お久しぶりです、まなみです。
先日、卒論を提出しました〜🥳やった〜‼️出せて良かった〜‼️
私は『花みつ』という作品について卒論を書いたのですが、この作品はすごい魅力的でまだまだ語り足りない!
ので今回のブログでは『花みつ』の萌え語りをします😔
魅力について語る中で、従来は〜だとかこういう型があるって言い方をすると思いますが、そこはあまり間に受けないでもらえるとうれしいです🤷私なりの解釈7割なので正しくないかも!気になったら調べてみて下さい😄‼️
ここがサイコー!って話すには色んな前提を説明する必要があるんだな…このブログ書くのむずくね?
怪文書なので睡眠導入とかに使ってください!必要そうな情報は以下の画像にまとめました😘
本作のいいところ!
1つ目 稚児が二人出てくるところ❗️
かわいい〜🤤以上です。嘘です。
花みつくんと月みつくんっていう、モチーフがはっきりとした兄弟出てくる時点でだいぶ良いですよねかわいいね
2人は最初2人とも可愛くて優しい子‼️と寺で評判で死ぬほどチヤホヤされます。まるでニコイチ🍒みたいなノリなのに、2人は全く違う運命を辿るんですよね…。
花みつくんは申し子であり兄であるため、その優位性は確実なのに、最終的に幸福を手にすることもなく、この世に未練を残して死んでしまいます。一方で月みつくんは、花みつくんの死がきっかけとなり、正しい道(仏道)へと導かれていきます。
ですが、花みつくんが岡部から愛想をつかされたかもしれない…って不安を吐露するのは月みつくんなんですよね、継子いじめが生じているのに実子と継子は良い関係を築けているのも本作の面白い点であると思います。
2つ目 テンプレートからの逸脱❗️
花みつくんは申し子として誕生し、継子いじめを受けます。申し子説話、継子物のテンプレートに則るならば、花みつくんはその聖性から、継子いじめ等の困難を跳ね除け、神仏の加護を受けて幸せになるはずなんですよね😞
なのに花みつくんは継子いじめをきっかけに、自分は誰からも愛されていない!と勘違いして死を決意してしまいます。
読者としてもえ〜?!申し子なのに!?!幸せにならないの!?!?とヤキモキします…。でも、花みつが申し子だからって都合良く幸せになったり、継子いじめが幸福への伏線とされないのはすごくリアルな展開だと思います。
今までの作品が作ってきた道筋通りにいかないからこそ、読者を引き込み、まるで自分のことのようにドキドキする作品!だな〜…🥶
稚児物は僧と稚児の恋愛を描く話が多い!です。本作でも僧が稚児に想いを寄せている様子は描かれていますが、主題はそこじゃないって言うか、僧対稚児の一対一の関係というより、花みつくんを中心に家族も僧坊の人々も巻き込んで展開していく、家族ドラマ?のような面が強いです!
また今までの稚児物では、稚児が僧との恋愛に思い悩んで死んでも、実はその稚児は僧に発心させるために観音が変化してたんだよ❗️って言われたりしてきました。でも本作では花みつくんは神仏と語られることなく、普通に死んでしまいます。
これが本当にすごく面白いなーと思ってて!本当に後味が悪い!
今までは死んじゃっても観音が仏教布教するために変身してたのか〜!とか言われてたのに、僧が愛さなかったから死んじゃうってオチはテンプレートを抜け出して、現実的な視点?で作品を描いてていいなーって思ってます。
3つ目 稚児らしくない稚児としての花みつ❗️
花みつくんは、誰も愛してくれないからもう無理死んじゃお…って思った時に、自分を慕っていた大夫と侍従に月みつの殺害を頼む(が、月光になりすまして代わりに殺される)のですが、すっごくいじらしくて好きです。
この計画を聞いた時、大夫と侍従がマジか…と思って何も言えないでいると、花みつは自害することをチラつかせます。すると大夫と侍従はどっちの稚児も大事だけど…花みつを失うのはさぁ…と思ってこの計画に加担することになります。
花みつくんは2人の愛情を試そうとして、月みつの殺害を頼んだのではないかと考えています。他の宗徒みたいに、贈り物の量や質で気持ちが写り変わらなかった2人を信頼していたものの、自分が死んだら変わっちゃうんじゃないか?っていう不安があったから、月みつと自分のどっちを選ぶの?🥺って選択を迫ったのだと思います。でも、2人なら絶対に自分を選んでくれるって言う自信があったからこそ、この2人に月みつ(己)の殺害を頼んだんじゃないですかね?
