜひ文字起こしが公開された際にご覧ください。今回のブログではこのようなワークショップがあるという紹介に留めさせていただきます。
兎にも角にも、文学についてとことん話し合うことが出来るというとても贅沢で素敵な機会に参加が叶ったこと心から嬉しく思います。念願のワークショップに、念願の先輩にもお会いできて有頂天でございます。浮かれすぎてご無礼を働いていないか今更ながらに動悸がしてくるような心地ですが…私個人は途轍もなく楽しい時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました!!
来年度もこのようなワークショップ形式の企画があるかもしれないそうですので、ご興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。山口先生の近代関係の授業を取っていると授業内などで事前にご紹介くださいますし、もし受講されていない方でも直接先生に実施の情報を伺うことで参加できるかと思います。




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「メディアミックス」という大きな括りの中で、太宰治という作家を筆頭に様々な文豪たちが新たな時代へとアダプトし受容され、geneとしてだけでなくmemeとしても引き継がれてゆく。それは漠然と感じていたのですが、今回のワークショップに参加したことでより明瞭にmemeの実態を捉えることが出来たような…そんな気がいたします。(文スト好きのお方には元ネタが伝わるかも?)




なんだか文スト・文アルのお話ばかりになっていますが。単にその2作品をご存じの参加者が多かったために話し合いでの比較がしやすかっただけでございますので、その他にも多くの文豪を扱った他作品がもちろん存在しておりますし、今回の2作品比較が全てという訳では全くございません。
異世界失格」、「JK漱石」といった作品の話もありましたし、この他にもヨルシカ(n-bunaさん名義ボカロも含めて)・YOASOBIボカロ等々の楽曲に見られる文学やA3!ALTER EGO18TRIP等々予期せぬ嬉しき文学要素(匂わせ)への遭遇を引き起こしてくれる私も大好物なタイプのゲーム作品など実に多様なジャンルが語られました。特にA3!は私もブログでガチ布教をしていたことがある位なのですが・・・ほんとに最高なので。カブトさんが突然坂口安吾の『風と光と二十の私と』という作品を引用しはじめて仰天通り越して尊さに昇天しちゃうので…ウッ。
あとはそうですね、ALTER EGOもかなり好きな作品です。基本的には性格診断をしてくれるゲームですが、放置ゲーム且つクリッカーゲーム且つマルチエンディングのノベルゲームといったところでしょうか。私は友人に勧めていただいてプレイしました。
「エスっていうお姉さんがいる、絶対好きだぞ君は」という一文と共にLINEで送りつけられまして、いやそんな雑な説明ある?私が誰にだって落ちると思ってんの?美人ならだれでもいい尻軽ってこと??私が???と超ド心外だというスタンプ一つ送り返してインストール。「へーーーーーーーーー貴女がエスさんなんですね、結婚してください。」


最高の友人を持って幸せです。





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えぇ、なんだかもう話が二転三転四転五転落第点、わかりにくいったらありゃしない。待てが出来ずに爪楊枝ほっぽり出して幾度も引っ繰り返す生焼けパンケーキより酷い。両面ともちゃんと焼けていなくてごめんなさいね。

もう触らないから、蓋をしましょう。せめて片面だけでも焼きましょう。
そんなワケでそうそう、本当はワークショップのお話を軸に文ストと文アルを布教したかったのだっけ。先程文アルはゲームとご案内したのだけれど、コミックアンソロジーもアニメもノベライズもあるし、文ストは「文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚」(通称文マヨ)というゲームもあるし、そしてどちらも2.5次元ミュージカルがあるし・・・どちらもハマれば十二分に沼は深いので安心してハマってください。そしてどちらのゲームも基本プレイ無料でございますから、まずはそこから自分の好みに合うか体験されるとよろしいかと存じます。
※文マヨはパズルゲームですが軽く文ストのストーリーにも触れられます。

シンプルにどちらも素晴らしい世界観が構築されているので、前提知識が必要なワケでもありませんし文学や文豪に拘らずともラフな気持ちで始められますよ。





それにしても、活きの良いトビウオの多頭飼いでもしているような文章、あちらこちらリードもこんがらがってどちらが飼われているのだか。無い知恵を振り絞って考えてみると、先程の他作品に脱線したお話だとか、きっと好きな物が多すぎて絞れないせいなのかしら。推しも沢山いて、グッズもついつい手を伸ばしてしまって。
でもね、例えば別に泣きたいほどでもないしヤケ食いするほどでもないけど、何となく地面ばかり見て帰路につくような日があったとして。そんな時に何気なくバッグについた推しのチャームが目に入ると、その瞬間【下を見て歩く人】から【推しを見て歩く人】になる。そうして信号が切り替わる頃にはいつも通り顔を上げている。
私にとって推しはきっと冬の日のコートのポケットに忍ばせたカイロのようなもの。別に無くても耐え忍べるけれど、在ったら凍えそうな一日もほんの少し温かくなる。



あ、こんな寝言ばかりいつまでも垂れ流している場合じゃない。明日も朝から出掛けるんだった。
明日の準備をしないと。スマホと、定期と、財布と・・・それから、推し。

夏眠のすゝめ

夏だ!海だ!水着だー!!
などという灼熱の太陽ばりの眩しい青春は…残念ながら、ない。

夏だ!家だ!引きこもりだー!!!
である。

そう、夏。既に連日30度は裕に超える外気に包まれて、人間ってこんな環境下でピンピンしてられるようにできてないから・・・むりだから・・・とどこに向けてよいのか分からない白旗を振りかざす毎日です。ほんのつい2,3年前まではハンディファンを握りしめてコレさえあれば…と意気込んでいたというのに、今や暑すぎてハンディファンからは熱風がゆるゆると送られてくるばかりになってしまいました。

皆様いかがお過ごしでしょうか。私はもうだめです。。冬眠ならぬ夏眠をキメることに決めました。
クーラーをつけ、冷たい飲み物を用意し、布団に倒れ、そしてゲームと共に眠るのです。
・・・最高の夏なんじゃない?最高に堕落してる。だめな人間の見出しだよこれもう、背徳感ハンパじゃないね。

と、まだまだ終わらない期末課題から目を逸らし、私のサイコーの夏休み計画がたったところで!
ぜひ夏にプレイしてほしいゲームを紹介していきたいと思います!

ところで皆様!「東京喰種」という作品をご存知でしょうか?
作品自体の知名度は勿論、あの特徴的で素晴らしいイラストのタッチをどこかしらで目にしたことのあるお方も多いのではないでしょうか。
その原作者さんが「石田スイ」先生!そしてノベライズを担当されているのが「十和田シン」先生です!

そしてなんとなんと、その強すぎるお二人が0から作り上げたゲームが発売されているのです…!
本日紹介するそのゲームは東京喰種とは全く別で、また新たな世界観が構築されている素敵な作品となっています✨





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【 少女は 少年を演じた___。 】


このキャッチコピーで始まる、『JACK JEANNE』(ジャックジャンヌ)という「少年歌劇シミュレーションゲーム」。
舞台となるのは「ユニヴェール歌劇学校」と呼ばれる全寮制の男子歌劇学校。ここでは個性豊かな男子学生たちが「JACK」(ジャック)という男役と「JEANNE」(ジャンヌ)という女役に分かれて日夜稽古に励み、各寮ごとに一つの舞台を創り上げています。

主人公の「立花希佐」(タチバナ キサ)はこのユニヴェール歌劇学校でも伝説といわれた男役のトップである兄を持ち、幼少期から同じ舞台へ立つ憧れを強めていました。
しかし…女子である主人公は、一般的な方法ではユニヴェール「男子」歌劇学校に入学することができません。そこで出会ったのがユニヴェールの校長先生。紆余曲折を経て、なんと主人公は文字通りの裏口入学を果たします。

そんなこんなで主人公のキサちゃんは様々なキャラクターたちと共にユニヴェールの舞台へと立つことに…なるのですが。
実は以前のブログで似たような雰囲気のゲームを紹介しておりました。「A3!」という同じく演劇関係の作品で、この時は「乙女ゲーム」じゃないのがイイ!!と熱く語っていたかと思います。一方で、今回ご紹介するジャックジャンヌは乙女ゲームの要素があります。
つまり、舞台や演劇関係のノベルゲームがお好きで、乙女ゲーム要素が欲しい方にはジャックジャンヌが、乙女ゲーム要素がお好みでない方にはエースリーがオススメです♪



しかしながら、ジャックジャンヌもただの乙女ゲームじゃァありません。
そう、主人公のキサちゃんがイケメンすぎるのです…!!!先にもご紹介したように、ジャックとジャンヌという男役女役の2種があるのですが、なんと主人公はどっちも演じます。しかも可愛い系のジャック(男役)などではなく、本当にバチバチのジャックを魅せてくれます。。そしてこのカッコよさは声優の寺崎裕香さんの素晴らしき中性的なボイスでさらにパワーアップしてプレイヤーへ届きます。
「えっこんなにカッコいいヒロインいる!?」という位の男っぷりで、もはやキサちゃんに惚れそうになります。
これについては製作者の石田スイ先生が拘られたポイントのようで、主人公をただ恋愛ストーリーを進めるだけの無個性な子にしたくはなかったのだそうです。それ故に、公式ではジャックジャンヌは乙女ゲームではなく、「友情・努力・勝利の青春群像劇」という少年ジャ〇プのようなジャンルとして表記されています。

その為、好感度ゲージや選択肢によるルート分岐はありつつも、実はそれらをすべて無視して稽古漬けのスポ根物語としてプレイすることもできちゃうのです!(私は実際やった)

そんな、異色の「乙女ゲーム」(任天堂公式による括り)ですが・・・!!
今だけなんと40%OFFでお買い求めいただけますッ!

