日本文学科を選び、そして近代文学を選ぶ

皆様こんにちは、今日もつーんと冷えますね。風邪予防のマスクすら防寒具のように思えてきました。
気がつけば師走。私はどうやら大学生という身分をもう3年分も走ってきてしまったようです。


3年生となれば次に来るのは4年生。4年生となれば卒業論文……捻り一つない、けれど効果はバツグンのマジカルバナナが完成しました。胃がキリリ、ギリリッリリ……リ。
そう。弊学の日本文学科は2年生のうちに卒業研究のためのゼミ所属アンケートを行い、3年生からゼミに所属。同じゼミを選んだ4年生の先輩方のお背中を拝見しながら少しずつ自らの卒業研究を練り上げていくのです。なんて計画的なご利用システム。安心ですねぇ、、安心なはずだったのに安心と逸れてしまったような、一面の銀世界という風情のPC画面と向き合っているのは何故なのでしょう。
顔色も PC画面も 冬景色。おお情けなや、わたくし。


Q.これほど懇切丁寧に誂えられた履修システムのレールの上にいながら立ち往生している原因を答えよ
A.怠惰


うん。問うまでもなかった。そうだよ、サボってるのは君だねぇ。
こんな風に一問一答で答えが出せればまだ良いのですが、研究……殊に文学の研究となるとそうもいきません。自分で疑問点を見つけて、自分なりにアプローチをして、けれどその先で皆から頷いてもらえるような結論を導き出す。答えは一つなんかじゃない、問いもそう。広々と自由なので迷子の定義すらムツカシイのです。

そういう時こそ初心に帰るのが大切。
私、そういえば何故日本文学科へ来たのでしょう。




***



師走、となれば年末も目前。帰省のシーズンです。帰省といえば「ふるさと」。皆様は帰りたくなる「ふるさと」の景色がおありでしょうか?私はあります。



その「ふるさと」はちょっと褪せた色合いで、触れると乾いた音がする。雨の日は独特の香りが立つ。
それは私の手のひらに広がっている。

私の「ふるさと」はとある1冊の本だ。いつでもそのインクの世界に帰りたくなる。




えぇ、もちろんふざけてなどおりません。せっかくです。昔話を、させてください。
私は幼い頃から何度も何度も住所が変わる子でした。物覚えが悪くて、覚えたての平仮名も全部鏡文字になってしまうような少女は、自分の住んでいる街の名前すら覚えられないまま。引っ越しのトラックがいつも青色だったことだけを覚えていました。

昔馴染みの街も、幼馴染なんて存在もてんで分からない。誰とどこで知り合ったとていずれ会えなくなるのですから、新しい友達を作ることにも草臥れてしまっていたのでしょう。もしくは致命的に社交性がなかったか。

けれど、オセロもチェスもいつしか自分と対戦することが上手になってきていたし、何より、もっともっと素敵なお友達にも出会えたのがその頃でしたでしょうか。
絵本が大好きだった私は、新しい街で真っ先に図書館の場所だけは覚えていたのです。
その日はなぜか絵本ではなくて何だかもっと大人っぽいものを読んでみたくなって必死に必死にあの頃の少女でも読めるものを探して……そうして出会った奇跡みたいな詩を私は生涯忘れない。

平仮名と長音がこだまして、ハラハラと手のひらに降り注ぐような、寂しい優しい綺麗な詩。
読めない漢字は全部吹き飛ばして、その平仮名の楽譜を幾度となくなぞりました。




それでもまた別れはやってくる。図書館の受付のお姉さんにも、○○ちゃん、なんて名前を近頃呼んでもらえるようになったのに。




気が付けば私はまた、知らない街に立っていた。
歩きなれない図書館を迷宮に挑む勇者の心地で突き進む。「あっ!!」私は初めて図書館で叫んだ。隅っこの一段と埃臭い本棚にその見知った背表紙はいた。真っ直ぐにこちらを見つめていた。
そうだ、私はこの日、人生で初めて「再会」の意味を知った。

それからというもの、少女はどこへ行ってもへっちゃらになった。
どこの街でも必ず私たちはまた会えたから。




***






その詩集にお友達を紹介してもらうように、お隣さんの本もそのお隣さんの本も……と握手を繰り返していたら、いつの間にかその本棚周辺が全部愛おしくなりました。
そこにいらっしゃる皆様が「近代文学」というグループに属するのだと知ったのは随分後になってからでしたが。。この近代文学の古書たちの匂いと背表紙の枯れ具合はどこの書架でもすぐに見つけられましたし、そしてどんな図書館に行っても「「必ず」」置いてあるのです。それが、どれだけ少女を安心させたことか。

だから私は今でもその詩集だけは手元に置いていない。アルバイト代どころか古本屋にでも行けばワンコインで買えるけれど。今までもこれからも図書館の古ぼけた背表紙から旧交を温め続けることでしょう。その詩集が読みたくなったときは私にとって「帰省」の頃合いなのですから。




幕間




・・・なんて、物覚えの悪い女が少々話し過ぎました。昔を懐かしむ時ほど自己が頼りなくなる瞬間はありませんね。自分は自分の人生の脚本も演出も監督も主役も脇役もやっているのだから大変です。下手な回想シーンはカットしましょう、ベタでベッタベタで歯にくっつくわ。こんな駄作じゃ噂話にされかかってクシャミがでるだけよ。
きちんと注釈も入れなくちゃ、はいハ―――ッアクション!!





近代文学


文字通り「近代の文学」……きっと国語の教科書で芥川龍之介の「羅生門」や中島敦の「山月記」なんかに出会ったことがあるでしょう。日本においての「近代文学」はだいたい明治維新から太平洋戦争くらいまで、、、でも大きく見るなら「近現代文学」という括りで現代小説まで含んじゃうかも〜……うーん明確には区切れな〜い…という何とも軟らかくて可愛らしくて情けない感じ。
けれども確かに言えることは。活版印刷が主流になった明治に本格始動した「商業出版」の文化が「商売」としての「言葉」を、可能にした。「言葉」が商品になる時代が来た。

誰かの放った「言葉」が大きな広がりを持って無限に商品に成り続けられる時代が来たのです。
それはもう、実用書だけになんて限られない。娯楽、精神の娯楽としての「言葉」たち。何の実益もない、楽しみのための「言葉」、人を楽しませるためだけのあざとい「言葉」!



明治、大正、昭和……このたった1、2世紀に一体どれだけの世界が動いたことか。
日本では長い鎖国の世が終わり、世界中の異文化・新しい価値観の奔流に飲み込まれていく。刀はペンに持ち替えられ、描く未来図は明るくも暗くもなる新時代。そして近代兵器の……歴史も地図も何もかもを塗り替える戦争。
この100年間はあらゆるものを押し流していった。神は隠され神秘は見失われ権威は息をひそめた。拠り所を喪った人は自己〈ヒト〉を穴が空くほどに見つめるしかなかった。
その視線で身体を射抜き、自己の在り処をシラミ潰しに探すよりほかになかった。空いた穴から抜ける隙間風が過呼吸のように音を立てる。その魂の喘ぎが、生き方の模索が、近代小説には溢れている。

そしてそのいずれもが、究極には「商品」。
ヒトの人生がショートケーキみたいに切り売りされていく。どこまでもその甘みを信じたって良いし、疑ったって良い。〈激動の時代〉と〈人生の切り売りという芸術家の術〉が恐ろしいほどに噛み合った、ヒトの業の凝縮物が近代小説だ。



近代文学は、私にとってそういうもの。知ったから生きやすくなった。知ったから生きにくくなった。
私の肺の左右どちらかは近代文学で出来ているのかも。




***





昔を振り返ってみたけれど、一体いつどこの時点から近代文学の虜だったのかわかりません。
あの詩集に出会った日かもしれないし、あの書棚を愛した日かもしれない。明確な日付は何も思い出せないけれど、気が付いたら私の人生の岐路にはいつも近代文学があった。
だから、やっぱり捻り一つないつまらない答えが、私の自己紹介。


好きな物を好きなままで大人になりたいから
ごく自然に日本文学を選び、ごく自然に近代文学を選んだ
何の変哲もない女子大生です。どうぞよろしく。




いやだわ、見切り発車、聞いてもいない昔話を囀ったと思えば今度は偉そうに講釈垂れて。
きっと必死に目を逸らして今日も眠ろうとしているのね。そうは問屋が卸してくださいません。
初心に戻って与太話まで書いたのだから卒業論文に取り掛かりなさい。

あぁもし、もしも、進路に悩む高校生が読者にいらっしゃるのなら、取りあえずこのトンでもない怠け者のことは参考にしてはいけません。反面教師です。
でも、そう…「好きだから」という理由で何かを決断することに遠慮や迷いを感じてしまう方がいるのなら。そこの一点だけはこの愚か者を試金石として見てやっては頂けないでしょうか。

受験・研究・就活、、、学生がぶつかる現実だけでも「好き」の想いだけではどうにもならないとされるモノはいくらでもあります。それに付随するように「好きな物を好きだと言えない苦しさ」「好きだけでは受け入れてもらえないもどかしさ」、そういうモノに衝突することも無いとは言い切れません。
だからといって「好き」を選ぶことを避けますか。避けてしまうのですか。避ければ、その先で障害物にぶつかることは無いのでしょうか。私はきっと否だと思うのです。
どれほど上手く生きたとて全てが100点で行くことなんてありません。どうしたって失敗はするし、予想外なことだって起きます。けれど、そういう時こそ今まで見えていなかった側面に気が付くことが出来るのです。そしてそういった側面を失敗の度に見つめなおしていけば、いずれ周囲をも説得できるような実用的武器になることでしょう。


アハハ!なんだかそれっぽいこと言ってみたくて格好つけましたが全然ムリ!!
つまりね、多分どんな道を選んでも、きっちり向き合ってこねくり回してりゃそこそこ正解になるんですよ。全部正解だ!なんてトンだ綺麗事?けどまぁ、世界にはこれだけ沢山の人間がいるんです。「正解」だって沢山ないと追い付かないですよ。
ですから、どうせ全部正解なんです、せっかくなら「自分の好き」を「正解」にしてみませんか。



日本女子大学の文学部日本文学科にきて、誰かの「好き」にとても寛容な友人たちに囲まれて、自分が何よりも「好き」な日本文学を全力で味わって、案外就職活動でも役に立っている。
誰がなんと言おうと、私の大学生活は楽しいです!大好きだから!




まどか🐧

翻せ、ロリィタ

ボタンを1つ留める度、フリルに抱きしめられていく。


腕をあげれば姫袖のレースがしゃなりと零れる。
新調したばかりのパニエは鏡の中の自分にだけ、誇らしげに見せつけて、待ちかねた両腿をラッピング。
毒々しいプリントデザインのタイツを、薔薇色のジャンパスカァトで匿えば。
一輪の華が微笑むでしょう。


これが私のお気に入り。ゴシック&ロリィタ。
厳密な言葉の流れとしては「ロリータ」と言うべきらしいのだけれど……。玄関先で一歩踏み出すのに逡巡を挟むような、おずおず、としたワタクシには縮こまった「ィ」のほうが何だか親近感。そう、ロリィタ。ロリィタファッション。

ゆらゆら、ふわふわ、きらきらり。夢まぼろし、この世界のステキなものみんな縫い合わせたみたいなお洋服!
私と一緒にちょっと覗いてみませんか。






✠✠✠

ロリィタ服ってお値段が凄そう・・・!
そもそもどこで購入するんだろう!?



