こんにちは、あかりです。今日は最近読み終わった本の話をしようと思います。実を言うと、今回はゴールデンウィークにディズニーランドに行った話をする予定だったのですが、当日園内が暑すぎてスマホの温度が40℃くらいになっちゃいまして…、とてもじゃありませんが、ブログに上げれそうな写真がシンデレラ城くらいしか撮れてないのです。5月なのにスマホが40℃とかどういうこと?とまあ、過ぎたことをグチグチ言っても仕方ないので、急遽グダグダ読書感想文に変更しました。
本のタイトルは『姑獲鳥の夏』、作者は鈍器本で有名な京極夏彦です。「姑獲鳥」は「うぶめ」と読みます。初見じゃとても読めませんよね。フリガナがないと無理。私も最初これを見て頭の中が疑問符まみれになってました。姑獲鳥は子供をさらう妖怪のことで、作中では「<お産で死んだ女の無念>という概念を形にしたもの」とされています。
京極夏彦が大好きな母が本を持っていて何年か前に勧められて読んだのですが、その時はものの見事に挫折しました。それ以来ずっと私の部屋の本棚の片隅にいたのですが、なぜか最近になって本が可哀そうになってきたので「もう一回読んでみようかな」と思ってちまちま読み進め、何とか先日読了しました。結論から言うとすごく面白かったです。が、長かった…ボリューミーだった…。それでも母曰く「京極夏彦の本の中ではレベル0.5」だそうで。多分私は図書館に行っても京極夏彦だけはこの先借りられない気がします。
以下、『姑獲鳥の夏』の感想になります。なるべくネタバレには配慮したつもりですが、それでも怖い人は閉じてください。
とは言ったものの、この小説、私の語彙力が乏しいせいか言語化が難しいのです。ジャンルとしてはミステリーで合ってると思います、多分。ミステリー要素の妖怪小説?妖怪が出てくるミステリー小説?まあなんかそんな感じの本です。気になる方は実際に読んでください、絶対にその方が早いから。私のグダグダな説明とか感想読むよりも遥かに良いから。なんて言ったらこの投稿の存在意義が危うくなってしまいますが、とにかくそういうことなので作品の詳細知りたい方はブログ読んだ後本屋か図書館行って読んでみてください。読めばわかります。
時代は終戦から数年後の昭和、舞台は悪い噂が絶えない家系が営む病院、久遠寺医院。関口巽が二十か月もの間子どもを身ごもっている女性の噂を学生の頃からの友人、中禅寺秋彦(通称京極堂)に話したことをきっかけに、彼は同じく学生時代の友人で探偵の榎木津礼次郎と京極堂の妹である中禅寺敦子の三人で噂の女性がいる病院へ失踪事件の調査として向かうことになります。二十か月妊娠している女性の名前は久遠寺梗子、院長と事務長の娘です。失踪したのは梗子の夫であり関口らと同じ学校に通っていた久遠寺牧朗、旧姓藤野(以下藤牧)。梗子の姉、涼子の話によると「密室から一晩で姿を消してしまった」とのこと。三人は病院内を涼子に案内してもらいながら、院長や事務長など事件の関係者に話を聞いて回りますが、解決の糸口は見えてきません。最後に、藤牧が消えたという書斎に入りますが、そこで榎木津は血相を変えて病院から出て行ってしまいます。関口には何が何だかわかりません。京極堂曰く、「他人の記憶が見える」榎木津に見えたものとは一体…?刑事木場シュウを新たに仲間に加え、関口と京極堂は事件解決のため再び久遠寺医院を訪れます。
というのが、私なりにまとめたあらすじになるのですが、まあ長い長い。だいぶあちこち端折ったのですが…。私のまとめ方が下手くそなのでしょうか。
大まかな内容だけでこんなに長いのに母曰くレベル0.5。京極夏彦の本は恐ろしいですね。面白いんですけど。普段あまりミステリーを読まない私でも本の世界にぐいぐい引き込まれてしまいました。