テレビショッピングのようになってしまいました。でもホントなんです。ジャックジャンヌは「broccoli」という「うたプリ」などで有名なゲーム会社から出ているのですが、そちらが7月18日~8月12日までサマーゲームセールを開催しています。こんなのもう、夏眠のお供にするしかありませんよね。
Switchのダウンロード版に限りますが、40%オフはかなり大きいのではないでしょうか。どうしても昨今は無料のスマホゲームが増加したことにより、このような有料のソフト系ゲームを布教しにくくなってしまったのですが…この手の買い切りゲームには次々とコンテンツの増加するソシャゲとはまた一風変わった‟完成された世界観”という魅力があります。
小説や漫画でいう、読み切りのような魅力を一夏のお供にいかがでしょうか。


さて、ここで大事なご案内を。
ジャックジャンヌには現在「Switch版」(定価は8500円位、今はセールで5000円程!)と「スマホ版」(買い切りで1200円)がございます。
ストーリーに違いは一切ないのですが、お値段がかなり異なっています。その理由が、ゲームシステムの違いです。Switch版ではリズムゲームの要素とステータス振りの要素、その他細かなサブエピソード等々圧倒的なボリュームを誇っています。本当にこれだけで一夏が終わります。
一方で、スマホ版は完全にノベルゲームの形にコンバートされており、ストーリー分岐のみを楽しむものとなっています。シナリオのバックログやスキップ、その他の機能も充実しており、周回もしやすくなっている形です。Switch版にあったような主人公のステータス育成やリズムゲームの要素は省かれているのでサクサクできちゃいます。物凄くありがたい…私はリズムゲーム弱者なので、Switch版の時に超苦戦しました。永遠に最低難度でゴリ押していましたが、、(笑)


その為、個人的なオススメは「スマホ版」です。何しろとても手軽に色々なキャラのストーリーを楽しめますから。ただ、「Switch版」の小ネタの充足感や没入感も捨てがたい…!ですから、リズムゲームややりこみ要素がお好きな方には「Switch版」がオススメかもしれません。反対に、シナリオやキャラクターとのやり取りにご興味がある方は「スマホ版」がいいでしょう。


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もはや何かの回し者なのではないかと思うようなセールストークになってしまいましたが、ここからは作品の内容をもう少し詳しくご紹介いたします。

先にもちらりと申し上げましたが、全寮制のユニヴェール歌劇学校には4つのクラスが存在しています。
主人公が所属するのは演劇未経験者なども多い「クォーツ」で、その他にダンスが得意な「オニキス」、歌が得意な「ロードナイト」、プロレベルの技術と芸術性を持つ「アンバー」といったクラスがあります。宝石の名前に由来するように、磨けば光る原石たちが切磋琢磨する場所なのです。


独立したストーリー分岐が存在しているのは、攻略対象となっている6人のキャラクターで全員「クォーツ」の生徒です。ざっと紹介すると
・3年 高科更文(タカシナ サラフミ)  CV:近藤孝行さん
・3年 睦実介(ムツミ カイ)      CV:笠間淳さん
・3年 根地黒門(ネジ コクト)     CV:岸尾だいすけさん
・2年 白田美ツ騎(シロタ ミツキ)   CV:梶原岳人さん
・1年 織巻寿々(オリマキ スズ)    CV:内田雄馬さん
・1年 世長創司郎(ヨナガ ソウシロウ) CV:佐藤元さん
の6人です。気になる声優さんとかいらっしゃいますでしょうか。個人的には内田雄馬さん推しの方にぜひ見てほしい。内田さん演じるスズ君は「音痴」という設定があったのですが、中の人が上手すぎて公演楽曲のMVに「音痴設定どこいった」「もはやただの内田雄馬」とのコメントが溢れました(笑)


こちらのPVで簡単にキャラクターたちの雰囲気がお分かりになるかと思います。
約2分でわかるので!でも音量注意です!!




さて、今回はその中でもただただ私が好きな推しをご紹介していきます。本当は全員描きたかったのですが、さすがに期末課題に屈している最中でしたので3人が限界でした。



とにかく、沼。あまりにもしんどい最推しはクォーツの組長「根地黒門」(ネジ コクト)というお方。
彼は組長というリーダー的な立ち位置でありながら、そのメインのお仕事は脚本、演出、ほぼ総監督といった形で舞台上にいる時間はそう長くありません。その笑い声は「ウワハハハハハハ~~~ッ!」といった感じで、後輩にも怒られるようなもうお察しのキャラです。奇抜な言動で周囲を常に引っ掻き回す、歩く嵐のような彼ですが…ストーリーのしんどさは随一。沼です、この男。
最推しなのですが、本当に重すぎて一度彼のルートをやってしまうとその他のルートがまともに楽しめなくなってしまうので、彼は1番最後にやることをお勧めします。
※個人の意見です。バイアスがかかっています。


2推しは「白田美ツ騎」(シロタ ミツキ)というお方。クォーツの「歌姫」(トレゾール)と呼ばれる彼はその歌声で組を支えてくれています。そして何より、、、可愛い!!!!!!
作中で唯一彼は最初から最後まで「ジャンヌ」(女役)でした。主人公よりも女子。その美声も素晴らしく、声優さんまじか…と圧倒されました。とてつもなく可愛い彼ですが、彼のルートも胸が痛くなるようなシーンが多々あります。彼のセリフは1つ1つがとてもグッとくるので是非白田先輩ルートをやって、しんどくなって頂きたいですね。。


私の推しはこのお二方ですが、どのキャラも本当に魅力的で作りこみがしっかりしています。イラストの真ん中にいたフミさんは私の友人の推しなので描きましたが、彼もめちゃくちゃ美人です。
しかも、今回紹介したイケメンは「クォーツ」だけ。つまり、あと3組いますので…。しかも教師陣もイケメンなので、もうてんこ盛りですね!そして全て石田スイ先生の美麗な描き下ろしスチルつき!!

あまりにも芸術的で、ゾッとするほど美しいものもありますのでググるだけでもお試しあれ。オススメは🔍「ジャックジャンヌ アンバー」とか、🔍「ジャックジャンヌ 田中右」とか。見たらわかる、刺さる人には刺さるなぁって。


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そんなトンでもねぇイケメンたちと、年に5回「新人公演」「夏公演」「秋公演」「冬公演」「最終公演」という大きな舞台を創り上げ、クラス優勝を目指します。

5つの公演ですが、各回でお話の雰囲気がかなり異なっており、きっと”刺さる”作品があるのではないかと思います。ちなみに私が一生引きずっている公演は冬公演の「オー・ラマ・ハヴェンナ」です。退廃的で美しく切ない独特の香りが充満した最高の舞台となっています。内容はぜひ皆様の目で観ていただきたいのですが、その舞台を彩る華やかな楽曲をここでは紹介させてください。






このような各公演に合わせた豪華すぎる楽曲が17曲もあります。そして全て石田スイ先生が作詞と仮歌をされました。スイ先生…まじで才能に溢れすぎてませんか…???
※スイ先生の公式noteより

5公演に対して17曲。もう尋常じゃないです。
こんな素晴らしい楽曲や作りこまれたシナリオがぎゅっと詰まって、スマホ版なら1200円。
0が1個足りてないんじゃないのォ!!!?????というクオリティです。

最初の「新人公演」まではスマホ版にて無料でプレイできますので是非少しだけでも試してみてください。

appストア「ジャックジャンヌ」
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8C/id1658271223


最後に超刺さった白田先輩のセリフを1つだけご紹介させてください。

「 誰にでも優しい奴は、誰よりも優しくない。 」



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長くなりましたが、「ジャックジャンヌ」の魅力が少しでもお伝えできていれば幸いです。
これから夏本番がやってきますが、外で活動される方はくれぐれも体調にご注意ください。なんでしたら、皆様もクーラーとお布団と懇ろに「夏眠」ライフを楽しみましょう。

そして、ユニヴェール歌劇学校で彼らと舞台に立つ夏ってのもいかがでしょうか。

道一つ

文学ってお好きですか?