こちらは私がロリィタデビューをする際に何度も悩んだ問題です。
そのため、今回は価格帯ごとに区切っていくつか個人的なオススメをご紹介いたします。いずれも1アイテムの目安ではありますが気になるブランドが見つかれば幸いです。

さっそく【A:5000円以下】【B:5000~1万円】【C:1万~3万円】【D:番外編】の4グループで見ていきましょう。


【A:5000円以下】

さぁまずは1アイテム5000円以下のところから。

◉〈ファッションセンターしまむら〉

きっとどなた様も目にしたことがおありなのでは?という有名店、しまむら。まさかのロリィタファッションまで……⁉︎と私も最初は衝撃を受けたものですが、なんと本当にロリィタファッション関係のインフルエンサーさんとのコラボ商品を多数販売されています。
残念ながら基本的にはコラボレーション商品なことが多い為に恒常販売のものはあまりなく、また実店舗で在庫を見かけるのも至難の業なのですが、、、公式オンラインショップにて予約注文をしておくと近隣の店舗で受け取りが可能です♪

今月は青木美沙子さんという方とのコラボ商品が話題で、ジャボタイ付きのブラウス(ふりふりの襟飾り、ロリィタ感が一気にでる)が2200円!!ジャンパースカートが3200円!!!!!???
という開いた口が塞がらないトンデモお値段設定でした。お財布に優しすぎますわ……ここが楽園。

例えばですが、
①ストライプ柄ジャンパースカート 3200円
②パニエ付キャミソール 2200円
③ヘッドドレス 990円
の3つを今回のコラボで購入し、ブラウスは既にお手持ちのシンプルなデザインのものと合わせれば・・・なんと6390円+税であっという間に雰囲気の出るロリィタフルコーデが完成!
特にパニエ付キャミソールはそれをワンピースやスカートの下に仕込むだけで簡単にロリィタらしいシルエットが作れますので本当に買いだと思います!!!ヘッドドレスも付けるだけでご機嫌になれますよ。
他にもたくさんの素晴らしい商品がございますので気になる方はぜひチェックしてみてください。ロリィタファッションの第一歩にはうってつけだと思います。

青木美沙子さま しまむらコラボ商品一覧

ちなみに美沙子さまはしまむらロリィタの先駆者的なお方で、好きなオシャレを好きな時に気軽に楽しめるようにしてくださった最高にカッコいいお姉様です。通称「しまみさ」と呼ばれて親しまれるほど定期的にコラボレーション商品を発売してくださっており、そんな「しまみさ」沼の先輩がこのブログ部にもいらっしゃいます。頼もしきロリィタ仲間のあかりお嬢様です。あかりお嬢様のしまみさ紹介記事もぜひ併せてお楽しみください。

♡あかりさん「しまみさ」紹介ブログ



そしてこのようなコラボは定期的に様々なインフルエンサーさんによって行われておりますので、好みのお洋服と出会えるまで待つのも一つです。肝心のコラボ情報についてはロリィタファッション関係のインフルエンサーの方をSNSでフォローしておくとチェックしやすいかもしれません。

ほんの一例ではありますが……
♥青木美沙子 さま
♥愛野えり さま
♥くる実 さま
♥眞白ありす さま
♥WonderTeaParty さま

といった方々を始めとして実に様々な素晴らしいコラボレーションが日々行われています。私は愛野えり様の「シャーロットの水曜日」シリーズが特に好きでした。
なんて、ここまでしまむらコラボをご紹介してまいりましたが……申し訳ございません、実は私もまだまだ初心者。全てのお品物をお迎え出来ている訳ではございません。

理由としては私のロリィタファッションの好みは〈少年装〉〈皇子系〉と呼ばれる物。この〈少年装〉〈皇子系〉というものはロリィタと聞いて想起されるようなふわふわスカートスタイルではなく……
「貴族のお坊ちゃん」といった感じのシックな彩のショートパンツ、そこに映える対照的な脚をガーターベルトでロング靴下と結び、上半身には柔らかなドレープのブラウス、頭にはちょこんとベレー帽を。
そのような系統を好んでおりますから…しまむらコラボの商品とは些か方向性が異なっているのです。ですからしまむらさん、是非とも皇子系もお待ちしております・・・!!!!!と切に叫びたいところです。

このようにパンツスタイルのロリィタを愛しておりますから今回ご紹介するブランドは自然とおすすめのパンツスタイルが揃っているお店ばかりになってしまいました。もしパンツスタイルでのロリィタにご興味がおありでしたらぜひご注目を。



【B:5000~1万円】

さてはて続いては1アイテム5000~1万円ほどの価格帯でのオススメブランドです。

◉〈axes femme〉

通称アクシーズとして知られる幅広いジャンルのロリィタに優しいお店です。幅広いジャンルのロリィタとは?というお話ですが、少しだけ先程も〈皇子系〉〈少年装〉などと紹介していたようにロリィタの中でもまた色々なテイストの装いがあるのです。例えば落ち着いた色味に格式高いデザインを基調とした〈クラシックロリィタ〉や軍服のような逞しくクールな雰囲気の〈ミリタリーロリィタ〉、日本の和服融合したような〈和風ロリィタ〉……など実に多種多様な装いが存在しています。
そのような中でこちらのアクシーズさんは複数のテイストごとに細かく分かれたシリーズブランドと商品を展開しており、ロリィタの世界のある種ガイドマップのような頼もしいブランドさんなのです!
ですから「まだどのような雰囲気のロリィタが好きなのかわからない…」「気分転換に新規開拓したいけどどうしようかな…」という方にもお試しの一歩として大変よろしいかと。自分の好みに合ったものを探すだけでも心が躍ってしまいます。

そしてお値段もかなりお手頃!
例えば「リボン×ジャボブローチ付ブラウス」は4950円、「ハシゴレース×リボン配色スカート」は6600円、「オーガンジーパニエ」は7700円といった組み合わせをすれば19250円でフルコーデが組めてしまいます。しかもアクシーズは全て税込み表示なため本当にこのお値段です。
さらにさらにアウトレットセールや季節ごとのセール、福袋などかなり細やかにイベントをしてくださるのでよりお手軽にお迎えできることもございます。
また、アクシーズはららぽーとを始めとして実に様々な場所に実店舗を展開してくださっていますので不安な方は直接お品物を確認してから購入することも可能です。安心ですね。
特に原宿にある〈ラフォーレ原宿〉というファッションビルにはアクシーズとそのシリーズブランドで和風ロリィタ専門のリゼンというお店がどちらも入っているため大変素敵にわくわくします。というよりも、、、もはやこのラフォーレ原宿には数多のロリィタブランドが集結しており、ロリィタにとっての聖地・テーマパークのような心地です。ウィンドウショッピングだけでもとっても胸が高鳴りますから是非に。




【C:1万~3万円】

そろそろ折り返し地点、こちらでは1アイテム約1~3万円程のブランドをご紹介いたします。ここまでくるともう完全にロリィタ専門ブランドが多くなってきますね。

◉〈MIHO MATSUDA〉

こちらは私がこよなく愛するゴシック&ロリィタブランドのミホマツダです。通称はミホマツ。
とにかく徹底したシックな黒一色の生地、質感、洗練されたボタンのデザイン……こんなにも落ち着く黒色、はじめて見た。一目ぼれでした。私にとってのゴスロリはミホマツダがなくては始まらない。そのくらいエレガントな黒色です。
生地がしっかりとしていて、でもシンプルな色味だから他ブランド商品との相性も抜群。ロリィタは着たいけれどあまり目立ちたくはない……そんな私のニーズにもピッタリなお色味とデザインだったのです。組み合わせ方次第で普段着にもできるし、ドレッシーにも化ける。なんと身のこなしの軽いお洋服でしょう!

そして何よりも少年装との相性の良さよ。ショート丈・ハーフ丈・7分丈と3つの丈の長さでボトムスが展開されており、あまり足を出したくなかった私でも心から着たい!と思えるデザインのものと出会えました。こちらの「パンツ・クルード」という商品なのですが、とびっきりの可愛さなのでどうかご覧ください。
さて、こちらのミホマツダさんで仮にコーデを組むとすれば…
「ブラウス・ヴァニカ半袖」19800円、「スカート・ベリネ」28600円の48400円税込でしょうか……。先程までのA・Bの価格帯と比べると少し面食らってしまいますが、細やかな意匠と生地の重厚感など袖を通すと納得できるものがあるやもしれません。

私のお気に入りミホマツ少年装コーデは
①ミニハット(ミホマツ委託ハンドメイド作家のnascita様作)7700円
②ベスト・セルゲ 33000円
③ブラウス・ヴァルガ 19800円
④パンツ・クルード 28600円
といった組み合わせです。なんとか10万円はいかずに組めているかな……という具合です。個人的な感覚ではありますが、ロリィタブランドだけでフルコーデを組もうとすると10万円はやはり超えてしまうことが多いためミホマツさんはこれでもなんとか手を伸ばせる、、、かも。いっぱいアルバイトがんばりました。
あとはそうですね、ミホマツさんは学割やSNS関係の割引キャンペーンをマメにやってくださるブランドなため、恩恵にあずかっております。ありがたいことです。


さて、この他にオススメなブランドは
◉〈ATELIER-PIERROT〉
アトリエピエロという名の通り、まるでサーカス団のお衣装のようなお色味とふんだんにあしらわれたフリルがゴスロリらしくて妖しくも美しいブランドです。なんと最近ではハリーポッターとのコラボレーション商品も発売されており、各寮のデザインで作られた最高のロリィタが存在しているのです。
お洋服だけでなくアクセサリーやバッグなどもございましたためハリーポッターファンの方は必見ですね。もしかするとコラボレーション時期が少し前だったためもうお品物が無いかもしれないのですが……ラフォーレ原宿の店舗では少しだけまだ販売しているお姿を拝見したような気がいたします。

◉〈モリグチカ〉
和風ロリィタにあたるブランドでオリジナルデザインの和柄とポップなカラーリングが実にキュート!お洋服とも合わせやすい帯風のベルトは付けるだけで和洋ミックスの良いとこどりコーデが完成✨しかも、なんと洗濯ネットに入れてのお洗濯は可能なのですモリグチカは!!!!このお手入れが手軽というのは大変に助かること。初心者でも安心して購入できたことを覚えています。今でも大好きなブランドです。

◉〈Qutie Frash〉
キューティーフラッシュ、通称はキュフラ。こちらは和風だけでなく中華風などアジアンなテイストとロリィタの融合です。雰囲気的にはサブカル系ロリィタに近しいかもしれません。
パンクな色使いに金箔を思わせるような堂々たる和柄など、歴史とサイバーパンクの劇的な衝突を身に纏うことが出来ます。少し個性派かもしれませんが、着物の羽織として一点だけキュフラを混ぜたりなんかするとバチっと決まります!!



【D:番外編】

最後は番外編です。
こちらの価格帯はお安いものだと1000円以下の物もございます!

