バレエのドクターストップが解除されて、やっとバレエを見ても楽しく見れるようになったので新国のライモンダを見てきました!
新国は、U24でいただける席がとっても見やすくて大学帰りにも寄りやすくて、なによりも踊りが好みです。前回オペラパレスに行ったのは東バの『KABUKI』かな、ちょっと久しぶりです。そもそもバレエがドクターストップになってからかなりバレエを見ると精神的によくなかったので、バレエすらくるみぶりという感じだったのですが。
ライモンダ、三大バレエでもないしバレエ知らない人はほとんど知らない演目だと思います。そもそも日本ではあまり上演されず、コンクールでバリエーションばかりが踊られる作品です。なんてったって主役のライモンダは全然毛色の違うバリエーションを作中で5回も踊ります。
バレエは基本的にお伽話が多くて、妖精とかお姫様とかがメインキャラクターです。眠れる森の美女とか白鳥の湖とかシンデレラとか。有名なものは特に。人間が人間のまま出てくるのは海賊、ラ・バヤデール、ドン・キホーテ(でもこれも二幕は森の中のプリンセスに変身するので微妙)ライモンダとかになるんでしょうか。いやまあ、ライモンダもプリンセスなんだけどさ…
てなわけで、時間とチケットがある全幕レア演目ということで行ってきました。今まで全幕を見たことはなかったのですが、中世の陽キャプリンセスの話かつ人間臭くて、一番お気に入りのバレエになるという事態。自分でもびっくり。
ライモンダの具体的な年齢は明らかになっていないのですが、これから結婚する相手が戦地に赴き、ライモンダが彼氏のことを夢見るのが一幕です。最近コンクール衣装が作品とかけ離れて夢かわ♡になりつつある夢の場のバリエーションも一幕で踊られます。まー、この一幕でも女友達とその彼氏と仲良くしててさ、両親からも寵愛されてさ、イケメン彼氏がいてさ、彼女自身もまっすぐでさ、可愛げもあるのにしっかりしてそうでさ、完璧じゃん…と中世のお姫様相手に私は負けを悟りました。多分19歳ぐらいから22歳ぐらいかなと見ていて思いました、同世代ですね。
二幕はライモンダを狙う地元の有力者(アンドレ2世)に求婚されて、嫌がっていたら彼氏(ジャン・ド・ブリエンヌ)が返ってきて、取っ組み合いになった彼氏が、結局有力者を殺しちゃって、その事実にびっくりして、盲目的に信じていた彼氏と本当に結婚していいんだろうか…みたいになるライモンダが魅力的です。バレエの中のヒロインは基本的に本当にキャラが弱いというか、プロットの中にあるキャラクターの感情が単一的で、それはもちろんお伽話だから否定する気はないし、台詞の無い舞踊劇がバレエなので、設定が細かくしすぎても伝わりにくいものになるし、それでいいとは思っているのですが、やっぱり人間の物語はそれなりに矛盾した感情を持っているようなことがあっても良いのではないかと思うんですよね~。ライモンダはその点、ライモンダの中の揺らぎが描かれていて、台詞なくともその様子が伝わってきてすごく良かったです。柴山さんのライモンダからは、可憐さと優美さを兼ね備えつつも、まだ大人の重厚さみたいなものは完成しきっていない大人になる途中のライモンダが結婚というイベントを通して大人になる覚悟を持つ、というのが強く伝わってきました。バレエでこんなシーンが見れると思ってなくて、かなり雷に打たれた感!!
二幕全体としては、アラブチックな世界が広がっているのも特徴だと思います。様々な踊りが繰り広げられてエネルギッシュなものが多く、とても楽しく見れます。私は特にスペインの踊りが好きです。ゆったりと気品ある音の中にエネルギーがこもっていて、衣装も素敵で、スカートの翻しが綺麗になるような振付が生きていることが多くて、素敵だ!!となります。そして、ライモンダは二幕でも友人たちに囲まれて、みんなに愛されているのがよく伝わってきて、いい奴なんだろうな~などと思ったりしました。
あとは、彼氏が帰ってきたときに、彼氏の登場が今回は白い衣装でマントの動きが綺麗だったことも相まり、王子~~!!となりました。マジで王子。なんだあの登場。ずるいだろ井澤王子…
三幕はライモンダとブリエンヌの結婚式の場面で、華やかで気品たっぷりなのが素敵です。有名でよく上演されるグラン・パ・クラシックも三幕の中です。
三幕のライモンダのバリエーションは、重厚感たっぷりに、そこだけ見るとライモンダってめちゃくちゃ大人なんだな~という解釈を持つ踊り方をする人が多い踊りだといままで思っていました。音も振付もかなり大人っぽくて、落ち着いているので、その解釈を持つように踊るのも納得していました。バレエの真ん中の三幕の踊りにしてはあんまり笑わないし。
今回初めて全幕で見てみると、ライモンダの大人になる決意のような、少女時代に別れを告げるような踊りだと感じて、もっと軽やかに、少女が思う大人の女性像を表現するのが一番近いのかなと思いました。柴山さんのこのバリエーションの表現が本当に理想的だなと思いました。5回もあるバリエーション、一幕の夢の場だけが少し時間軸がまた違うものですが、残りの四つはライモンダという1人の少女の成長過程が描かれているのではないかと思いました。
すっかり虜になった私は、ライモンダ踊るまではバレエやめません宣言を先生にしてしまったので、時間を縫ってちゃんとレッスンに通いたいとおもいます…
ライモンダ、グラズノフの音楽も、今回のロイヤルブルーが基調の衣装も本当によかった!!!
東西問わず、私は中世の女性がかなり好きなのでは…と授業をたくさん受ける色んなものを見る中で最近思い始めました。ライモンダも中世の女性!!強くて華やかさも感じさせる中世の女性たち。本当に中世の女性がいろんなことに直向きに色んなことに向き合っていたことを知るたびにキラキラしてるな~って思います。仕事も生活も、愚痴をこぼしながら、時に不安でいっぱいになりながら、プライドも出しながら、自分らしさを垣間見させながら文章には素直な感じなのが愛おしくて、ありがとう文学…。前期の授業は女性文学ばかりで、女性文学やっぱ面白いな!?となっていて、谷崎…と言いまくっていた高校の頃の私はどこに…。あとは最近、観劇しかしてない生活で良いのかと悶々と(なんかみんなガクチカとか言ってるし)してたら、エンタメ好きすぎてサードプレイスにして、まとまめたら後世に大感謝されるごっしーを知って、エンタメオタク、胸を張って生きようと思えました。
最近おいしかったおやつは虎屋の珈琲羊羹で、聞いている曲はラヴェルのピアノ協奏曲2楽章です。
では。