そのきっかけって何ですか?


***


随分とご無沙汰していやがると思ったら、いきなりズケズケと不躾なインタビュー。大変失礼いたしました、此奴はそんなヤツでございます。
どうもお久しぶりです、近代文学とペンギンに一生全力片想いのまどか🐧です。


さてはて、文学。藪から棒をズゴォォォォォォンッッと出しているような具合で相すみません。
私、実はこんなんでも文学部に所属しておりまして。いやまァ、「これは文学部日本文学科のブログなんだからそりゃそうだろ」と言われてしまえばそれまでですが。
今までのブログを見ても、既にしたためている数行を見ても・・・全く適当ばかり言い放つお騒がせなヤツであることはまず間違いない。そんなんだから、もう。
こんな適当そうなのが、文学をこよなく愛しております!!と宣言したところで、寧ろ文学に失礼なのではないかと全く身の縮こまる思いでございますが。



文学、愛してます!!!!!!大好きです!!!!!!!!!!!!



何でしょう。身が縮こまったくらいで私が静かになるだなんてお思いですか。残念ながら私、口から生まれた口太郎。口は禍の元なれば、私こそが禍。一生黙りません。黙れません。
好きなものを好きと言えない苦痛は知らない訳じゃァない。だが、好きなものを好きと言えず、二度と口にできなくなったことがある。その、気化する手前で一生涯ぐつぐつと煮え続ける後悔を、自身の選択への憎悪と不信頼を、抱えて歩む苦痛の方が痛い。私には痛い。
それ故に、私は口に出すことを選択する。口からも身からも出た錆を私は飴玉として舐める。



つまり?

「誰かの地雷は誰かの主食。誰の地雷にも配慮しません!ほんとすみません!」
ということです。
もちろん、公的な範囲で公開しているものですから、気を付けたくは思っております。マイナスな発言など以ての外と承知しており、実際する気も毛頭ございません。
しかしながら、今までのブログでくどくどお伝えしてきている通り、好きなものに対して愛を叫ぶ質でございます。振り返ってみなければわかりませんが、おそらく毎回何かしらに「好き!」と騒いでいるのではないでしょうか。そしてそこで非常に気がかりなのが、私の「好き」が何方かを不快にさせていないか、不用意に傷つけてはいまいかということなのです。
先程マイナスな発言は止している、と申し上げましたがそもそもマイナスな発言って何なのでしょうね。わかりやすく多くの人を不快にさせてしまう言葉というのはあれど、それらに限らず私がプラスな発言だと思っていることも何方かにとってはマイナスなものやもしれません。ではその逆もまた然り?それなら裏の裏は表?いやそもそも裏と表の違いはあるの?何が隔てているの?例外は無いの?どこに正解があるの?……あぁ終わりが、ない。

残念ながら、現時点では皆目見当もつかず、誰の地雷にも配慮できそうにないのです。そもそもそれが成せる方がいらっしゃるのかも存じ上げませんが。
だからといって「できない」ことに居直ることも、そんな、肝の据わったこと、とてもとても。ですから、私はこれからも「好き」という凶器を気を付けて気を付けて……ブン回させていただく所存です。

ここまで申し上げた上で、先に謝らせていただきます。本日は「文学」に対する私の偏った「愛」が書かれるせいで、文学がお好きな方にもそうでない方にも、お心にそぐわない部分がありそうです。ご気分を害されましたら申し訳ございません。謝罪ついでに弁明も加えておくと、単に素敵な企画展を紹介したいだけなのですが、どうしてもテーマが「文学」ですから、えぇ。


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はい、長い。本題に入るまでが長すぎる。もうほんと、成人も見えて良い歳なのだからいい加減にその臆病な向こう見ずを辞めなさい。なかなかどうして上手くゆかない。


と、こんな調子ではブログまで梅雨入りしてしまう。暦に置いて行かれる前に手早く本題に移りましょう。
さて本日行って参りましたのは「早稲田大学演劇博物館」。
通称「エンパク」と呼ばれておりますこの博物館は、本学からも頑張れば歩いていける距離にございます。電車で向かわれる場合も、荒川線の早稲田駅や東西線の早稲田駅などからアクセス可能となっております。もしくは高田馬場駅からバスを利用することもできるようで、それぞれの方に合ったアクセスができそうです。
早稲田大学の敷地内に位置しておりますので早稲田大学に向かうイメージで向かわれるとおそらく辿り着けます。そのような博物館となっておりまして、その設立者はなんと坪内逍遙!近代文学の道を切り開いたことで知られる彼は、演劇にも造詣が深く多大なる功績を残されました。そんな彼が設立したエンパクにはその名の通り、演劇に関わる様々な資料が幅広く展示されています。逍遙が70歳(古稀)の時に作られたこの博物館は今や創立96年を迎え、現在は新宿区有形文化財に指定されているようです。


そして今年の6月7日から8月4日まで特別展「文豪×演劇ーエンパクコレクションにみる近代文学と演劇の世界」が開催されています。中でも本日7月12日は「坪内逍遥×坪内逍遙ー『文豪とアルケミスト』から辿る文豪たちの世界」という特別イベントが開催されておりました!(「遙」の字はゲームの表記とエンパクの表記それぞれに倣った上での使い分けなんだとか)

今回私はこの特別展とトークイベントに近現代自主ゼミの友人たちと参加させていただきました。

場所は先程も申し上げましたように早稲田大学のキャンパス内に位置しており、校内案内図などを頼りに進むとアンティークな香り漂うお洒落な建物が見えてまいります。こちらはロンドンの「フォーチュン座」という劇場を模して作られたのそうで、建物内も非常に味わい深い造りになっています。


この日は生憎のお天気のために傘を持ちながらの必死の撮影でごさいまして、この素敵な雰囲気をお伝えできている自信が無いのですが…晴れている日に訪れますときっとさらに絵画のような一枚になるのではないでしょうか。

こちらの建物は3階建てで、能楽や文楽といった日本の伝統的な演劇から海外の演劇、それから現代の様々な演劇まで幅広いテーマの展示室があります。実際に舞台に用いられる道具の展示はもちろん、今回は特別展エリアにて「演劇に関わる書簡」や「書き入れのある脚本」、「舞台装置のイメージ図」などなど〈文学〉×〈演劇〉というテーマに沿った多種多様な資料を見ることができました!

特に今回はゼミの友人たちと回っていたため幾人もの作家の字を拝見しつつ、この作家の字が好きだ!とか読むのが難しい!だとか好き好きな感想を抱いておりました。ちなみに友人は森鷗外の字がお好きなようです。私は今回の展示の中では谷崎潤一郎の字が好みでしたが、それはそれとして正宗白鳥のいつ見ても特徴的な字に実家のような安心感を覚えつつ次の展示室に足を向けました。このあたりは完全に個人の好みですし、また失礼な話でもあるのですが…このような気楽な話ができるのも友人と行くことの魅力の1つなのではないでしょうか。
また、こちらの特別展には先程ご紹介した作家だけでなく多くの文豪の展示がございます。中でも私は三島由紀夫の書き入れが見られる「トスカ」というオペラの脚本や、役者さんへ渡した自筆の名刺に心を掻き乱されまくり、限界化をキメて参りました。食い入るように見つめるなんて言葉があるとすれば、もはや私のは嚥下した後です。ムシャァ……(新手の怪異)



…あ、そうそう、今回の特別展のスペシャルポイントはそれだけではないんです。
なんと人気ゲーム「文豪とアルケミスト」(通称:文アル)とのタイアップ開催なのです!
皆様は「文アル」、ご存知でしょうか。近現代自主ゼミには「文アル」がお好きな方が何人かいらっしゃいまして、展示室に飾られていたコラボ特大パネルを前に悶絶した後動けなくなっていました。私は少し前に始めたばかりなのであまり詳しくはないのですが、、草野心平がお持ちの「ぎゃわず」という蛙のパペットが可愛すぎていつも助手をお願いしています。たまに尾崎放哉にもお願いしていますね。