◉〈closet child〉
クローゼットチャイルド、通称クロチャと呼ばれるこちらはロリィタ専門の古着ショップです。
私自身最初の頃はロリィタで古着というのにあまりピンと来ていなかったのですが、こちらのクロチャさんは商品の検品がとっても丁寧で安心なのです。商品画像を複数枚細やかに付けて下さっていることに加えて、お品物の状態を5段階評価で表示してくださっているため中古品によくあるトラブルが避けられます。
そしてなんと【タグ付き未使用品】という状態の出品もかなり存在しているため、お手頃価格で新品に近いものが購入できてしまうことも。

無論私も最初はなんとなく心配な気持ちがあったのですが、どうしても販売終了してしまったモデルのお洋服が欲しかったために購入してみました。すると商品の到着が早くてびっくり。品物の梱包も一つ一つ袋詰めしてくださっていましたし、何かあった際のサポートの案内もきちんと付属しているので大変安心して利用できました。
懐にも優しいですからよければ中古という選択肢も覗いてみてくださいね。




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以上が独断と偏見によるオススメロリィタブランドです!
他にもたっくさんの素晴らしいブランドがございますので、また来年の1月頃に続編を書かせて頂こうかしらなんて考えております。
ともかくもここまで多くのブランド紹介にお付き合いくださりありがとうございました。皆様のロリィタライフが自らに幸せをくれるものでありますように。好きな物を、好きだと、背筋を伸ばして言える自分でありますように。

蛇足ですが最後にロリィタを着るに至ったきっかけとマインドだけお話して終わろうと思います。




私がロリィタのお洋服を着ていたところ久方ぶりに会った親戚からは

・「なんでそんな恰好が好きなの?」
・「いつからそんなんなの?」
・「コスプレ……?」

と、こんなお言葉を頂きました。
たしかに見慣れない格好ですから、ロリィタファッションにどこで出会うんだろう??と思われるのかもしれませんが……そう特別な出会い方はしていないような気がいたします。

思い出せる範囲ですと、私がロリィタファッションに魅せられたきっかけは「アイカツ!」の藤堂ユリカ様が大好きだったことが大きいです。なんとか搔き集めた百円玉を握りしめてゲームセンターへ通い詰めていたことが懐かしく思い出されます。
その他にも「わがままファッションガールズモード」というゲームの「マーブルリリー」や「レイヴンキャンドル」というブランドには入れ込んでいて、もはや専門店か!という位にそればかり仕入れていたような覚えがあります。しかも2DのDSですね。
あとは…今でも心からの推しである「ダンガンロンパ」のセレスティア・ルーデンベルク様、「黒執事」のマダム・レッド……。この2人の生き様には深く深く感銘を受けたものです。自らの武器を理解しそれを以てして戦い、そして信念のもとに咲る日だけに咲いて散る。そんな美しい女性たち。

あげだすとキリがありません。こんな風に沢山のステキなキャラクターがいて、彼女たちを強く印象付けているロリィタファッションにもいつしか憧れを抱いていました。偏見かもしれませんがロリィタファッションのキャラクターって芯の強い方が多いような……あぁどうしようもなく、好きになってしまいます。
ですから、「いつから・なぜそのような格好を?」という質問には「気が付いたら!好きだから!」とお返ししたいものです。

マ、マァ……実際にはお財布事情との関係でロリィタファッションを纏い始めたのは【大学入学以降】で着ている理由としては【自分の好きな物を纏いたいから、そして決してお安くはない最高の一着を奮発してお迎えしたのにタンスの肥やしになんてしたくな……!!!!】という本音があったりなかったり。
そして「コスプレ??」というご指摘に関しては断じて「いいえ!!」とお答えさせて頂きます。たしかに一般的なお召し物よりも華美ではございます故、TPOへの意識はより一層注意が必要なものですが、それでもこちらは「私服」なのです。
私はロリィタファッションを愛する者であり、また一方では、コスプレをするサークルにも所属しているコスプレイヤーでもあるため断じて申し上げますがロリィタファッションとコスプレは別物です。



㊟あくまでも個人の意見です。以下少々過激な意見がございます。



まず何よりも目指しているものが異なります。
コスプレというものは原作のキャラクターに少しでも近づけるべく工夫を凝らしますが、ロリィタファッションというものは何か一定の目指すべき型がある訳ではなく一人一人がファッションの理想を追い求めて楽しむものです。
とはいえそれは当事者視点のお話であり、ハタから見れば珍しい恰好をしていることに変わりないよ!と言われてしまうことでしょう。

そのためもっと現実的な問題を申し上げるとすれば、コスプレというものはキャラクターの衣装を始めとするデザインに当然ながら著作権があり、原作となる作品によっては公式からガイドラインにて二次創作に規制が示されているものもございます。つまるところ、衣装の着用すらグレーゾーンなことも。
さらにいえば、世界的に公表されているキャラクターの恰好をすることは、街中やSNSを始めとして様々なところで他のファンの方の目にも入る可能性があります。このような時にコスプレイヤーさんの言動がキャラクターのイメージに傷をつけてしまう虞も残念ながら否定できません。
だからこそ、コスプレを楽しむ際はきちんと参加費をお支払いして専門のイベントへ参加したり、キャラクターや作品のイメージを死守したり……徹底的に「自分」を殺します。
求めているのも求められているのも「自分」ではありませんから。コスプレはファッションではない、リスペクトあってのものです。
そのようなワケでなんのイベントでもない日に街中でコスプレをすること。況してや撮影をすることだなんていうのは恐ろしいことでございます。


さてはて随分とお話に熱が入ってしまいこんなにも逸れてしまいましたことお詫び申し上げます。
肝心のロリィタファッションのほうですが、こちらは立派にファッションブランドとしてお店を構えているところからもわかるように、買ったお洋服は誰に気兼ねするでもなくいつでもどこでも貴方様を彩ります。時折、「同一のブランドでフルコーデにしなきゃ失礼!」だのと不思議な世迷言を目にいたしますが、ファッションに正解も限界もございません。
むしろ世界観が同じくして誂えられた同一ブランド同士でしかそのお洋服を活かしてさしあげられないと思うのなら、それこそお洋服のブランドに失礼ではありませんか。貴方様が良いと思って迎えられたその一着を大切に、様々なアイテムと組み合わせて貴方様だけの着こなしを見つけることが醍醐味だと思います。だってもうその一着は正真正銘、貴方様のもので、ファッションは自由なのですから!


少々長くなってしまいましたが、「ロリィタってコスプレ??」という質問にはやはり【いいえ】とお返しさせて頂きます。肩身の狭さが段違いです。コスプレはもう縮こまって縮こまってやっておりますからね。一方でロリィタファッションでは自信をもって外を歩けます。
とはいえ先程ご紹介させて頂いたような3つの疑問は、きっと質問者が親族だからこその突っ込んだ質問であり、普段ロリィタファッションで街を出歩いているときに何かお言葉を頂いたような経験は今のところ幸いにもございません。むしろすれ違いざまにお洋服を褒めて頂いたこともあります。
もちろん、出る杭は打たれるという言葉があるように人目を集めやすいお召し物ではありますから、TPOの意識・着用中も人通りや誰かの視界に装飾品が邪魔立てしていないか・裾やリボンの引きずり、露出が発生していないか……などなど常に自らの今の姿を客観視することは大切です。ですが、ご安心ください。そんなに難しいことではありません。
可愛いお洋服を着ているといつもよりも何度もお洋服を見たくなりますし、お手洗いで鏡を見るのも楽しくなります。ですからほぼ無意識に身嗜みを整えてしまいますし、貴族のご令嬢のような恰好をしているとなんだか所作まで自然と丁寧になるものです。

人は内面が大事!なんてよく言いますが、、、「なりたい自分」が鏡に映っているというのも良いものですよ。まずは目指したい姿を装ってみる。そしてそれに相応しい自分になろうとする。
目標って可視化されたほうが頑張れるものじゃないかしら。



いつか鏡の向こうの自分に会える日を信じてる。

秋風のこころよさを

皆様こんにちは。本日はどのような1日をお過ごしでしょうか。
私はつい先日まで夏季休暇中でしたため体をゆるりと休め……られたかというとそうでもなく…就職活動で何とも慌ただしい日々を送っておりまして……ESやら面接やらの練習をするたびに己という人間のなんとも骨のない生き方に、呆れて笑ってしまうほどです。あぁ申し遅れました!今回のお相手はまどか🐧です。
そんな慌ただしい日々ではございますが、この心身へのダメージの入り方……原因はそう!酷暑。
毎日毎日飽きもせず燦然と輝いておいでの太陽が、陰気な私の心にも暑さが苦手な私の体にもクリティカルヒットしております。


私の友人には「夏ってなんかいいよね!気分が明るくなる!毎日でも遊びに行こうぜ!!」という逞しい方もいるのですが、それって夏というか夏休みが好きなんじゃないですかね。違う?それは失礼。
何にせよ光が明るければ明るいほど影は暗く濃く落ちるってモンです、私はクーラーの効いた部屋のお布団の中でしか生きられません。

私ほど極端にとはいかずとも少なからず近年の猛威を振るうこの暑さには皆様方も辟易しているのではないでしょうか。熱中症の危険性もありますからお身体をどうか大切に。

ですから、そう!涼しいところへ行きましょう。うんうん。日本で涼しいといえば……東北!!





***






実は先日、日本女子大学文学部日本文学科の有志で岩手県へ向かい研修旅行を楽しんで参りました。もちろん文学の徒である私共が研修旅行となれば文学関係の内容であることは必然。
岩手県に所縁のある作家といえば〜!?さてどなたでしょう?


宮沢賢治?


それは、たしかに!そう!!!!大変著名な作家さまで現代でも素晴らしい人気ぶり。花巻市以外の駅でも山猫軒の可愛らしいグッズが沢山買えますよ。賢治ファンの方にはオススメです♪

ですが、もう1人著名な方がいらっしゃいまして。
そのお方が石川啄木です!

最近ではなんだか「文豪とアルケミスト」や「啄木鳥探偵處」といったメディアミックスでキャラクター化されていたり、X(旧Twitter)などのSNSで【はたらけどはたらけど……】や【一度でも我に頭を下げさせし人……】などがミーム化されていたり、思わぬところでお姿を見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな啄木へ「生活が大変そう」「ちょっと過激なパンチのある歌を詠んでそう」……なんてイメージを持つ方も存外少なくないのではないかと思います。ですが、どうしてそのような印象深いフレーズの数々が生まれたのでしょうか。その答えはきっと啄木の生涯にあります。

そして彼の生涯を知るのにうってつけなのが岩手県盛岡市にある「石川啄木記念館・盛岡市玉山歴史民俗資料館」です。今回の研修旅行ではこの石川啄木を中心に盛岡市近辺の様々な所縁の地を取材して回り、各チームの持ち帰った成果を全員で一つの案内パンフレットにまとめる!といった活動が目的となっていました。その中でも私は「石川啄木記念館・盛岡市玉山歴史民俗資料館」を調査するチームに所属していたのですが。。。見所が!多すぎて!案内パンフレットには到底収まりきらない!!!

そんな啄木の魅力がぎゅっと詰まった記念館をご紹介していきます。




***




ところでこちらの石川啄木記念館は白いモダンな一軒家のような風貌をしているのですが、これは啄木が生前に「家」(『啄木遺稿』東雲堂書店、1913年所収の「呼子と口笛」より。NDLオンラインでも確認可能:https://dl.ndl.go.jp/pid/947452/1/13 )という詩の中で描いていた「理想の住みたい家」を再現したデザインなのだとか。生誕百年記念に様々な人の協力で建てられたそうなのですが、皆様の愛を感じますね✨


そして扉をくぐると最初に出迎えてくれるのが啄木のお人形さんです。こちらのお人形さんは実寸サイズのようで、啄木と背比べができちゃいます♪気になる啄木の背の高さは……ぜひ皆様自身で背比べをして確かめてみてくださいね。



そして啄木のお人形さんに見守られながら目の前の扉を進むと、開けた展示室の中に啄木の詠んだ印象的なフレーズの数々が浮かんでいるというどこか幻想的な空間へ出ます。よ~く観察してみればそれらは文字の描かれたパネルが天井から吊り下げられているような展示であると分かりますが、展示室に入った瞬間目に飛び込んでくるフレーズの印象深さは流石詩人の言葉です。


そんな視覚的な出会いを果たした後はぜひとも中央の映像展示へ足を進めましょう。啄木の生涯やその故郷について、様々な解説を映像と共に紹介してもらえます。こちらのお話を聞いているだけでも啄木について今までよりも詳しくなったような気分になれちゃいますよー!