偏見かもしれませんが、大体ミステリって有能な探偵と無能な刑事が出てきて、頓珍漢なことばっかり喋る刑事をガン無視して探偵が華麗な推理を披露するじゃないですか。榎木津(以下エノさん)、全く推理しないんですよ。何なら書斎入ったとたん一人だけ全部真相わかっちゃって、それでビビり散らかしてご退場。木場刑事にバトンタッチして、あとはもう終盤になるまで名前しか出てきません。もうここで私「はい?」ってなっちゃいまして。え、探偵リタイアしたんだけど。ていうかこれ私の知ってる探偵じゃない。なんかわかったんなら説明してくれ、勝手に帰るのやめて。書斎がヤバいってことしかわからないんだけど。これがエノさん視点で話が進んだら秒で謎がとけたのですが、視点人物が関口なものだからだいぶ話の尺があるのに終盤の終盤になるまで答え合わせができなくて、少しじれったかったです。その分、私も頭の中で色々推理する時間が持てましたが。まあ何にもわからなかったのですが。所詮私も関口レベルだったということでしょうか。
ではエノさんの代わりに解説するのは誰なのか。京極堂です。性格に難ありの知識人が全部まとめて説明してくれます。「人を馬鹿にしたような目つき」とか「偏屈」とか「不健康で不機嫌そうな表情」など、関口からはボコボコに評されている京極堂ですが、大変な読書家でめちゃめちゃインテリ。関口と京極堂が議論を始めれば、たいていの場合京極堂が勝ちます。性格は悪いですが。でもそこが魅力。ドラマとかでもいるじゃないですか、見てる分には面白くて大好きだけど、絶対自分の周囲にはいてほしくないキャラクター。京極堂はまさにそんな感じで、『姑獲鳥の夏』の中ではエノさんと同じくらい好きなキャラクターです。さっきはエノさんに対して割と酷い書き方をしてた私なので、今一つ愛が伝わらないかもしれませんがいいキャラですよエノさん。ちゃんとかっこいいところもあります。あと多分イケメンです。ここ大事。
事件も結局解決にもっていったのは京極堂で、京極堂とエノさんがいればこの謎は、大体なんとかなります。と、ここまで言うと関口は何のためにいるんだ、ってなりますよね。意外と大事でしたよ関口君の存在。大事すぎて盛大なネタバレになるのでここでは書きませんが。でも彼も最後はかっこよく決めてくれます。
それと最初に話したように、この作品、妖怪小説の要素もあるんです。だからただのミステリじゃなくて、そこもとても面白かったです。時代設定は割と現代よりなのに、呪いとか霊とかそういう話が出てきて、小説の不気味さが増してるんです。ミステリと妖怪なんて合うの?全然違う要素混ぜたらごっちゃになって喧嘩しない?なんて初めは思ったんですけど、絶妙な具合にかみ合ってて、しかも妖怪とかの要素も含めてちゃんと最後には事件の全貌が明らかになるんです。タイトルにある姑獲鳥もちゃんと出てきます。なんならめっちゃ重要なポイントです。キーワードです。題名になるくらいですから、当たり前といえば当たり前なのですが、途中まで普通にミステリーだったために頭からスポンと抜け落ちた者がここに約一名おりますので、念のため。
さて、ここまで思いつくままに感想をだらだら書いてきましたが、気づけばかなりの文章量になっていたので、今回はこの辺で終わろうと思います。他にも書きたいことはたくさんありますが、これ以上書くと長くなりすぎる気がするのでやめときます。何より眠いのでもう書きません(現在夜の11時過ぎ)。次の日一限だし。疲れたので誤字・脱字の見直しもしません。
さて、グダグダ読書感想文はこれにて終了!興味を持った方はこれを機に是非『姑獲鳥の夏』読んでみてください。これが興味関心を引けるような文章だったかと言われると甚だ疑問ですが。
それではまた次回お会いしましょう。