さて今回はエンパクとのコラボということで坪内逍遙がピックアップされ、文アルの坪内逍遥と彼に関係の深い二葉亭四迷・森鷗外の等身大パネルもございました。
お写真は逍遥先生のご尊顔フルパワーの寄りショットとなっておりますが、全体像も迫力があって素晴らしいのでぜひ皆様自身の目でご確認いただければと存じます。二葉亭四迷と森鷗外も傍にいますので要チェックです。






さらに、来場者の方は逍遥先生とのコラボしおりもゲットできちゃいます!これがもう本当に可愛い。お写真では片面しか映っていませんが、もう一面には実際の坪内逍遙バージョンのしおりが入っており、2枚セットです。なんと豪華!!
こちらのしおりは入ってすぐのミュージアムショップのようなところで配布してくださっています。そこではコラボクリアファイルなども販売されていますが、どれも数量には限りがありますのでご興味のある方はお気を付けくださいませ。


「早稲田大学演劇博物館」公式HP
enpaku 早稲田大学演劇博物館 (waseda.jp)


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加えてその他にも展示品は多岐に渡っており、もっとゆっくり拝見したかったのですが、、、その日はゼミ員皆4限の後に向かっておりましたため見るには時間が全く足りず心残りしかありません。早くもリトライの決意を固めております。

何故こんなにも急いでいたのかと申しますと、先述の通りこの日はトークイベントの開始時刻が迫っていたのです。先にもチラリとご紹介しましたが「坪内逍遥×坪内逍遙ー『文豪とアルケミスト』から辿る文豪たちの世界」と題して行われた、「文アル」のプロデューサーである谷口晃平氏をお招きしてのトークイベントを拝聴すべく先を急いでいました。


会場となったのは大隈記念講堂小講堂で、落ち着いた色合いの素敵な舞台には坪内逍遙と逍遥先生の等身大パネルが隣り合って立っていました。エンパクの方にどうして逍遙先生の等身大パネルが無いのかと思っていたら、こちらにいらっしゃったワケです。
そして、トークイベントではプロデューサーの谷口晃平氏とエンパク館長で早稲田大学の教授でもいらっしゃる児玉竜一先生、そして東北大学で教鞭を執られている赤井紀美先生のお三方によって、〈文学〉と〈演劇〉の関連性やゲーム開発のお話が色々な角度から語られました。
何となく「文学」と「演劇」と聞くと、脚本を始めとするストーリー展開的な要素に接点を求めるのかとばかり思っていたのですが、トークイベントを通して硯友社・文藝春秋などなどが稀に行っていた「文士劇」や作家たちが役者へ送ったファンレターのお話といった色々な角度から接点を知ることができました!
今回このような貴重な機会をくださった近現代自主ゼミの先生とトークイベントの先生方には本当に感謝しかございません…!



また、谷口氏からは「文アル」において原作(ゲーム)と舞台・アニメそれぞれで異なったストーリーラインを取っていることについて、そのお考えを伺うことができました。個人的にはそれらのお話を伺ったことで「文アル」という1つのゲームを通して、その枠に留まることのない様々なメディアに対するより発展的な展望を垣間見ることができたように思います。

そして何よりも、谷口氏のお話で印象的だったのが「文アル」を作ったきっかけについてです。
皆様もご存じの通り、近年は文学や出版が斜陽産業などと囁かれるようにそれらに親しむ人の数は確実に少なくなっています。そのような中で、純文学がお好きであった谷口氏の「もっと多くの人に文学への関心を持ってほしい」という願いの元に「文アル」が生まれたのだそうです。
細かい表現は正確ではないかもしれませんが、少なくともこのような想いが今や人気ジャンルとなっているものの根源にあったとはいえるはずです。


そして実際に、その願いの通りそれらをきっかけとして文学の道に足を踏み入れた方が沢山います。
今、文学部に所属している中で私の友人にも件の「文アル」や、その他の様々なアニメや漫画がきっかけで文学部を選んだ人がいます。
文学部に進む進まないに限らず、それらのメディアを通して作家や作品を知ったという方はもっと多くいるはずです。例えば太宰治の「人間失格」や室生犀星の「あにいもうと」など単に文学史で出会うという以上に、度重なる映画化などメディアを通して名前をご存じの方がいらっしゃることでしょう。
このような受容の仕方について、原作の本も読んだことがないのに全く軽々しい!とお思いになる方もいるかもしれません。ですが、まずは名前を知り興味を持つことでそこから原作を手に取ってみるだとか、作家に関心を持つだとかきっとそういう入り口もあるのです。
友人が「本が本当に好き!っていう子を見てると、アニメがきっかけで文学部来ましたとか言えない」と呟いていたことがあるのですが、とんでもない。威風堂々胸を張って言ったっていいじゃありませんか。どんなきっかけだろうと、そこに魅力を感じて熱意を持って道を選んだのならそこに軽重の差などありましょうか。
どんな入り口から入ったっていいんです。歩く人が減ってしまえば、そこに道が無くなってしまいます。


沢山の入り口から沢山の人が歩く。そうすることでしか道は維持できません。



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そこで貴方様にお伺いしているのです。




文学はお好きですか?



貴方様にとっての入り口はどこでしたか?




もしまだ入り口が見つからないのでしたら、これから一緒に探してみませんか。

Rewrite The Stars

“Forget the cage, cause we know how to make the key”

———The Other Side. Benj Pasek & Justin Paul.(2017).



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つま先から脳天まで。感情に飲み込まれて、指先が震える。

ゾクゾクと震える感情を抱えきれなくて、随分と下手くそな呼吸しかできない。

私にとって人生が変わる瞬間は、決まってこの感覚に襲われる。

皆様にとっては如何でしょうか。私みたいなものは仰々しい?あら、残念。

でも、私にとってその感覚は、馴染みがあるもので、そうして実際に人生の中で何かを変えられる瞬間には、いつもその感触が来るのです。

その瞬間、その感覚はどれも鮮明に思い出せるものばかりで…あぁどれをお見せしようか迷ってしまう!

ねぇ、折角いらしてくださったのですから私のそんな夢見心地な妄言でも聞き流していってくださいまし。

取るに足りない私のような者の、記憶の保管庫の中ではそれらは格別に綺麗で、眩しくて、ちょっと主張が強すぎてウザいくらいなのだけれど

それでも一等キラキラとしていてお見せするのにも憚りが少ないから、せっかくの機会、何か一つお持ちしなくちゃ。

うん。見つけた。


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2018年。1つの映画が私の価値観を強くゆすぶった。

「グレイテスト・ショーマン」

アメリカのミュージカル映画で、P.T.バーナムという1人の興行師が成功するまでを描いたこの作品。驚くべきはこの作品、実話が基になっている…ということなのですが、とはいえとても有名なタイトルですから今更ご紹介するまでもないでしょう。


そう、あまりにも今更。ではなぜ今になってその記憶が掘り起こされたのか。
実は今年の春に、この「グレイテスト・ショーマン」がAmazonプライムの対象作品として解禁されたのです!


私がこの作品を初めて観たのは中学2年生の頃なのですが、その時の感動といったらもう、本当に価値観をぐるりと引っ繰り返されてしまいました。ミュージカル好きになりかけていた私にトドメを刺した作品とも言えます。

観たのはこの1回きりだったのですが、あの日に受けた感動、もはや洗礼とも言えるような感覚をもう一度味わいたくて。年々その思いは強まっていきました。
そして先週、演習のしんどさに限界を迎えた私はど~~~~~~してもあの作品が観たくなり、DVDでもBlu-rayでも買ってやらァ!!とAmazonの奥地へ向かったところ・・・。


エッ。いる。いらっしゃる~~!!?
まさかのプライムの仲間入りを果たしていたのです。つい数ヶ月前に追加されていたらしく、気がつかなかったとは一生の不覚です、、。


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そのようなワケで、私めは愛する「グレイテスト・ショーマン」と感動(一方通行)の再会を果たしたのです。
あの日、人生を変えられた私は中学2年。いま、私は大学2年。実に6年の歳月が経ちました。

当時は全く気が付けなかった演出。内容。
人種のこと、国のこと、階級のこと。数えきれないくらい沢山あって、あぁこんなにも取りこぼしていたのだと気付かされました。

作品の印象も一変。かつての私にとっては成功譚を描く、ハートフルでハッピーな魅力が詰まった作品だったのですが、今漸くそこへ辿り着くまでに複雑に絡まり合った事情が色々にあったことが見えるようになりました。

それでも、胸を打たれたシーンと登場人物だけはあの日と変わりませんでした。
映画館からの帰りの電車で私は連れてきてくれていた母に、興奮冷めやらぬ様子で「フィリップとアンが好きだ!」と騒ぎ立てていました。

改めて観た今も、その感想は変わりません。
「フィリップ・カーライル」と「アン・ウィーラー」。この2人の沼が深い深い、大好きです。

※以後、微ネタバレ注意(本編の主軸には触れていませんがサブ要素に一部触れています)



「フィリップ」は上流階級出身の劇作家で、もちろん彼の作品は高尚な芸術性を持った上流階級向けのもの。半ばペテン紛いのことをして観客を楽しませる主人公の「バーナム」とは対照的です。
自分のショーにも上流階級を呼び込みたいバーナムは、このフィリップに目を付けました。


「上流階級の檻に囚われたお坊ちゃん、そんな人生は退屈じゃないか?