そのようにして掻き立てられた興味を、今度は周囲をぐるりと囲む壁一面の啄木年表へ。こちらでは彼の生涯や発表された作品、関係する作家たちの紹介が幅広くまとめられています。展示を通して啄木や当時の日本の歴史に触れられることはもちろん、例えば啄木は幼い頃ゆべし饅頭が食べたい!と夜中に母親を起こして作らせたことがあるなんて可愛らしいエピソードも紹介されていますので啄木の為人を想像することもできちゃいますね。

このような展示が魅力的なのはもちろんですが、なんと今回は特別に学芸員の方にインタビューまでさせて頂くことができたのです!そんな素敵な機会に恵まれ、展示がどのように維持されているのか、施設リニューアルで実現された新たな魅力といった様々なことを伺い理解が深まったように思います。



その中でも印象的だったのは屋外に展示されている「旧渋民尋常小学校」と啄木がかつて間借りしていた「旧齊藤家」の2つの建造物についてのお話です。

この小学校は啄木の母校であり、後に彼が代用教員として働いていた職場でもあるのですが……なんと室内へ立ち入ってその内部まで見学することができます!隣接する旧齊藤家も同様に内装まで見学が可能です。

時に厳しい自然環境にも晒されるであろう屋外の建造物展示というだけでも衝撃であるのに、見学者の立ち入りまで許されているという何とも学びの多い贅沢な展示といえますが一体どのように維持されているのでしょう?学芸員さんのお話によると5月の終わり頃には地元の商工会の方々が障子の張り替えをしてくださったり、冬前には建物の外側にビニール付けて保護をしてくださったり……多様な方法で定期的に管理をしているのだそうです。その他にも壁や屋根などの木材へ防腐剤を塗布する、地域の小学生がお掃除ボランティアをする、などなど地域一環となってこれらの展示を守っているのだそうです。元々の資料が貴重であることは勿論ですが、そこへさらにこんなにも多くの人が関わって守り続けられているという重みも加わり素晴らしい鑑賞体験が生まれているのかもしれません。


皆様も石川啄木記念館を訪れる際は、屋外の展示を楽しむのをお忘れなく!


そしてそして…記念館で啄木について知った後は可愛いお土産も要チェックです。絵葉書や栞など多様なグッズがカウンターに並べられていてどれを買うか本当に迷ってしまいます。ちなみに私は「石川啄木短歌帳」という文庫本サイズの可愛らしいノートをお迎えしました。一頁一頁に啄木の短歌が載せられており、しかも栞までセットで付いてくるという素敵すぎるお土産です。品物を入れて下さった紙袋にもひょっこりミニ啄木がいて思わず笑みがこぼれました。

私という人間は「遠足は帰るまでが遠足だし、文学館巡りはお土産を買うまでが文学館巡り」だと信じているタイプですので、このようなグッズには目がないのです!今回は研修旅行だったために時間の関係上、条件反射的に一瞬で選んだ商品を購入して慌ただしく帰路へつきましたが……無念。次にお邪魔する際はもっとじっくり吟味して色々と物色したいところです。





***




ここまで啄木や記念館について紹介してまいりましたが……最後に強くオススメしたいポイントは【石川啄木記念館と盛岡市玉山歴史民俗資料館という2つの施設が併設されている】ということ!つまり石川啄木という作家について知るだけでなく、彼が愛した盛岡市玉山地域の自然や歴史、風俗についても共に味わうことが可能となっています。さらに先程紹介した通り、石川啄木記念館は室内展示に加えて屋外では啄木にまつわる学校や家屋といった規模の大きな展示も行われているのです。あまりのボリューム感に私達調査チームは二手に分かれるどころか三手に分かれました。


涼やかな屋内で一日中楽しめそうなほどのボリューム感と多岐に渡る展示内容を誇る「石川啄木記念館・盛岡市玉山歴史民俗資料館」は夏の暑い日やお天気の不安定な時にも安心の観光スポットですね!しかも驚くことに入館料は大人300円・高校生200円・小中学生100円(盛岡市玉山歴史民俗資料館は入館無料)というありがたい価格設定✨


皆様もぜひ盛岡市の自然と、その美しき環境に育まれた芸術をたっぷりと味わってみませんか。




〈関連サイト紹介〉

・「石川啄木記念館・盛岡市玉山歴史民俗資料館」公式ホームページ https://www.mfca.jp/takuboku/

今回のブログ記事作成にあたってこちらの記念館の学芸員の皆様に多大なるお力添えを頂きましたこと、心よりお礼申し上げます!

スキ、キライ、スキ

バイト帰りに買ったチョコレートアイス、6分の1が星型だった。形が違うだけで味もなんだか、特別みたい。幸福には素直であろう。そうしよう。



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襟付きのシャツが好きな私だが、伸びてきたボブヘアとの相性は最悪だ。チクチクと首まわりへの侵入が激しい。何度も何度も髪をかき上げている、授業に集中できない。もういっそ頸ごと斬ってしまいたい。



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地元の片田舎でアルバイト、10月になる度に誤魔化すように時給がふらふら変わる。
常にワンオペで休憩もないのだから忙しさだけは都会並だ。けれどもそうして貯めた身銭を全て舞台に捧げている。だって今年は彼のお方のご生誕100周年。毎月どこかで彼の作品が上演されている。こんなに幸せな一年はきっとない。
最近気が付いたのだけれど、劇的なものが無いと私は生きていけないらしい。私にとって演劇はAEDのようなもの。色褪せた日常に知覚できなくなった拍動を思い出させてくれる、強烈な電気ショック。



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台風の日の満員電車は満員なんていう物では済まない。肩と肩は常に摩擦を起こし、ただでさえ熱い空気をさらに加速させる。あ、秋葉原。覚悟を決める。肉になる覚悟。両サイドから次々に挟み込まれるようにしてすり潰されていく、ミンチ。自分が肉塊に過ぎないことを確認する、月曜一限。



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Twitterでふと見かけたツイートで偶数知った映画。ちょうどアマプラに入っていたから冷やかしでも良いかと観たらとても面白かった。SFはご無沙汰だったのだけれど、そういえば自分は昔、「海底2万マイル」だとか「Back To The Future 」だとかにいたくご執心だったことを思い出した。
ツイートでオススメされていたのは「PREDESTINATION (プリディストネーション)」。もうアイコンも垢名も思い出せないけれど、どこかのだれか様その節はありがとうございました。



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にぎやかなサークルスペースの一角で1人カップ麺を喰らう。ここに来れば誰かが、いや居ないことなんてわかっていて来たはずだ。むしろ誰も居なければ良いと思っていたはずだ、お前は。
センサー式の照明は私なんて居ない人間のように扱う。まだ!居ます!食べてますわたし!と頭を軽く振る瞬間が一番虚しい。

2列ほど挟んだサークルスペースからは先ほどからずっと賑やかな声が響いている。1年生の時からよく知っている、同じ学科の2人の声は聞き間違うはず、、、もない。だったら、自分も輪に入りにいけばよいのか?普通ならそうするべきなのか?私だってもちろん寂しい。だが、ご歓談中に水を差すのも憚られるし、そもそも人違いだったら?もうその時の薄寒さを想像するだけで今日という一日が台無しになった気分だ。

あぁ、孤独とは一人でいることではなくて、一人で居なくても良い時に一人でいようとしてしまうことなのかもしれない。などと昔好きだったアイドルの歌を思い出す。
私は私という人間を1日も早く見放したい。それでもただ必死にしがみついて、今日も私は1日を果たしてしまった。



▽



私はよく絵を描く。けれども、その行為が好きかと言われると返答に窮してしまう。
だって絵を描くってとっても大変。億劫。アタリをラフに変えて、線を選んできちんと線画をして、かと思えばやっぱりパースが狂っているから延々と修正のイタチごっこ。ようやく線画ができたら次は下地塗り……。
もう気が遠くなってきた。
絵に限らず、何かを産み出すことにはトンでもないエネルギーが要る。あぁ、苦しい、しんどい、めんどう。でもほんのり愉しい。
私にとって「絵を描くこと」はやっぱり手段にすぎない。だから、それを目的とする崇高でそして努力家な方から批判や苦言を頂戴することも幾度となくあった。そんなんだから肩身が狭いことこの上なく、自らの絵は穢らわしく見えなくてはならなかった……はずなのだが、そういうハイカロリーなこってり作業にブツクサ言いながら産み出した「何か」「絵のようなもの」を、共有して味わってくれる友人に今、恵まれている。

私がこの大学に来て一番幸福だったのはこの友人に出会えたこと。
何よりも麗しい大輪の華のお嬢様に心からの感謝を……伝えたら重いのだろうから、ここにでも、置いておこう。お前は、ほんとう、意気地なしね?



▼▽▼▽▼……



一枚、一枚、また一枚。限りある人生の今日という日を毟り取って生きている。
血濡れた手を拭うことすら出来ずに。その毟り取った一片が酸っぱくても甘くても、偏食なんて許されない。次に甘い味を引くのはいつかなんて何人も教えてはくれまい。

人生が花占いのようであればどんなによかったか!

能楽堂への誘い・参

皆様こんにちは。ペンギンと近代文学を愛するまどか🐧です。
本日は少々久方ぶりに見たようなタイトル。実は何度か同じタイトルで能楽について色々とお話……もとい布教ブログをしたためております。

それにしても、能楽、といいますと何だか学校の授業でお国の伝統芸能としてその素晴らしさをお勉強したような。私なんかは格式の高さを感じて気後れもしてしまいます。云々と抜かしてモジモジしていた(してなかったかも、私、太々しい)のが2年前のことで懐かしいです。

もしかして、もしかしてだけど、ちょっとお能の観劇に慣れてきたんじゃないのぉ!ふへっへへへへへ。と思いながら今回も能楽堂目指して歩を進め…降り立ったのは表参道。



ゑ??????????表参道?



いやいやいやいや、え、表参道。煌びやかなアパレルショップが所狭しと並び、現代通り越して近未来すら感じてしまう街並みに。能楽堂?
もしかして劇場情報に誤字とかあったのかしら、どうしましょうどうしましょうとグーグルマップ先生に泣きつきながら向かうこと10分ほど。
全然見つかりませんけれども!!??といい加減ダレかに泣きついて道でもお尋ねしようか、ああ見れど探れど周囲は観光客の方ばかり、ワタシエイゴデキナイ。カタコト英語で能楽堂の場所尋ねる新手の不審者になっちゃう。


うろうろうろうろ、傾き始めた夕陽に急かされる様に。迫る開演時間と戦い……。
ありました。PRADAの向かい側、真ん前に。


こちらが今回の会場、【銕仙会能楽研修所】!
お察しの通り、私は初めて訪れたのですが表参道のPRADAなどが立ち並ぶ中に突如として現れる古風な「銕仙會」の表札に驚いてしまいました。
さらにさらに会場内は土足厳禁の座椅子スタイル。こんな能楽堂あるんですか!?もう開演前から驚きの連続でした。まさか会場すらマトモに見つけられないとは、、、。観劇にちょっと慣れてきた、とか抜かしていた脳内フローラル人間はどこのどなたでしょう。まだまだのようです。

さてそのような座椅子スタイルのお席(見所)だからこそ、能楽師さんの足元まで間近で見られることはもちろん、なんと檜舞台の軋む音まで聞こえてきました。舞台と見所の距離感の近さだけでなく、檜舞台と対照的なコンクリート造りの現代的な壁に囲まれているなどとにかくよく音の響く会場だったように思います。



***

今回の公演は9月6日(土)に行われた第66回公演の「響の会」という会で、番組としては「天鼓」「松虫」「西行桜」の仕舞と「誓願寺」を一調、最後に立花供養の小書付きの「半蔀」というボリューミーかつバラエティに富んだ並びでしたため、観劇後の満足感…というよりも満腹感が素晴らしかったです!心がおなか一杯になる!