大夫と侍従が花みつを殺すことで、花みつと大夫・侍従の両思いが成り立つの、良いよな〜〜〜花みつの死は2人の「真の愛情」が導いた悲劇である、の良〜かわいいね
あと花みつが月の綺麗な晩に死ぬのは、月というモチーフを月みつから奪いたかったからじゃないかなと思ってます。
花みつは花、月みつは月というモチーフがあるので、僧坊の人々は美しい月を見たら月みつくんのことを思い出したんじゃないでしょうか。ですが、花みつくんが月の綺麗な夜に死んだら、月は花みつの死を連想させるモチーフになると思います。これもまたいいよな〜〜〜🌝
花みつは死ぬ前にみんなに歌と手紙を残します。別当への手紙では、今まで自分を大切に育ててくれた別当に対し、老後の世話や死後の弔いをすることなく、先に死んでしまうことを詫びているんですけど、歌では、自分が生きている間に愛してくれなかったことへの恨み言、それでも暫くしたら自分を忘れて、月みつを可愛がるのだろうという、簡単に移り変わる気持ちを非難してるんですよね😣
大夫と侍従への手紙では、自分を殺させたことに触れ、後の世を頼んでいて、歌では、月を見て自分を思い出してほしいということ、月みつより自分を大切にしてくれるのか、二人の気持ちが知りたいという気持ちを表し、死後も自分の存在を忘れないで欲しいという気持ちを表していました。
月みつへの手紙では、唯一の兄弟が死んだら思い悩んでしまうだろうと月みつを心配する一方歌では、自分が死んだら皆の愛情を独占できて羨ましいという恨み言を言っていました。
岡部には歌だけを遺しており、自分が死んでも誰も悲しまないだろうと、自分に関心を失った岡部への恨み言を残しました。
真逆とも言える感情ですけどどっちも本当の花みつの感情なんだと思います。
最初は顔も性格も美しい稚児として登場した花みつが周囲の人々の心変わりに翻弄されて、醜い心を起こしていくのいいな〜
稚児物らしくない稚児である点が魅力だとしましたが、今までの稚児物で稚児に付与されてきた聖性が花みつには付与されていないんですよね!むしろ、人間味のある感情をめっちゃ残して死んでいきます。
この花みつくんのいじらしさだとか人間らしさが大好きなんですけど、「稚児物」という視点では僧に都合が良かった稚児の造型が崩された新しい稚児物だと言えるんじゃないでしょ〜か!🤓
4つ目 花みつと月みつの関係❗️
本作の特徴として、心理描写に長けている点が挙げられます。花みつが醜い心を起こすまでの過程は勿論、岡部と別当の気持ちのすれ違いだったり、大夫と侍従が花みつと月みつを天秤にかける様子も丁寧に描きます。しかし月みつはあんまり何考えてるか分かんないんですよね〜!
月みつは、大夫と侍従が自分を殺そうとしてたと知っても、「花みつと自分を比べたら花みつを選ぶのは道理が通っている」と言ったり、2人が自害しようとすると出家する様に諭していました。
そして、花みつが自分に恨み言を残そうとも、自分が辿る運命への不満を口にしません。月みつくんは花みつと対照的な性格をしています。
花みつが「情」によって人々を発心させるのに対して、月みつは「道理」で発心させるという役割を担っていたために、月みつが感情を露わにする場面は少ないのかもしれませんね!(まとめサイト?)そういう意味で2人で1人の稚児、なのかもな〜〜👯♂️
好きなところ今思い浮かぶのは以上で〜す🙃全然日本語じゃないかも‼️卒論書き終え記念だから許してください🥲
この作品は、どんな理由でも仏教に励むようになったの偉いね〜みたいな終わり方なんですけど、愛を見失って死んだ花みつくんが、周囲の人々の心に自分の存在を刻みつけて出家までさせたというオチってすごく、綺麗だと思いませんか❓仏教の有難さを説いてるものの、執念とか未練に塗れた花みつくんが救われる終わり方でもあるのすごい良くできてるな〜〜
『花みつ』は張り巡らされてる伏線を見つけるのが大変なんですけど、そのどれもが綺麗に回収されるから何回読んでも面白い😪‼️
私が一番初めに好きになった稚児物は『古今著聞集』の「仁和寺覚性法親王の寵童千手・三河の事」って話でした。この話も稚児が2人出てくるんですけど、そっちは稚児⇄僧⇄稚児で、片方の稚児がもう自分のこと好きじゃないんでしょ❗️って出家しちゃう話だったと思います。この話から稚児物に興味を持って、僧に相手にされなくなった稚児が未練がましく死んでそうに自分の存在を刻みつけるという話で卒論書いたの、超いいな〜と思ってます‼️
こんなにツボな作品に出会えて、1年かけて読み込めて良かった〜‼️すごく楽しかった‼️
明日はクリスマスイブですね🎄25日はめちゃ寒いって聞いたので、気温に気をつけて楽しいクリスマスを過ごして下さい🎅
それでは〜❄️