 平凡の王様になるか、冒険をするか。君なら賢明な判断ができるはずだ。

・・・まぁどうするかは君次第だがな」

(超意訳)と、フィリップをビジネスパートナーとして引き抜こうとするのです。フィリップからしてみればこんな取引、百害あって一利なし。リスキーにも程があります。
もちろん彼は「檻の中の人生を楽しんでいるんだ」とバッサリ。しかしその後も応酬は続き…なんとフィリップ氏はこの取引に応じるのです!

気になる説得の内容ですが、、、この2人のやり取りは「The Other Side」という劇中歌になっており、曲を聴くことでどのようなやり取りが交わされたのか知ることができます。
圧巻のダンスパフォーマンスとアップテンポな曲が最高にイカした曲で、個人的に作業BGMランキングTOP3くらいに入ります。




その中でも一番好きな歌詞がこのブログの冒頭に引用されていた

“Forget the cage, cause we know how to make the key”

———The Other Side. Benj Pasek & Justin Paul.(2017).

です。「檻の中の人生を楽しんでいる」とまで言っていたフィリップが、バーナムの言葉に心を動かされ…最終的に「檻なんか忘れたさ。鍵の作り方を僕たちは知っているのだから!」と2人で歌うのです。

鍵を見つけるのでも、与えるのでもなく、「つくる」。己の想像力を武器に歩んできたバーナムらしい発想。そしてそれがフィリップを動かしたのです。


そう、鍵は1つじゃない。それを知っているだけで幾分か心が軽くなりました。
気が付いた時にはもう、鍵はきっとその手の中にあるのです。




その後、無事に入団したフィリップは、空中ブランコ乗りの「アン・ウィーラー」と出会うことになります。
空中ブランコを巧みに乗りこなし、重力すらも彼女を縛ることはできないかのように自由自在に飛び回る美しいアン。そんな彼女にフィリップは惹かれていきます。


しかし、現実は彼女たちを縛り付けるものばかり。人種、階級様々なものが2人に立ちはだかります。黒人の彼女とフィリップが並び立つことをフィリップの両親や周囲は良しとしないのです。
ためらいが捨てきれず、アンとの交際を隠そうとするフィリップに対し、アンはその痛みを空中ブランコと歌にぶつけます。
それが劇中歌であり、本ブログのタイトルにもなっている「Rewrite The Stars」。
躍動感あふれる空中ブランコを用いたダンスと切ない歌詞が素晴らしく、もうこのシーンだけでアカデミー賞取れそう…といった感じです。





この曲を通して心を決めたフィリップはアンに対し、

「これは僕が決めることであり、そして君が決めることだ。他の人に口出しなんかできるわけがない。

 運命を書き換えないかい?」

と歌うのです。かつては上流階級の安定した人生を楽しんでいたフィリップが、定められた人生も運命も真っ向から否定。

望む運命でないのなら、書き換える。鍵の作り方をもう知っている彼なら、きっとやり遂げることでしょう。





作品を通して、もちろん誰もが変わり、成長し、これこそが私だ!と胸を張るようになりました。
ですがその中で最も変わったのは他でもない「フィリップ・カーライル」なのではないかと思います。そして彼を変えたのは団員の皆であり、バーナムであり、やはり「アン・ウィーラー」なのでしょう。

様々な困難と葛藤を経て同じ舞台に立つことを選んだ2人の姿に、何よりもその過程に、私の価値観は随分と塗り替えられました。
6年越しにどうやらまた人生を変えられてしまったようです。そしてきっとまた何度でも影響を受けます。
さぁ、次に観るときにはどんな発見があるのかしら。



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相変わらず長くなりましたが…
兎にも角にも素晴らしいストーリー&歌!!

せっかくAmazonプライムにも入りましたので、会員の方はぜひご覧になってみてください。
楽曲はYouTubeやその他楽曲配信サービスでも楽しめますので、ぜひぜひ楽曲だけでも楽しんでみてはいかがでしょうか。


ここまでお付き合くださりありがとうございました!

お相手は、明日更新のブログが楽しみでちょっとテンションが可笑しいまどか🐧でした。

彼はその紅茶を__.

栄光の味

それはどんな味だろう

紅茶

それは永遠だろうか




罪は

罰によって

贖われ得るか


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三島由紀夫 『午後の曳航』


舞台は横浜港。日夜数え切れないほどの船が、汽笛を轟かせては現れ、水平線に溶けてゆく。

主人公の「登」(のぼる)は13歳の少年で、8歳の時に父を亡くしてからは母の「房子」(ふさこ)と2人暮らし。

メイドもいるような豪邸で、出稼ぎに行く母に残された「登」は退屈に染まっている。



ある日、船好きの「登」たっての願いで、母「房子」と「登」は船を見学していた。
案内役を買って出たのは二等航海士の「竜二」(りゅうじ)である。そんな彼の逞しい身体つきと、華々しい冒険譚。

船に乗り、未開の地へ旅立つ航海士は、退屈に染まる少年にとってまさに

【英雄】

であった。



否、「登」にとってだけではない。
同じく退屈に染まり、年に似合わぬ高い知能を持て余した少年たち。「首領」と呼ばれる少年を中心とした、6人組の中学生たちにとっても【英雄】とは甘美な響きであっただろう。

しかし、「登」にとって【英雄】との出会いであったこの日は
  「房子」にとって新たな【旦那】との出会いであったのだ。



あぁ、そうだ。ここで皆様と、「登」の持つ「秘密」を共有しておかなくては。



彼の部屋には趣味のいいタンスがあるのだが、その引き出しを引くと、そこは時空のゆがみが広がっていて、中から青いネコ型ロボットが・・・なんてことはなく。

そう、引き出しを全て引き抜くとそこには小さな【穴】が開いているのだ。

誰が、いつ、何故、開けたのかなど見当もつかない。だが、少年にとってそんなことはどうでもいい。
今重要なのは、思春期真っ盛りの少年の部屋に、隣室を、つまり母の部屋の「ベッド」を覗き見ることの出来る【穴】が開いていることだけなのだから。



そこで少年は目にしてしまう。


【英雄】が、母という「女」によって、最も忌むべき【父親】へと変貌してゆく様を。


あぁ、あぁ・・・。【英雄】が、限りの無い大海原へと溶けるはずの、孤高の【英雄】が
今まさに、シーツの海へと蠱惑の女へと溺れてゆく。

「竜二」は、船を降り、あろうことか「登」の【父親】になるのだと言う。



あぁ!これは【裏切り】だ。そうだろう。少年たちよ。【英雄】に湧き、【親】という枷を厭う、自由なる少年たちよ。

「首領」たち6人組の少年は裁かなくてはならない。堕ちた【英雄】。この裏切り者を。



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さァ、少年たちの審判の行く末は、「竜二」の罪はどこへ着港するのやら。


三島由紀夫、『午後の曳航』。
ざっとあらすじをご紹介いたしました。舞台は先述の通り、横浜港でございます。
私めは事あるごとに「近代文学」が好きだ!!と叫びのたうち回り、近現代自主ゼミにも所属しているのですが…。その中でも、特に三島由紀夫さまの「文学」を愛しております。
そして、以前ブログでも書かせていただいたのですが昨年度の自主ゼミ旅行の行き先は「横浜」!
皆まで言わせるな…の構えです。そりゃあもう行くでしょ、聖地・・・!


主人公である「登」の母「房子」さんが切り盛りしていたのが、紳士もののスーツなど舶来の品々を扱う大変トレンディな【レックス】というお店です。
こちらの元ネタとなったのが【THE POPPY】という横浜中華街にある高級洋品店。
エメラルドグリーンの屋根と洋風な造形がとても美しいお店です。

もちろん行って参りまして、その時のお写真がこちらです。


も、猛烈に閉まってるゥ~~~~~~~~~~~ッッ!!!!!!!!!!