そのような会場で始めに見たものが鵜澤久さんの「天鼓」だったのですが、その静やかで安定感のある所作一つ一つが実に素晴らしく、後ろ姿までカッコいいの一言に尽きました。周囲の能楽師さんと比べて華奢に見えるお身体に柔らかい所作を勝手に想像していたのですが、そのお身体から放たれる無駄のない凛とした足拍子には目が釘付けになりました。
先程の紹介通り、全体的に音の響きやすい板の上だったように思うのですが、鵜澤さんの足拍子はスッと必要なタイミングに必要な量だけ響いておりその心地よい美しさが心にまで響きました。私は今までの観劇経験の中で鵜澤久さんのことを後見の役でばかりお見かけしていたため、このように板の上に立たれているお姿を拝見できてとても感動しました。

もしまだ鵜沢久さんについてご存じないという方がいらっしゃいましたら、ぜひとも事前知識のない真っ新な状態でこちらの素晴らしい能楽師さんのお姿を味わってきて頂きたいです。そのため、敢えて今回はあまり紹介しないでおきますね。

続く「松虫」「西行桜」もそれぞれで使用されていた扇の絵柄が可愛らしく、また能楽師さんお一人ごとの声質の違いを味わうことができて大変充実しておりました。「誓願寺」は一調の形だったのですが、一調の公演を初めて拝見したためにデュエットのような見た目でありながら対バンのような緊張感をもつ独特の舞台上の空気感に衝撃を受けました。
今回は太鼓との華やかな組み合わせの演奏だったためか、視覚的な情報と聴覚的な情報のギャップがとても印象的でした。一調はその時その時で様々な組み合わせがあるそうなので、その他の楽器との組み合わせだとまた違った一調の雰囲気になるのでしょうか。とても気になりますね。
きっと中々狙ってお目にかかれるものでは無いのかもしれませんが、ぜひ他の曲目や楽器でも拝見したいものです。



最後に大本命の「半蔀」ですが何よりもまず小鼓の響きがあまりに美しく、終始聴き入ってしまいました。ちょうど「半蔀」のタイミングで会場外から救急車のサイレンが鳴り響いたり、見所から携帯電話の着信音が轟いたりと色々あったのですが…どれほど気が逸れようと引き戻される存在感と安心感のある小鼓の音色に本日の観劇体験が救われたような気がいたします。
もちろん鼓と聞いてすぐに想像されるような大鼓のように派手に響く訳ではないのですが、しっかりと耳に届く小気味良い音のまろみが大変美しく、もっと聴きたいと心から思いました。この日の小鼓は大倉源次郎さんという方だったようなのですが、絶対にまたこの方の小鼓を聴きに行こうと思います。


・・・と、いきなり話が逸れましたが。「半蔀」の内容も扮装や立花供養など見所満載でした。

あ、そうそう。紹介しそびれました!今回の公演はとーーーってもスぺシャル!なんと立花供養という小書き付きの公演だったのです。
皆様ご存じの『源氏物語』に登場する「夕顔」を題材としたお話が能「半蔀」なのですが、、

  【京都の雲林院で夏安居(ゲアンゴ)という禅修行をする中で「そろそろ修行もラストスパートだからお花の供養をしようかな~~~」と僧侶が立花供養を行っていると、どこからかフラリとドえらい綺麗な白い花を手向けに来た女性が。その女性に名を尋ねたら「名前はいずれわかること、ちなみに住んでるのは五条のあたり」とのご回答。そりゃもう、気になるし、五条あたりまで行くっきゃありませんね!さてはて、僧侶は無事に彼女のお話が聞けるのやら。何が語られるのやら。】

超意訳ではありますが、そんなところからお話が始まります。ザっと解説を聞くだけでもお花がキーワードとなりそうな香しい公演ですが、普段は謡でのみそれらの様子が表現されています。
ですが…なんと…今回に限り……!?
そう!実際にお花も出すよーーーーー!!!!!というのが小書き付きの特別公演というワケ。うんうん、能楽師さんの美しい舞だけでなく綺麗な生け花まで観られるなんて。財布の紐全開放。さぁ張り切って行きましょう。

そんな期待に胸を膨らませた「半蔀」公演。
アイとして登場された方の腰帯が花柄であったり、前シテの方の装束が花々の吹き寄せ柄であったり……とにかく花尽くしの鮮やかな舞台でした。さらには会場の入り口から階段まであらゆる所に、今回の公演用に花を生けた華道家の大塚理航さんの作品が並んでおり、会場へ入るまでも花尽くしになるよう演出されていました。


しかし!
いよいよ舞台上の立花供養で登場した花は、なんと木々や葉がふんだんに使われ青々とした逞しい雰囲気のものでしたため少々面食らってしまいました。とはいえ能楽堂の暖色照明に照らし出された葉は温かな彩を舞台上へ加えており、謡の描き出す世界観との共鳴が華やかなものでした。
うーーーーーん。それでもやはり直球に「花!」という生花を想定していた私にとっては舞台上に花が足りない。
そんな焦ったさを感じていた次の瞬間、板の上に進み出た後シテ・夕顔の美しさよ。
あぁ、花はここに在った。
白を基調とした長絹が眩しいくらいに輝いて、視線を全て攫っていく流石の華でした。


***


ちなみに、公演が終わって作り物が撤収される時に立花供養の花がくるりと回されて漸くその生花を正面から見ることが叶ったのですが……ありました、ちゃんと白い美しい花が。
なんと私は脇正面に座っていたために公演中は生花の後ろ姿しか見えていなかっただけなのでした。これにはもう全力でズッコケていたのですが、ある意味で良い思い出かもしれません。それにしても、生花の後ろ姿しか見えていなかったからこそ、夕顔という花の盛りを特等席で見られた…なんて考えれば脇正面で観る景色もまた一興な気がします。


このような学びの多い観劇が終わり、最終的に座椅子型の観劇に慣れていなかった私は足腰を完全にやられ、タタラを踏みつつ大笑いしながら帰路についたのですが実に楽しく思い出に残る時間でした(笑)


こんな観劇体験、こんな1日。
曲目・役者・扮装・舞台それぞれの組み合わせ次第で、そこには全く別の唯一無二の作品が生まれる。
表参道に能楽堂があるなんて知らなかった。ねぇ、もしかしたら貴方の通勤・通学の道すがら、自宅・実家の近く。思わぬところにもあるのかも。

ちょっと、今触っている電子端末で「能楽堂」とか「劇場」とか調べてみませんか。

AM03:38


空っぽになったスナック菓子の袋と目が合う

同じく空っぽのパソコン画面が私の顔を照らしだす

心は忙しないのに、書きたい言葉はなにも浮かばない

そういう日。

唯雅独尊

怖い夢でした。
いえ、夢ではないのですね。「わたし」は学校が少し怖いのです。「わたし」の出席番号は33番(当時女子生徒の出席番号にはプラス30だった)で、ええと、3号車の前から3番目の3月生まれの、ああでも、残念ながら11日生まれですけれども。

それが「わたし」。「わたし」の証明でした。

だから、そう。廊下にある、給食ブクロやお道具ブクロをかけるところは「33」の数字がついているところ。それがあるから、「わたし」は「居てもよい」のだと思います。
それは美術室でも理科室でもそうなの。図工の時間には、「わたし」の作品は「33」のプラスチックケェスに入れて、授業が終わる時に先生に見せに行く。


「わたし」ね、図工のお時間が好きなの。だから、その日もお気に入りを必死に粘土を捏ねて表現していたのかな。

『じぶんの好きなもの、綺麗だと思うものを、塔にしてくださいね』

って先生が言ったから。「わたし」のキレイを捏ねて塔を作った。
それは宇宙色の塔。塔のてっぺんにはお月様。にっこりしているお月様。宇宙にはお星さまと、お魚さんが流れてる。でもね、色が皆くすんでて、とっても暗い。



なにいろ。足りないのは、なにいろ?



わからなくて、悔しくて、パレット持って流し場に走った。
ふと、鏡の「わたし」と目が合った。噛み締めたクチビルに、紅が。
「きれい」。


「わたし」は初めて「わたし」に「きれい」だと思った。
後にも先にもこれきり。


いそげ、いそがなきゃ。粘土が乾く前に。
赤い絵の具を握り過ぎて、手も真っ赤。一心不乱に「わたし」は塔にも「きれい」の「紅」を刺した。


あ、これが、「わたし」の「きれい」!





***





誇らしげに「33」のケェスに塔を置く。
でも先生に見せるための列は混雑してる、授業の終わりが近いみたい。
先にお道具を片付けようかしら。


けれど、お道具を片付けて戻ってきた時には、もう塔はしんでしまっていた。
固まりかけの粘土が、抵抗していたみたいに、元の形をちょっとのこしていた。あとは、みんな「3匹のコブタ」のお家みたいにオオカミさんに壊されちゃったみたい。

「わたし」が困っていたら、「わたし」の名前が大きな声で呼ばれた。
先生にまだ作品を出していないのは「わたし」だけなんだって。先生はこちらへ来て、しんだ塔を見て驚いた。『落としちゃったの?』そんな訳ない。


後から聞いたんだけれど、その子たちが塔をころしたのは、怖かったからなんだって。
紅色が、不気味で、呪いの塔みたいって。




ごめんね、「わたし」がちゃんと塔を「きれい」を守ってあげるべきだった。

【女子大生目白対談】TRPGは人生!!

皆様こんにちは、本日の担当はまどか🐧です。しかし!私だけではありません!!
この度なんと念願の対談企画に参加させていただきました!

今年度から始まった新たな試みである【女子大生目白対談】企画。発案とともに先輩方が素敵な先陣を切ってくださいました。
その記念すべき第1弾は「山口県の魅力」をテーマにしたもので、先月の16日に投稿されています。いつものブログとは一味違った対談企画の面白さを是非ご覧ください~~。


【女子大生目白対談】山口県の魅力について語ろう
→https://mcm-www.jwu.ac.jp/~nichibun/blog/index.php/2025/04/16/



***




そして今回の対談テーマは「TRPG」です🎲
TRPGはテーブルトーク・ロールプレイングゲームのことで、一般的な電子ゲーム機を使用するRPGとは異なり「対話」によってゲームを進行させていくテーブルゲームのようなもの。
はじめて聞いたよー!という方、ぜひこの対談にお耳を拝借。本日は私達2人がその魅力をたっぷりお話しちゃいます♪

対談者:まどか🐧(二次創作も一次創作も好きな生粋のオタク。近代文学をこよなく愛する。)
    しら 🪶(イラストから小説まで幅広く創作能力を発揮するオタク。青春物が好き。)


対談よろしくお願いします!



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前書き

しら「今年度のブログ部員顔合わせの時に私が趣味の欄でTRPGを書いたら、その後の質疑応答でまどかさんが突っ込んでくれて大喜び。」

まどか『そうそう、それがきっかけで対談の話が出ました。』

しら「誘ってくれて嬉しい。やりましょう、ということに。TRPGの話なんていくらでもできる。なんぼしてもいい。」

まどか『そうだよね、何時間でも喋れる人が集まってるんだもん。』

しら「長い時は12時間とかやる。ぶっ続けで1日使う。3、4日使ったりもする。この前やったのは30時間ぐらいのやつだったから1日3時間で10日ぐらいかけてやった。」

まどか『濃い!!』

しら「頭おかしくなる。」

まどか『しかも、対面でプレイするのではなくWeb会議のように行う「オンラインセッション[※]」だと電子機器が必須で、さらにゲーム内容としても難しいものがたまにあるから……プレイヤーの年齢層はある程度年齢のいった学生から大人が多い。』

※オンラインでのゲームプレイを「オンラインセッション」略して「オンセ」
 オフラインでの対面開催ゲームプレイを「オフラインセッション」略して「オフセ」
 チャットなどテキストのみでやり取りをするゲームプレイを「テキストセッション」略して「テキセ」と呼ぶ



しら「私がいつもやってる友達は高校の時の友達と、そのツテで知り合ったネットの友達。その人たちには社会人もちょこちょこいる。」

まどか『社会人でお仕事があっても、無理やり夜更かししてでもやりたいのがTRPG。なんだか大人の部活合宿みたいですね。なんとなく夜中の方がテンション高くやれるし……深夜テンションでみんなロール(キャラクターとして振舞う演技パートのこと)してる。』


◎大人が真剣に熱中できる対話型のゲーム、そんなTRPGの魅力について今日は楽しくお話していきます。




TRPGとは?

しら「テーブルトークRPGの略で、プレイヤー同士の会話を通じてRPGみたいなストーリーを、サイコロとかを使った運要素も含めながら進めていくゲームです。」

まどか『すごろくと小芝居とRPGみたいな感じで全部重ね合わせて、それを口で喋る……人生ゲームみたいな感じです。要はボードゲーム感が強い遊びかもしれないですね。じゃあ、そのボードとなるものは何なの?というお話なのですが、TRPGを遊ぶために基本ルールとなるものが纏まった「ルールブック」と呼ばれることの多い分厚い本があって[※]。通称は「ルルブ」なんですが。』

※サンディ・ピーターセン/リン・ウィリスほか『クトゥルフ神話TRPG』KADOKAWA,2004年
https://www.kadokawa.co.jp/product/301401001110/


しら「最初はアメリカ発祥みたいな感じじゃなかったっけ?」

まどか『そうだね。同じくKADOKAWAの「文豪ストレイドッグス」なんかでもお馴染みの、米国の文豪ハワード・フィリップス・ラヴクラフトなどの作品群が原作で、彼らの作ったSFホラーの世界観を気に入ったゲーム会社の方がそれに目を付けて今のルールブックの原型を作られたんだとか……。そういう解説がさっきも紹介したルールブックの冒頭に書いてあった気がします(編集者注:書いてありました!記憶確かでした!)。
本のお値段は今いくらぐらいかな?多分6000円ぐらいだったと思うんだけど。とにかく今話してるのがクトゥルフ神話TRPGっていうラヴクラフトの世界観が基になったもの。』

しら「他にも魔法使ったりするやつもあるし、殺し合いみたいなやつもあるし色々あるよね。日本の怪異が元になったやつもあるし結構いろんなTRPGがある。そんな特徴があるのがTRPGという訳で、似たような感じのジャンルだとマーダーミステリーとかも近いよね。」

まどか『近いですねー!そもそもTRPGというジャンルの中には多分もっといろんなテイストのものがあるんですけど、よく代表格として言われるのはクトゥルフ神話ということです。』

しら「さっきも話していたあのルールブックの帯が「世界の真実、今明かされるコズミックホラーTRPG」とか書いてあって、そのせいか普通に親に陰謀論者なのかと疑われて、「あ、違うって!」って説明した笑笑」

まどか『わかるわかる!TRPG初心者の時に友人から教えてもらってルールブックを検索したら、予想外な表紙だったもので……。これ?ほんとに合ってるの?って困惑した覚えがある。ちょっとだけ雰囲気怖いんだよね笑』

しら「しかもずっとTRPGやってると、その中にも色んなタイプのものがあるってわかるじゃない。自分が作ったキャラクター同士をイチャイチャさせるだけのやつもあるし、一方でめっちゃ怖いホラーで気持ち悪い目玉のクリーチャーが出てくるやつもある。」

まどか『そうだね、PvP[※]でボコボコにやりあってるやつとかもあるし、本当に幅広い。TRPGというルールを土台にして、こんなストーリー展開があったら面白いのかもっていう素敵な発想をサプリメント[※]とか、シナリオ[※]として売っている方がいっぱいいる。』

※PvPとは「Player versus Player」の略で、プレイヤー同士が2陣営などに分かれて対立するストーリー展開などのことである プレイヤー同士の協力を前提とするTRPGにおいては少し特殊
※サプリメントとはゲームの基盤たるルルブにさらなる要素を付け加える、アプデ版ルルブのような存在 前提として対応するルルブが必要となる
※シナリオは特定のルルブに基づいて遊ぶことの出来るストーリーのシステム&脚本的存在

要は、ルルブがゲーム機本体でシナリオはゲームカセット サプリメントはアプデやDLCといったところか


しら「元々はアメリカのルールブックだけど、日本向けに作られた「比叡山炎上[※]」なんかもあるよね。そういう風に昔の日本の神話とかが元になっていて、日本風クトゥルフみたいな世界観ができるやつもある。」

※朱鷺田祐介『クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上』KADOKAWA,2006年
https://www.kadokawa.co.jp/product/301404001244/


まどか『あ~それやってみたいなと思ってる。面白そう。機会があったらやってみようかな。
ちなみにクトゥルフ神話TRPGは非常にワールドワイドで多分5ヶ国語ぐらいになってるので場合によっては海外の人とも卓を囲めます。まぁ必要な道具も少ないので。
やろうと思ったら簡単で……うん、極論何もいらないじゃん!!』


◎小難しそうな用語も出てきましたが…もしかして必要なのは物語を楽しむ精神と想像力だけ!?
様々な好みに対応できる深くて広~~いTRPG沼があなたをお待ちしております♡




TRPGとの邂逅


しら「そういえば、まどかさんはTRPGをいつぐらいからやってるの?」

まどか『中学生ぐらいの時に仲の良かった友人が全ての睡眠時間を犠牲にして沼っていたので、その子に誘われたのがきっかけですかね。あとTRPGって自分がやるのはもちろんだけど、配信者さんが配信してるのを見るっていうのも一つ。好きな配信者さんがセッションの様子を投稿してたので元々知ってたんですよ。』

しら「ちなみに誰?」

まどか『高生紳士さん[※]。あとは○○の主役は我々だ![※]の皆さんの「狂気山脈[※]」とかかな。懐かしいです。しらさんは何がきっかけで始めたんですか?』

※高生紳士さん 数多のTRPG動画を投稿している
https://www.youtube.com/channel/UCM2SwvNjA0uH8oc5D0ihSDA
※○○の主役は我々だ!の皆さん 我々だ!として知られる メンバーが時折失踪する
https://www.youtube.com/user/NemesisLaAlgol1936
※まだら牛「狂気山脈~邪神の山嶺~」
https://booth.pm/ja/items/1071516

しら「中学3年生ぐらいの時、同い年の友達がやってて、それを見てオモロって思った。その時一緒に興味を持っていた友人といつかやりたいねって話してたら、別の学校の友達が既にハマってて、私たちが気になってるの察知して囲われた。」

まどか『わかる〜!TRPGにハマるのって囲われるよね。最初は友達同士のお誘いがメインで、そこからネットワークが広がっていくパターンが多いかな。そうでないとインターネット上だけで知り合って急にやるというのは少し難しい。』

しら「ブログ部の人でTRPG気になる人がいたら私かまどかさんに言ってくれたら回ります!」

まどか『私たちは同い年で同じ世代だからかもしれないけど、結構お互い中学の友達とかがきっかけって感じですかね。』

しら「友達がオタクばっかりだった。部活仲間とかではなくて普通に友達で、私がハマって私が小説を書く人ってことを察知されて文芸部に誘われた。」

まどか『すごい!囲われ方の規模が思ったより大きい!なんというかTRPGって一度足を踏み入れると、どんどん輪が広がっていって気付いたら逃げ場ないよね笑』

しら「うちの高校の同級生なんか結局10人ぐらいやる人が増えて。最初は3人ぐらいだったのにどんどん増えてて。」

まどか『本当にそう。私なんて一番最近の卓を囲んだお相手さんとはとある企業のインターンで出会ったんです。インターンでご一緒した他校の先輩がTRPG好きで。じゃあ!やりましょう!って言われて。
まさかの全然知らない先輩とその先輩のご友人と、就活より先に卓を囲むっていう。グループ面接より早く卓を囲んだ仲間。』

しら「そのインターンの話とかちょっと後で聞かせてください。就活何すればいいかわからん。」

まどか『もちろんです!笑笑 こんな風に就活で思いがけない出会いがあったりもします。』


◎TRPGとの出会いはどこに転がっているか分からないのです。少しでもご興味のあるあなた!始め時は今ですよ。



TRPGプレイ事情


しら「結局のところ電話できれば、電話か直接会ってもいいけど、とにかくリアルタイムで会話できたりすればいい。LINEの通話でも大丈夫。昔LINEの通話でやってて、プレイに役立つWebサイトとして中学生の時はココフォリア[※]がまだなかったから、どどんとふ[※]っていうのを使ってやってた。」

※ココフォリア https://ccfolia.com/
※どどんとふ http://www.trpg.net/dodontof/

まどか『うわ懐かしい。』

しら「昔のどどんとふとか、あとマジで聞いたことないサイトでやってた。どどんとふの使い方忘れたな。1回2回ぐらいしかやってない。」

まどか『その後ずっとココフォリアだから。ココフォリアは「いあきゃら[※]」とキャラ情報も連携してくれるし、めっちゃ便利。』

※いあきゃら https://iachara.com/

しら「いあきゃらもいいけど、使っているのはずっとキャラクター保管所[※]だよ、私。ちゃんと全部残ってる。
あぁちなみにココフォリアっていうのが、TRPGをする時に盤面になるやつ。すごろくとか人生ゲームのような時に敷く紙みたいな感じ。」

※キャラクター保管所 https://charasheet.vampire-blood.net/

まどか『例えば……勇者一行は洞窟に来ました!みたいなシーンの時には背景を洞窟にしたりとかして、言葉だけを頼りに冒険してくれているプレイヤー同士の世界観を共有することに役立つ。
あとはサイコロを振る、ダイスロール。サイコロで何の目が出たらプレイヤーはこうする!みたいな展開を決めるんですけど、そういうサイコロを自動で端末上で振ってくれる。便利〜!』

しら「BGMも流してくれるから便利。」

 まどか『そう!シナリオによって様々な演出があるから非常に面白いよね。』

しら「シナリオっていうのは、既成の物ももちろんあるけど、基本はもうファンメイドのものが一般的で、有料のものから無料のものまである。」

まどか『なんならシナリオを自分で作ることもできるし、楽しい。そういうファンメイド系の界隈でもあるから、プレイしていると好きな作家さんとかができるくらいで……私は文町さん[※]が好き。』

※文町さん https://candle-c.booth.pm/

しら「うん、文町さんシナリオはいい味がする。私が好きなのは、むつーさん[※]になるのかなあ。「壊胎」「傀逅」[※]がめっちゃ好きで、本当に好きで。あとは、まだら牛さん[※]とかもそうだし。「狂気山脈」から私のTRPGが始まったから。
多分うちの世代がプレイヤー人口多いのは、むつーさんとかの影響が大きい。ありがたいですね。今だとVtuberさんとかもめっちゃやってる。」

※むつーさん https://mutuu24.booth.pm/
※むつー「壊胎」https://booth.pm/ja/items/1702387「傀逅」https://booth.pm/ja/items/1702387
※まだら牛さん https://dappleox.booth.pm/

まどか『たしかにね、にじさんじのメンバーさんとかも結構やってっしゃる。にじさんじお好きな方が確かブログ部にもいたので。機会があったら語りたいですね。
私はにじさんじ大好きだったんですけど、推しが私7人いてそのうちの6人はもう辞めたので。心折れてます。」

しら「ちなみにどなたですか?」

まどか『とりあえず一人挙げるならアイク・イーヴランドさんが最推しでした。』

しら「あっ……。」


◎哀しきオタクのお話が続いたので割愛。
TRPGにご関心のある方はぜひ配信などを聞いてみると雰囲気が掴めるのでオススメですよ!

⚠️ネタバレになってしまうため自分がやってみたいと考えている作品の配信は聞かない方がいいかもしれません





日文生にこそやってほしい!TRPG!