「ポピー~~~~~~~~~ッ!!」

今日のポピー:アイスランドポピー

花言葉:慰め



って感じですよもう。太子も顔負けの特大ポピー案件でしたとも、えぇ。
元ネタが気になる方は「聖徳太子 ポピー」で検索してみてください。


ちなみに、同日に向かった「大佛次郎記念館」も閉館してました。
もしかして:私、ツイてない。

本当にもうお涙ちょちょぎれ通り越してブチ切れですが、私めは理性ある淑女でございます故、いずれリトライすることにいたします。
もし、もしもですよ??横浜近辺にお住いの日本女子大生さんがいらっしゃって、お写真を撮ってくださってもいいという神様がいらしたら…私めに恵んでいただいても…あの…(諦めが悪い)


あ!あとですね、「ライチ☆光クラブ」という演劇が原作の漫画作品があるのですが…ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。もしお好きでしたらきっと『午後の曳航』もお楽しみいただけるのではないかと思います。なにせ、作中に登場する「首領」と呼ばれる少年を中心とした6人組の男子学生たちは、どことなくライチの彼らと近い雰囲気や香りを漂わせていますから。

そのようなワケで、もしライチがお好きでしたら是非とも三島由紀夫作品を一度お手に取ってみていただきたい。
ちなみに私の推しはタミヤとデンタクです。




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そんなこんなで、聖地巡りは何とも言い難い形で幕を下ろしましたが、、、
何とも言い難い形で幕を下ろすのは作品も同じ。


ネタバレになってしまうかもしれませんので、未読の方はここまでの方が具合がよろしいかと存じます。
(重大なネタバレはしていないので、未読の方はただただ意味が分からないだけやもしれません)



そう、エンディングなのですが、ある種芥川龍之介の『羅生門』を彷彿とさせるような。。。

自主ゼミの先生とこの作品についてお話していたところ
「あなたはこの作品のエンディングを最後まできちんと書いてほしかったと思いますか?」
と聞かれたのです。

この質問についての返答、かなりの悩みどころでございまして・・・。
もしも読んだことのある方がいらっしゃいましたら、、、貴方様でしたらどのようにお答えになりますか?

実のところ私めは「書いてほしかった」といった返答をいたしました。



「蛇足」なんていう言葉もありますが…
もちろん、書いてしまった事により、それが既に完成された世界観を壊してしまうリスクは重々承知しております。
また、何より読みの解釈の幅を限定してしまうことに他ならないでしょう。


例えるならこの美しい作品はカップの縁、ギリギリまで溜められた紅茶。
表面張力によって保たれている、張り詰めた美しき世界。

そこにたった一滴。ヒタリ。それから、パチン___.
その一滴が決定打となって決壊してしまう。

それらは全く否定のできない可能性です。それに、私は実際、そのはち切れそうな紅茶の膜を愛しているのです。


ではなぜ、その美しき、己の愛する物を壊そうとするのか。


単純なことです。読みたいのです。
三島さまの文章を文字を1文字でも多く、読みたいのです。
ただただ供給に飢えるだけのオタク心なのです。

本当にこのオタク心は、低俗で安直でヤッカイ。


※ここでのオタク心は私個人のものを指し、それ以上の意味は持たない。またこのブログの意味はおそらく作品をお読みにならなければ支離滅裂。ぜひご一読ください。


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ねぇ、栄光の味はどうでしたの?
あの感想は語り手がお喋りになっているだけですもの、私は【英雄】さんにお聞きしているの。

口をつけただけで、あれはまだアナタのお腹には届いてもいませんわ。

なら、あの瞬間、あのお紅茶は永遠になったのね。

お紅茶は永遠なのかしら、罪は罰によって贖われるのかしら、

あの少年たちは裁きを下さんとした、ではその少年たちは




ねぇ、あの時の猫さんはどうお思いになるかしら!

続・能楽堂への誘い

巷には黄金の休暇が訪れているようですが・・・皆様、いかがお過ごしでしょうか。本日のお相手はまどかです🐧

私ですか?えぇもう、それは存分に。ぞんっっぶんに!充実した毎日を過ごしておりますよ。バイト、バイト、演習準備、バイト、演習準備、課題…という具合。

10連休?知らない子ですね。


・・・。

どこ行っちゃったのォ~~~~~~~~~!!!?????わちきのゴールデンウィークぅぅぅ!!!
数日前、母親に「一応聞くけどGWどっか出かけるの?」と問われ、「・・・。ははッ、、(乾いた笑い)」という問答をした虚しさといったら!


はあ…。一先ず「私の黄金の休暇」の捜索願を出すとして、そろそろ本題も探しに行きましょうか。
本題の捜索願はブログを書き始める前に出しておきましたのでね、ご安心ください。そうです、ブログタイトルで全力ネタバレしております。未熟者の私めにはオシャレさも捻りも無いのでございます。

城之内さんも顔負けのネーミングです、伝わるのでしょうかこれ。


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そんな件のタイトルですが、、「続・能楽堂への誘い」ということで。まさかの、ありがたいことに続いちゃいました。

なんと前回と同じく、今回も本学の石井倫子先生を中心とした「プチ能楽鑑賞会」に参加させていただきました!前回は桃の節句の頃に国立能楽堂を訪れたのですが、プチ能楽鑑賞会への参加方法も併せてご紹介しておりますので、よろしければご覧くださいませ。
※参加方法はそちらでご紹介しております為、今回は割愛させていただきます。

https://mcm-www.jwu.ac.jp/~nichibun/blog/index.php/2024/03/05/



さて、この度観劇させていただいたのが4月27日に行われた「響の会」の第64回公演。演目は「大原御幸(おはらごこう)」・「川上」・「猩々乱(しょうじょうみだれ)」でございました。
「大原御幸」と「猩々乱」がお能で、「川上」は狂言です。


いずれも見応えのある作品ですが、中でも「大原御幸」というお能の上演時間は120分ほど!
一般的なお能の上演時間は60分~90分ほどのものが多いため、「大原御幸」はかなり長い方なのではないでしょうか。
その一方で、「猩々乱」は上演時間が45分ほど。こちらもビックリ、スタイリッシュすぎる上演時間です。

さらに、その2つを比べますと…

「大原御幸」➞かの有名な『平家物語』灌頂の巻の「先帝身投」などに取材した少々重いストーリー
「猩々乱」➞異類の存在である猩々(妖精みたいな、ともかく人外)が紆余曲折あって酔っ払いながら舞うといった明るいストーリー

このように話の長さも内容もまさに両極端なのです。


殊に、「大原御幸」は上演時間が長いことに加え、基本的には終始登場人物たちが座して対話するのみという非常にシンプルな演出となっているため、演者さんにとても技巧が求めらる作品なのだとか。
それら諸々の理由から、こちらの作品は公演の機会そのものが稀。SSR級でございます!

また、「猩々乱」は舞が「双之舞」という2人(匹…?)の猩々で舞う特別演出となっていたり、狂言の「川上」はコメディ要素の強い狂言の中でも珍しいシリアス系の作品だったりと中々お目にかかれないレアな要素が目白押しでした。
ガチャでいうところの3枚引きみたいな。



そのようなワケでして、見所紹介どころか見所しかないのです。どこを切り取ればよろしいのやら。いやはやどこも切り取りたくありませぬ、叶うなら全部ご覧いただきたい。

しかしながら、そうは問屋が卸さない。ですから、せめて、せめて私が試供品となりまして、皆様に少しでも能楽鑑賞の魅力をお伝えできればと存じます。



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先述の通り、「大原御幸」という公演機会の稀な作品を観劇できたことはもちろん、作品の舞台となる寂光院を表現するための「大藁屋」といった「作り物」(舞台装置や大道具)を実際に観ることができ、どの場面もとても印象的でした。


ミュージカルを始めとする舞台では多くの場合、舞台装置や大道具が登場しますが、能楽においては基本的に能楽師さんの演技や観客の想像力こそが舞台を支える舞台装置です。その為、今回のような中に人が複数人も入ることのできる規模の「作り物」は初めて拝見いたしました。


造形といたしましては、竹製の小屋のようなもので屋根付近には植物のツタが表現された、中に台でも置けば夏祭りの屋台にできそうな感じでございました。私の悪しき例えと想像力で途端に俗っぽくなってしまいましたが、、舞台が展開されてゆく中で、その夏祭りの屋台はいつの間にやら「侘し気な空気と趣をもつ寂光院」へと姿を変え、そこに息づく尼たちと完璧に融合していたのです。


こちらの大藁屋は流派によっても違いがあるようで、観世流と金剛流の大藁屋は3人の尼が座することの出来る、ひときわ大きなものであるようです。今回観劇したのはまさにその観世流であり、幸運に幸運が重なったというワケです!