まどか『個人的には文学部や日本文学科の学生さんにTRPGをとても勧めたいですね。』

しら「やっぱり描写に対する解像度が違います。ある程度の読解力と想像力が必要なゲームでもあるので、もちろんそうでなくとも楽しいけど、より楽しめる。自分自身はハマっちゃう。」

まどか『教養っていう言い方はちょっと適切じゃないかもしれないけれど、何かしら世界観を盛り込んだものが多ので、歴史に詳しい人とかも多分楽しめると思う。』

しら「風俗史とか歴史とか、民族学好きな人とかめっちゃ好きだろうな。結構私はそういうのが好きだから嬉しくなっちゃう。
あとは宗教学とか好きな人も絶対好きだと思う。がっつり出てくる。クトゥルフ神話っていうのが、信じてる神様が実は邪悪な邪神だったらみたいな感じの世界観だから。結構がっつり…その狂信者、神を信仰しすぎておかしくなっちゃってる人たちみたいなのが敵だったり、神様自身が敵だったりする。シナリオごとに特色があって面白い。」

まどか『そして、いわゆる「うちよそ」が好きだと、刺さると思う。一次創作好きならぶっ刺さり。先週ぐらいかな……Twitterで「TRPGって何かうちよそcpをいい感じにイチャイチャできる便利なやつでしょ?」的な呟きがあってバズってた。(編集者注:おそらく画像での呟きだったため検索しても見つけられず…リンクがお示しできず申し訳ございません)』

しら「見た!笑 うん、違うけどそう!!!みたいな。違うんだけどね。うん。まぁでもぜひ。本当にうちよそのこと考えてもニヤニヤが止まらなくて。」

まどか『わかるよ、数年前作った探索者を一生引きずって人生を歩んでいく。』

しら「自分にとっての代表探索者みたいなのが何人かいるよね。グッズとか作り始めたらもう終わりだと思う。遠くに住んでるTRPG友達と会った時に、自作のグッズをプレゼントとして配り歩く人とかいる。」

まどか『TRPGって何度でも味わえるいい悪夢だよね。本当に凄く濃い時間を過ごすことができる。今の時代ってとにかく豊かだし、あらゆる娯楽が溢れてる世の中だと思うんですけど、TRPGって娯楽に必要なのは想像力だけなのでその可能性は無限大。
言葉選びと想像力と、その人の人生、人格、性質とかがすごい出る(編集者注:性癖もでる)。自己啓発というか自己診断じゃないけど、今までは知らなかった自分の一面にも気づける。』

しら「不思議な遊びだよね。自分の思想とかも結構モロに出ちゃうから、自己開示させられるし、自分自身への解像度も上がる。』

まどか『普段は真面目に人生相談とかってあんまり人としないと思うんですけど、友人とか親しい人の意外な一面を知ることができたりとか、人生の勉強になったりする。』

しら「そう、人生を追体験。自分で作ったキャラクターが歩む人生を追体験するから、自分が豊かになる気がする。楽しいな。」

まどか『限界すぎる。』

しら「本当に人生、TRPGって人生だから。」

まどか『しらさんの名言ですね。人生。本当に人生。あらゆる笑いあり、涙あり、、、睡眠不足あり。』

しら「寝なさい。」

まどか『私の周りって卓修羅しかいない。えげつないスケジュールを押し通す猛者たち。うーーん、付き合うメンバーは選んだ方がいいですよ皆さん。健康を犠牲にします。』

しら「それはやばい。私は21時集合で24時解散をちょこちょこいっぱいやるとかが多くて、最近は。昔は1日取ってやってたんだけど、みんな予定が合わなくなっちゃったから。
でもそういう風に夜間で分割してやると、社会人の人とかも予定が合うから。最近は21時集合、24時解散かな。
あぁでも最初は友達とかと細々と始めるのがオススメです。調整さん[※]とか伝助[※]で予定を合わせてなんとか漕ぎつけます。」

※調整さん https://chouseisan.com/
※伝助 https://densuke.biz/





◎忙しい、忙しいけれど遊びたいのが人間!分割すればグッと現実的になります。TRPGのご利用は計画的に。



初心者におすすめのシナリオ

まどか『とにかく参加してくれる友達を揃えるのがネックですよね、TRPG。ぜひやりたい人は学校内で私達を探していただいて、気軽に参加できるので。回しますから私達が。』

しら「ソロシナリオもありますので、最少人数は2人からいけますね。ソロシナリオでプレイヤーが1人だけでも、ご安心ください。ゲームを回してくれるKP(キーパー)さん、GM(ゲームマスター)とかとも呼ばれるんですけど、ナレーターみたいな感じでお話を一緒にやってくれるんです。シナリオの中に出てくるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)もその人が喋ってロールプレイするしみたいな。ある意味最初の参加者は2人ですかね。」

まどか『初心者におすすめシナリオとかありますか?人数少なめのやつで。』

しら「やっぱりクトゥルフ神話TRPGの世界観を味わって欲しいなっていうのがあって、最初はがっつりロールプレイしつつ、ばんばんダイスロールも回して欲しいから。
「狂気山脈」とかもそうだし、絵も優先というか、おしゃれな感じだと「餞」[※]っていうシナリオがあって、これ、プレイヤーが2、3人いればできるやつで。
結構がっつり探索もできるし。あとは「カタシロ」[※]とかは、最初ちょっとクトゥルフっぽさもあって、ロールプレイがメインで、ちょっと特殊だけど、世界観に入るにはいい気がする。」

※さくら「餞」 https://booth.pm/ja/items/1829504
※ディズム「カタシロ」 https://booth.pm/ja/items/2274429

まどか『「カタシロ」はたしかにオススメですね!あとは……私は日本文学系の、特に近現代文学とか、エログロナンセンスなんかが好きな人に「異説狂人日記[※]」とかが凄くオススメ。』

※文町「異説狂人日記」 https://booth.pm/ja/items/1894068

しら「舞台見に行ったよ。めっちゃいい。この「異説狂人日記」というシナリオは舞台化されるぐらいなんですよ!!あれは本当に日文生に刺さるだろうな。刺さる、絶対刺さる。
私はもう刺さりに刺さって、回してくれたKPさんにここまで刺さるとは思わなかったって言われた。あまりにも刺さってしまって。「異説狂人日記」ぜひ。」

まどか『めちゃくちゃ描写がね、日本っぽい。流れる空気感や文章が日本っぽいというか、、純文っぽい。すごく純文学の香りがする。
個人的には近現代文学!って感じ。まあ、書いたの現代の人なんだけど。ストーリーの舞台が大正、大正浪漫の香りが漂いつつ、精神や心理学に触れるような雰囲気。』

しら「いや〜めっちゃくちゃ良かったな。なので、日本文学科、特に近現代好きには「異説狂人日記」お勧めします。ちなみに私は回せるので、回りたい人は学校内で私を探してもらって。
それに関連しておすすめのシナリオっていうか、似たような味付けで言うと「鬼の棲む[※]」っていうシナリオがあって、これはソロシナリオなんだけど、本当にソロ。
現代日本でも大正日本でもいいんだけど、ちょっとホラーみというか、少し不思議な感じ。怪奇系?
舞台となるのは葬儀系の施設。そこから鬼が棲んでると言われる山のなかに行くシナリオ。ちょっと難しいシナリオだけれど……。和風なタッチが好きならまじでイチオシかな。
あと、「ゲンジボタルくん、東京を救う[※]」っていうのもめっちゃ小説というか文学だなと思った。これはもうめっちゃ小説風な描かれ方をしてみて、ちょっと特殊。本当にTRPGというよりは、プレイヤーが小説の中の登場人物の1人として振る舞う感じ。なんだか不思議な感じだけど面白い。
あ、教職課程取ってるような教師志望の人にオススメしたいのは、「ソープスクール[※]」!!プレイヤーは中学教師としてプレイするんだけど……その学校の生徒が自殺してしまったところから始まるもので、ちょっと精神的にくる所はある。私は教職課程取ってから割と解像度上がったかな。
だけど本当に苦しいから、さっき言った通り自殺したところから始まる結構嫌な味付けのシナリオだから。考えさせられるシナリオだね。
あぁ「春を呪う人へ[※]」っていうのも、これも登場するのは高校生なんだけど、これもめっちゃ文学風味でオススメかしら。」

※さんとなな「鬼の棲む」 https://booth.pm/ja/items/1851693
※まだら牛「ゲンジボタルくん、東京を救う」 https://booth.pm/ja/items/1451624
※アキエ,nekoze「ソープスクール」 https://booth.pm/ja/items/2108125
※ごくつぶし「春を呪う人へ」 https://booth.pm/ja/items/3080166


まどか『沢山紹介してくれてありがとう!大分しらさんの趣味が分かる気がしますね〜。』

しら「めっちゃ高校生の青春シナリオと、爽やか系も好きだし、エモ系も好き!」

まどか『私はPvPで結構お茶を濁してゴネていって……よく回るお口だこと!って感じで何とかするものが好きだな。あとはデカめのダメージロールがあるようなのも良い。結構、ご機嫌シナリオが好きなのかな。笑顔で血が騒いでるタイプのシナリオが好きです。盛大に暴れるうちの子が見たい〜。
心に残るシナリオっていうのはやっぱり好みが結構分かれるし趣味が出るかもしれないね。』

しら「本当に出る。めっちゃ分かりやすい。物によっては何だこれ?みたいな終わり方したのもいっぱいある。全ロスとかもあるよ。ロスっていうのは、キャラクターがゲームみたいな感じなので、RPGの体力値みたいなのがあって、そういうのをなくしてしまうと、突然お釈迦にになります。人は死んだら死ぬんです。」

まどか『人は死んだら死ぬんです…!名言多いな、しらさん笑笑。一応、応急処置で回復とかもできるんで、そんな簡単には儚くならないはず……なんですけれど。死ぬんだよなぁ…。』

しら「例えばその邪悪な神様に勝てなくて、神様が世界を滅ぼさせちゃって…全ロスっていうのもあるね。でもマジでハッピーエンドだけじゃないのがいいなと思う。」

まどか『でも、だからといって勝ち負けがあるわけではなくて、協力!基本はみんなで協力プレイだから。ちゃんとプレイヤー間で協力して楽しむのが一番です!
ロールとかも、即興劇みたいな感じで、エチュードっぽく進めていく方が臨場感があるので、最初は多分戸惑うんですけども。』

しら「ロールは慣れてくるととても楽しいよね。ロール上手い人、とまらない、楽しい。TRPGは人と協力しないと、協調性がないとやっていけないゲームだから、遊ぶ人はね、仲良い人と信頼できる人と遊ぶのがいいかな。
ネットの人と最初に遊んでトラブるとかよく聞くから。ネットでも全然やれたり、Twitterで募集して知り合いあったりとかもするんですけど、性格が合う合わないはすごくありますね。」

まどか『だって人と何十時間も一緒に喋ったことあります?TRPG以外ないですよ。だからこそ、それで仲良くなると本当に仲良くなる。』

しら「苦楽を共にしているので、本当に。仲良くなりますね。ぜひTRPGしましょう、一緒に。オンラインセッションがオススメかな。大学生ってみんなパソコンも持ってるし、スマホも持ってるし。多分パソコンさえあれば、隙間時間で夜とかにできるから。」

まどか『素晴らしいと思います。最初は何したらいいか分からないから、まずは配信とか見てなんとなくルールとか世界観とかを理解してから始めるのは割とオススメかな。』

しら「複雑だけど、1回見とけば結構イメージがつくから。ぜひ配信で見てみると良いかもしれないです。ニコニコ動画とかに、リプレイ卓っていうのがありますね。有名な動画だと、動物になるやつ「トブ老人[※]」っていうシナリオのめちゃくちゃバズってたやつがある。
「笑いすぎて一生忘れられないTRPG[※]」っていうのが、700万回再生とかされてるやつなんだけど、これとかは、全部文字起こしされてて、全部絵になってて状況が分かりやすいし、めっちゃいいね。」

※まにむ「トブ老人」 https://booth.pm/ja/items/1204613
※まにむ「笑いすぎて一生忘れられないTRPG」 https://m.youtube.com/playlist?list=PLIbP2uLCPUkEUF8PI-8cSFYvjm2N7V5t-

まどか『なんかこの世代がTRPG好きな理由ってそういう配信者さんがいっぱいやってらしたのもあると思うんですけど、さらに言えばコロナ禍世代なので。』

しら「そうだね、それマジある。お外に出られない期間にめっちゃ回ってた気がします。分かる、めっちゃやってた。
沢山やって、普通に成績悪くなった、TRPGやりすぎて。すごい、このぐらいの熱中が出来る。TRPGやりすぎて、本当に勉強手に付かなくなって、めっちゃ親に怒られたな。本当に、本当にやめろって言われたな。
まあまあまあ!!笑 何かしら犠牲も出るんですけど、人生は楽しく、豊かに。うん!」

まどか『豊かにね、うん! 大学とか企業とかに入ると、みんなそれぞれ進路が違って、かつての友人とちょっと疎遠になっちゃったりとかもあるかもしれないんですけど。
安心して。インターネットで繋がってるよ。』

しら「インターネットで繋がってるぜ。私たちは同じインターネットの空の下で繋がってるから。」

まどか『そのセリフでこんなに情緒なくなることあるんだ?笑笑 インターネットの空の下……いやドブ沼の中かもしれない。』

しら「空じゃないか。地下か。地下です。地下で会いましょう。」

まどか『まあ、とにかく当たり前に電子機器を持たせてもらえるような良い時代に生きてるのでね。そういう所は活かしていったらいいんじゃないかなっていう気がします。』

しら「そうね。マジでうちの学校の日本文学科で創作技法論とか取ってる方、TRPGやってないならやろう。ぜひ、やろう。楽しいからね。本当に楽しい。」

まどか『短いものだと1、2時間で終わるシナリオとかもあるので。』

しら「それでも時間が厳しいってことであれば、細切れにしてしまったり休憩取ったりながらでもいいと思うので。だって1、2時間って授業1コマ分ぐらい。」



◎極論、空きコマでもできてしまうのでは!?
その時に集ったメンバーとその時の賽の目次第。変幻自在の夢物語、TRPG。
ぜひ私達と一緒に!私達にしか見られない景色を探索しに行きましょう!