そして、この作品はツレやワキツレが複数人いるなど登場人物が多く、壮観であることに加え、法皇や女院の高貴な身の上に対する視覚的な説得力がハンパじゃありません。何よりも、建礼門院の纏う侘し気な美しさと、拍子に寄り添うような安定した語り。そうでありながらもそこかしこに滲む複雑な情感には目を奪われました。
この作品に終始流れる、厳かでどこか寂寞とした空気感は独特としか言いようがありません。
幾重にも丹念に細工された、繊細な硝子細工のような魅力が溢れていました。

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続いてもう1つのお能作品であった「猩々乱」では、この作品専用の真っ赤で個性的な面と振り乱れる赤髪に目が釘付けでした。加えて、絢爛且つ重厚そうな装束を纏う中での見事な足さばき!


そうなんです、「猩々」さんたちのコーディネート。私たちが想像するような一般的な着物ではなく、時代劇で将軍サマとかがお召しになっていそうな、めちゃくちゃ分厚くて重そうな袴を!お召しなのです!


私なら一歩目どころか、着る段階で転びますね。大袈裟だとお思い?なら文明の利器でググってみてくださいまし。……私の運動神経がアレなことは認めますが。
兎も角、そのような扮装での優雅な舞にただただ感服するばかりでした。波を思わせるしなやかな動きと、煌びやかな青海波模様の大口袴の組み合わせがとても素敵で、不思議と舞台が波打っているようにも見えてまいります。


さらには、「双之舞」ということで橋懸りの方でも舞ってくださる猩々さんがいまして、、脇正面から見ると大変な迫力でした。

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見所満載、もはや見所100%ではございますが、中でも個人的に印象深かったシーンは以上のものになります。
ところで、私の前回の鑑賞会についてのブログをご覧いただいた方はご存知かもしれませんが。。。
私、野村万作師が大ッ好きでございます。

そして今回の狂言はな、なんと・・・野村万作師と萬斎師の親子共演!!
はわ…むり尊い。

元々頼りない語彙力が全て溶けだす勢いです。日本文学科の矜持とは。
えぇ。これではいけません。日本文学科の矜持云々は私めには荷が重すぎますが、このような醜態では素晴らしい舞台に失礼です。


先程もちらとお話いたしましたように、喜劇色の強い狂言の中でも「川上」という作品は思わず考えさせられるような部分のある、ただ笑ってお終いにはできないような作品です。

簡単に申し上げますと、

【結婚以来、目の病によって盲目となってしまった夫がある日霊験あらたかなお地蔵様のところへ参詣する。眉唾かと思いきや意外とガチだったお地蔵様によってなんと目が見えるように!!…ん??でもなんか、不穏なこと言ってる?「今の奥さんとは悪縁だから別れないとまた目が見えなくなる」だって!??え、別れるしかないじゃん。】



※粗すぎるあらすじです、気になる方はきちんとお調べいただくことを推奨します



修羅場の香りしかしませんね。ですが、この作品の考えさせられる部分はそこではありません!!
「見えるようになった目」と「長年連れ添ってきた奥さんとの離縁」、そこで揺れる夫と妻の間で交わされる会話とそのラストシーンに垣間見える「情」と「価値観」は決して舞台上の他人事では済ませられないようなものがありました。それらの詳細はぜひとも皆様の目でお確かめください。



ちなみに、私たちが観劇させていただいた際のキャスティングは万作師が盲目の夫役、萬斎師が妻役でございました。
万作師演じる盲目の老人が用いていた「盲目杖」の杖遣いは、「釣狐」などの時よりも柔らかく、盲目の夫の弱弱しさが杖1つにも表現されているように感じました。

今回は、特に登場人物の多い能の後の公演だったため、途端に舞台の上がぽっかりと伽藍堂になったように感じたのですが、、その舞台上に生まれた余白的空間と盲目故のパントマイム的な動きが相まって、観劇している人の想像力をより一層掻き立てていたのです。詞章と呼ばれる脚本のようなものを事前に読んでいたのですが、その限りでは先程紹介させていただいたように些かシリアスな雰囲気の作品だと思っていました。


しかしながら、そのような作品の中でもコミカルな動きを駆使して笑いを引き出されていたのは万作師と萬斎師の技量そのものであり、観劇者たちの想像力そのものでもあるのでしょう。それと同時に、作品本来のしみじみと考えさせられるような重みも存在していたのですから、凄まじいバランス感覚です。


また、万作師らしい優しい高音と萬斎師のハリのあるお声が、夫婦のパワーバランスをよく表していて「まさに」という感想しか出てこないような演技でした。手を引かれて歩き出すラストシーンには、演者のお二人が実の親子であることからも感じ入るものが多く、本当にこれ以上ないほどのキャスティングでした。



つまり、分かりやすく言うと、「解釈一致!!!!!!!!!!!!!!!」ってことです。烏滸がましいですね。


本当に、こんなふざけたヤツが参加してて大丈夫だったのか…?と首をお捻りのアナタ!
私もそう思います!!!!

とはいえ・・・ね。あれです、他の参加者である先輩方が素晴らしい方ばかりでしたので、若干1名アカンのが混じってても、、だめですか、だめですね。すみませんでした。
そんな当日の様子はこのような感じでございます。






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さてはて、色々と申し上げてまいりましたが。ほんの少しでも貴方様のご興味に触れるものはございましたでしょうか。

まだ能楽堂に足を運ぶのも2度目という、素人も素人な拙い感想ではございましたが。。。

逆に考えてみてください、2回目のこのような小娘がここまで楽しんでいるのです。

芝居やら美術やら、芸術の理解には齢の助けが必要不可欠、というより齢が芸術の味わいを深めるのでしょう。経験や知識がさらなる感興を惹く。その広がりは、若人にはまだ遠く及ばぬほど大きく広い。
そのような気がいたします。

ですから、貴方様なら私などよりももっともっと楽しめるのかもしれません。
もちろん齢などただの一例です。そういった考えもできる、というだけで、そもそも芸術の楽しみ方は千差万別。


どうかこのブログをご覧になって、ほんの一匙、どれだけ僅かほどでも、心が揺れた瞬間があったのなら。能楽堂へ足を延ばしてみてほしい。
たったその揺らぎだけで、きっと舞台に向かう理由には十分なのです。

冴える冬

ブログをご覧の皆様、こんにちは。毎度毎度ブログが長~~~い女、まどかです🐧

いつの日か端的にスッキリと纏まった、スタイリッシュブログを書けるように・・・とは夢見ておりますが、、

本日の まどかは 本気で 推しの布教 をするつもりだ!

読者は どうする?

▷戦う

▷通報する

逃げる



いやいやいや、後生ですから。どうか私めのアツすぎる、鬱陶しい戯言にお耳をお貸しくださいませ。

当然、推しの布教だなんて、言葉が溢れて止まるはずもありません。私の私による私のためだけのブログスタイリッシュ計画はひとまず保留です。

あ、そういえば。アニメ「黒執事」が先週から始まりまして、もうこれが神作画極まれり。葬儀屋さんの登場が待ちきれません。

って。これがいけないのか。
空気中に舞うホコリのように、目さえ凝らしゃぁ幾らでも見つかるモンをひょいひょい捕まえては勝手に話し始める。そりゃ本題になんて入る道理がない。
言ってる間にももうホラ。次のホコリを目で追ってるンだからいけない。サッサとしなければ。



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さてはて、本題。皆様方、ブログ部員のプロフィール欄をご覧になったことはございますか?

スマホでご覧の方ならブログの最後に、PCでご覧の方ならブログの最初(タイトルの左横)にある各部員の名前表示をタップするなどの方法で見ることができるのですが…

登録していたり、していなかったり、部員さんたちそれぞれの使い方をされています。

もしよろしければ、お試しついでに私めのものを押してみてくださいませ。さすればほら。私めが推し返しますから。
推しの情報の押し売り、何ともハタ迷惑な 推し売り を くりだした!


おっと失礼。流石に不作法が過ぎました。

布教は計り売りで。



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全く、こんな纏まりのない長々とした文をお読みいただくだけでもお手数だと言いますのに、「プロフィールを見て😊」だなんてTwitter(現X)の真似事までさせてしまいました。
素直にタップしてくださったお方、ありがとうございます。ワンクリック詐欺とかに気をつけてくださいね。


とはいえ、本日ご紹介いたしますスマホゲームも件のプロフィールに書いてございまして…

その名も、「A3!」(エースリー)!! (act! addict! actors! 3つのAで「A3!」)


【演劇の聖地とされる街で、ひょんなことから潰れかけの劇団の「監督」となったプレイヤーが、再起をかけて個性豊かな「劇団員」たちと奮闘するノベルゲームです】


公式には「イケメン役者育成ゲーム」とされていて、カードを育成したりイベントを走ったりすることもできます。
ですが!こちらのゲームには他のゲーム作品と一味違うポイントがございます!!

ズバリそれは「乙女ゲーム」(恋愛ゲーム)ではないということです!つまり、どういうことか。
具体的に申し上げますと、こちらのゲームにはまず「選択肢」という概念がございません。各キャラの「好感度パラメータ」なども以ての外。プレイヤーである「カントクさん」はただひたすらに劇団員たちの奮闘を見守ります。時には背中を押すこともありますが、それらに必要な動作は一切ありません。


私達プレイヤーが監督になるのは「MANKAIカンパニー」という劇団。
花をモチーフとした個性豊かな24人の劇団員たちが「春組」「夏組」「秋組」「冬組」の4チームに分かれて数多の物語を紡いでいくのです。

その中でも春組に所属する「碓氷真澄」(うすいますみ)君というキャラクターがいるのですが、彼は【カントクさんに一目惚れをしてカントクさんに惚れてもらう為だけに入団した】超一途(重い)なイケメンです。そんな彼は、事あるごとにカントクさんにプロポーズをし、GPSをつけようとし、勝手に挙式の算段をたてるというヤンデレ一途っぷり。しかし、対するカントクさんはというと・・・それら全てを躱す躱す。何を言われてもどこ吹く風。恐るべきスルースキルをお持ちです。

他にも幼い頃から付き合いのある団員がいたり、諸事情あって監禁してくる団員がいたりするのですが、、

本当に、恐ろしいほど、何もない!
「カントクさん」はあまりにも逞しい恋愛フラグクラッシャーです。
一周回って慰めてあげたくなるほどの暖簾に腕押し状態。このあたりの攻防も面白い。

さあ、そんなカントクさんの元に集う劇団員はいったいどんなキャラなのか。それではお手元の資料をご覧ください。(独断と偏見で作成しました!!!)

いかがでしょう。私めの本気具合がほんの少しでも伝わりましたでしょうか。
拙いイラストでお目汚し失礼いたしますが、公式のお写真を載せるワケにはいきませぬ故、気になるキャラクターがいましたらぜひとも検索してみてください。そのための平仮名表記です。


さてお手元の資料にございます、24人の団員が4チームに分かれて様々な舞台を創り上げてゆきます。それだけではなく、一人一人のキャラクターが細部まで作りこまれており、涙なしには見られないものも…!

乙女ゲームのようにルート分岐もなく、リズムゲームのようにゲーム性もない。
それなのに、なぜ愛されるのか。

ただ読むだけの「ノベルゲーム」というのは近年かなり珍しくなってきています。しかしながら、A3!にはそれ以上の、ただの文章が持つ以上の、人の心を揺さぶる感動があるのです。

そこにある「ストーリー」だけで勝負している。

だからこそ、メインシナリオは最初から全て「無条件解放」です!!1日に読める話数の制限もない。読む順序も自由。しかもフルボイス!!!

イベランや育成要素もありますが、メインシナリオには一切!関係ありません!
極端に言えば全くやらなくても問題は無いのです。そこがもう一つ、このゲームの良いところでして。

イベランや育成がお好きな方はそれもできます。リズムゲームのようなタップゲームや、シューティングゲームなどのゲーム性が欲しければ、「ミニゲーム」という機能から遊ぶことができます。恋愛要素がどうしても欲しければ、メインシナリオからは独立している、各キャラクターのカードストーリーから微量の供給を受けることもできます。とにかくどんなことも各カントクさんのプレイング次第!



そして何より、ガチャが渋くない!!!優しい世界・・・
私めの爆死話はまたの機会にするとして、とにかく物欲センサーと懇ろな関係性なのですが…そんな私でも狙ったキャラのカードは今のところ殆ど引けています。天井もちゃんとありますが、そもそも天井まで行くのが稀なくらいです。(逝くときは逝く)
しかも最近のアップデートで初心者さんにさらに優しくなりまして、メインシナリオを読み終えるごとに1枚ずつ「指名スカウト」が可能になりました。選んだキャラがその場でそのままお迎え出来ちゃいます!!!ありがとう運営様!!!
現在、その方法で3枚までスカウトできます。先程も申し上げました通り、所持カードはメインシナリオには無関係なのですが、そうは言っても推しのカード(しかもSSRスチル)は嬉しい。

この特典は期間限定のものではありませんので、皆様のタイミングでもしよろしければインストールしてみてください!



新たな「カントクさん」が誕生することを願って。

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ここからは現地のオタクのお時間です!!!

先述の通り、A3!は「演劇」がモチーフの作品。そうと決まれば、当然あるのです。そう、「2.5次元ミュージカル」の存在が!!
ゲームの中で劇団員たちが上演していた劇を実際に観られるのです…!最初はゲーム内で、文字で追っていたあの舞台が、現実の世界で観られることの感動はA3!ならではでしょう。

エースリーのステージ版ということで舞台版は通称「エーステ」。基本的には年に4回、ゲームシナリオの通りに各組が順番で公演をしてくださいます。
今回私は「冬組」の公演を観劇して参りました!




私めの推しは「秋組」でございますが、「冬組」の推しはお写真にも写っている「ガイ」さんでして・・・
何よりもガイさん役の「輝馬」さんが大好き!!!

歌唱も殺陣も泣いてしまいそうなくらい素敵でした。(てか泣いた)


そして客降り(哀れな天空民のために2階席や3階席までキャストさんが来てくれる慈悲のこと)では「有栖川誉」さん役の「田中涼星」さんが近くに来てくださいました!
私めの正直な感想。「顔ちっっっさ」

ハイ。もう最高です。体感3秒でございました。



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ゲームの世界の、仮想で、朧げな存在。舞台の公演だって、バイトを必死にやってやっといける1公演、自分にとって紛れもなく1回きりの公演。それでも、その一瞬に溢れる熱量が、肺を鷲掴みにされているような息の詰まりが、忘れられない。
「推し」という存在の在り方は、今の時代途方もなく多様で千差万別。でも、何かに夢中になる感覚の悪魔的な魅力には覚えがある方も多いのではないでしょうか。
当然、行き過ぎはよくありませんが、、、もし「推し」を募集中の方や「舞台」が好きという方がいましたら是非とも「MANKAIカンパニー」の彼らに会いにいってみてくださいね!


⋯⋯息吹く春も、煌めく夏も、燃える秋も、冴える冬も、ずっとこの場所で🌸🌻🍁❄⋯⋯


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あー…。ブログスタイリッシュ計画とか言っていたのは何方でしょうね???
お疲れ様です。本当にお疲れ様でございます。ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。


ご覧の有り様でして、私という人間は「好きだ!」と思った感情を伝えずにはおれません。ですから、自照性もなく、文学性もなく、ただただ布教するようなブログになってしまうことが多いのです。

その証拠に、ブログ部員の顔合わせではさる御方(先輩)にいきなり「好きです!!!!」と告白を始めました。誰かコイツをつまみ出した方がいいやもしれません。ブログ部の安全が脅かされてます。
しかしながら、ブログ部員の方々は誠にお優しい方ばかりで、なんとその先輩のお方はついこの前のブログでお返事(拡大解釈)を!!くださったのです!!!

念のために状況をご説明いたしますと、実は私めはブログ部入会以前よりこちらのブログを愛読しておりました。本当に皆様、言葉がイキイキと踊り、それでいてユーモラスなおしゃれさとお写真のセンス、そのどれもが素敵で思わず心を奪われてしまうような記事ばかりです。中でも私めはその先輩のブログに首ったけでございまして(猪口才にも程がある)、、初対面だというのに恥も遠慮もなく全力で愛を叫びました。
あぁぁぁ…その節は本当に申し訳ございませんでした…。そしていつも先輩が紡がれる、言葉の一人一人が楽しそうな、文字の連綿に、毎秒恋に落ちている限界オタクな後輩なんぞにお言葉をくださったこと何とお礼を申し上げればよいのでしょう。取り敢えずAEDがいくつか必要そうです。一片の悔いなし、ありがとうございました。


・・・。これで私の一方的な勘違いだったら私はどうしたらよいのでしょう。
いくら厚顔無恥傍若無人クレイジー女とはいえ、恥のあまり半年くらいは閉じこもりそうです。

アルバイトお疲れ様でございます。体調にはくれぐれもお気を付けください。