後書き


まどか『いや~ここまで話してきてアッという間に1時間程経ってしまいましたが、最後に何か一言お願いします。感想でも、布教でも。』

しら「最後になんだろうな。難しい。いや、でも本当にTRPGの話ができる友達が、今までの高校とかの友達しかいなかったから、こんな身近な同じ大学内で見つかると思わなくて、すごく嬉しくて。語り尽くしてしまいました。
私は本当にいつでも卓回してるし、一緒にやるし、しかももう私がやりたいシナリオって大体友達に回し尽くしてしまったので、ぜひ新たな沼に、沼人(ぬまんちゅ)になってください。」

まどか『光栄です。もうね、最早どっちがクトゥルフというか怪異クリーチャーなのか分かんないよねソレ!笑笑 いや、本当にありがたいことです。沼人(ぬまんちゅ)になりますね。
それにしても私も、中学生頃にハマった時にはね、こんな事になるとは思ってなかったんですけど、今となっては多分一生引きずるような感じの趣味です。一生ものの趣味に出会うのって結構難しいと思うんですけど、終わりがないです、TRPG。
どんどん新しい作品が出る、どんどん新しい沼があるっていう感じで、全くこれはもう宇宙みたいなものなので……TRPGは宇宙っていうこと。』

しら「TRPGは宇宙。間違いない。将来的には老人ホームでやろうねって友達と話してる笑笑
そんなぐらい人生設計に組み込める趣味なので!」

まどか『老人ホームで!?笑 最高かも!
なんか日本文学科って比較的文学が好き人が多いような気がするので、そもそも文学が好きというだけで人生の趣味には事欠かないと思うんですけれども、その趣味のお隣の庭というか、一端としてぜひクトゥルフ神話TRPGという「話す文学」を楽しんでもらえたらなと思いますので、やってみてね!!』




◎年齢も性別も居住地も何もかも飛び越えて、全力でなりたいものになる。
しがらみなんか取り去って、自分じゃない何かになって、一生懸命生きて遊ぶ唯一無二の瞬間!

その先できっと貴方は、まだ知らぬ自分と再会する。









編集後記



以上が私としらさんによるTRPG対談の全貌です!!
……と申し上げたかったのですが。「きっかり1時間!」と時間制限までしてしっかりその中でお話していたにも拘わらず、蓋を開けてみたらトンでもない文字数になっておりました。

その為、泣く泣くバッサリとカットしている部分がかなりございます。
特に私達2人のイチオシシナリオ紹介や最近囲んだ卓などは、内容が初心者向けではなかったので……。
しかし!逆に言えば、TRPGをご存知の方や伝わる方にはちょっと楽しんでいただけそうなお話が飛びだしていたワケです。

ですから…いずれまた続編として今回載せきれなかった無念ポイントも集約できればと思います。
ぜひまたご覧いただければ幸甚でございます。


最後になりましたが今回対談の誘いをお受け下さったしらさん、本当にありがとうございました!!!!
ものすご~~~~く楽しく、まだまだお話したくなる夢のような時間でした。
次は同じ卓でお会いしましょう。

日本女子大学の大好きな場所

皆様こんにちは。本日のお相手はまどか🐧です。
なんだかよく見るこのタイプのご挨拶。既視感ならぬ既聴感あるな~と思っていたのですが、、あれです。ラジオのパーソナリティっぽいのです。

偏見(偏聴?)ではと言われたらそこまでの根拠も反論もありませんが。しかしまぁ、今の時代はラジオも聞き逃し視聴できるので実に便利。皆様はラジオ、お聞きになりますか?
私は幼い頃、車に乗るとよくラジオから道路交通情報の案内が流れていたのを覚えています。
あっちで渋滞こっちで渋滞、事故の影響が・・・ふむふむ。
渋滞にハマった時なんかは家族みんな疲れて夢の中、一切の走行音も響かない静寂がどこまでも続いて、疲れているはずなのにどこか落ち着かない……そんな車内の無音を引き立たせるようなラジオが何となく恐ろしくて苦手でした。
ハキハキ明るいラジオ独特の発話が耳慣れなくて、知ってる言語なのに別の世界の人が話しているみたい。そんな違和感と恐怖が幼い頃にはあったのかもしれません。


ところが、最近になって作業中に何かBGMが欲しくなりラジオを聞くようになりました。きっかけは転職したバイト先でいつもラジオが流れていて、意外と面白かったからなんていう単純なものです。
私はそこまで勤勉なリスナーという訳ではありませんので、特にこの番組がすき!!とまでのものはまだ見つけられていませんが…
TOKYO FMのスカイロケットカンパニーという番組だけは何だかちょっと好きです。



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そんな私の好きなラジオのお話。
それでは今度は好きな場所のお話なんていかがでしょう。
私が今一番好きなのは日本女子大学の大学図書館地下1階。本学の大学図書館は地下1階~地上4階まであり、その蔵書数は昨年2024年時点で888,158冊なんだとか(大学図書館HP参照)。そして座席数も650席あるようです。あら凄い。

それでは何故地下1階がそんなに好きなのか。

これは本学の日本文学科所属の方はもしかすると何となくお分かりになるかもしれません。
そう、地下一階には出版年の古い和書の並ぶ集密書架があるのです。「出版年の古い和書」これはおそらく日本文学科の学生が卒業までに最もお世話になるモノたちです。

集密書架。これが私のお気に入り。

2、3メートルは優に超えるであろう高さの書架が所狭しと立ち並ぶ地下一階。所狭しという表現に恥じないほどにそれはもうぎゅうぎゅうですとも、いや、だからその。本棚の中身だけでなくて、本棚そのものが。人っ子一人通れぬほどにぎっちりと整列した本棚たち。この子たちから目当ての本を拝借するためには他に誰もいないことを確認してからおずおずとボタンを押して、可動式の書架さんみ~んなに一列ずつ詰めてもらうのでございます。
一列ずつしか動けないこの子たちと交渉できるのは当然ながら一人だけ。(ある程度ブロック分けはされているから厳密にはもう少しいるけれど、大体でいいじゃないそんなもの)

タイミングが悪いと、、書架との交渉権を得るまでにとんでもなく長い時間待つことなんてのもザラにございます。
う~~~~~む不便、だがそこが愛おしい。本棚が動く瞬間のどうしようもないワクワク感と、自分のお目当ての本がきちんとある安心感。古書特有の古ぼけて見にくい背表紙も、掠れた活字も、日の光が出禁を食らっている地下階も、全てが私には心地よい。

もちろん、必要な時代の雑誌だけがゴッソリ西生田の別の保管庫にあるだとか、急いでいる時に限って必要な本が脚立必須の位置にあるだとか業腹なこともないとは言い難いのだけれど。
それでもやっぱり、ここが私のお気に入り。



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もしも文学部の、特に日本文学科への入学を考えている受験生の方がいるのなら私は迷わずオープンキャンパスでは図書館をご覧になって!!!!と勧めたい。
どれだけネット社会に時代が移り変わっても、私達文学部というのは文献資料と切っても切れない懇ろな間柄。
この図書館となら、4年間やっていけるかも。と思えるような学校をぜひ選んでほしい。

銘々の味付けで食らえ

小学生の頃「こくご」の時間が好きでした。
物語の中では人間も動物もみんな色々とおしゃべりで、心の声まで聞こえて、初めて知るようなムツカシイ…ことわざ?かんようく?そういった言葉と出会うと、さっそく使ってみたくなりました。その意味も使い方も合っているかどうかなんて大した問題じゃぁなかったのです、あの頃は。


────ふぅん。キミちゃんって「うつわがちいさい」んだねぇ!
うつわが……と「うわごと」みたいにお返事して、それ以上何もいえなかった。
さっき帰りの会が終わって、その後すぐにポニーテールの似合う彼女が宿題をほっぽって校庭であそぼう!と言ってくれたばかりのこと。楽しそうな誘いだったけれど、宿題をやらないのはいけないことだからと、ごめんなさいしてしまった。

「うつわがちいさい」、そういえば今日のこくごの時間に先生が大きな文字で黒板に書いてた。先生は、なんだか色々なたとえ話をして私たちに教えてくれたけれど、私にはあんまりわからなかった。
なんで人間に「うつわ」があるんだろう。「うつわ」ってお皿のことじゃないの。でもお兄ちゃんのおさがりの国語辞典で調べたら「入れ物」とか「才能」とか「器量」とか漢字ばっかりでやっぱりよくわからなかった。




考えながら歩いていたら、いつの間にかお家の目の前。いつもならランドセルから早めにカギを出しておくのに、今日は、忘れちゃった。さっきの考え事みたいにもたもたした手つきでランドセルからカギを引っ張って玄関の大きな扉を開ける。しーんとしてて夕陽がまぶしいお家の中は何だかちょっと怖い。

はやく宿題やっちゃおう。また「うわごと」みたいに声をだして、漢字ドリルも計算ドリルもおわらせた。うーん…音読の宿題は今はできない。
あーあ、やることなくなっちゃった。マンガもテレビもゲームも私にはない。クラスの「みんな」やお兄ちゃんは持ってるのに、私はだめって言われちゃった。
ひまだなぁ。ひまって他に何て言うんだっけ。漢字ドリルで書いた気がする。あ、「退屈」!「退屈」はきらい。さみしくなってお腹が空いてきた。そういえば、と思い出してにランドセルの小さいほうのポッケから今日図書室で借りてきたばかりの本を取り出す。



今日は最近気に入っている怖いお話を借りてきた。主人公の女の子とそのお父さんがね、色々なやり方で、オバケが起こす事件を解決するお話。私のお気に入りは辞書に宿った幽霊さん、「ディクショナレイ」だって。笑っちゃう!
楽しくて楽しくてあっという間に読み終わっちゃった。いつの間にかお家の中には足音が増えていて、リビングからお母さんの呼ぶ声がする。もうお夕飯の時間みたい。


不思議。さっきまであんなにさみしくてお腹が空いてたのに、なんだか今はお腹がいっぱいみたいな感じ。私の中に沢山の楽しい物語が乗っかっていて、満腹。
ダイニングの自分の席でお箸を持ちながら、今日学校であったことを沢山お話する。そうだ、聞いてみよう。「うつわがちいさい」ってどんな意味?人間にお皿があるの?


それを聞いたお母さんは人間にお皿はないわねぇと少し笑って、言葉の意味を色々教えてくれた。意味はわかったようなわからないような、やっぱりちょっと難しかった。


だけど、やっぱり人間にもお皿があると思う。空っぽだとさみしくてお腹が空く。でも、本を読んでいると色んなお話が沢山盛り付けられて、空腹だったことも忘れちゃう。先生もお母さんもポニーテールのあの子もお下がりの辞書も……「うつわがおおきい」と心が広くて頼れて優しいし「うつわがちいさい」と心が狭くてちょっとケチんぼで意地悪だなんてみんな色々なことを言っていたけれど、頼れるすごい能力(みんなは「器量」って言ってた)があるかないかじゃなくて。困っている誰かや何かの分までその感情や物語を、自分のお皿に乗せてあげられるかだと思う。







部屋の片付けをしながら、ふと目に入った「こくご」の教科書を指先で弄ぶうちにそんなことを思い出しました。随分とくだらない事を覚えていたものです。

あぁ、だけれど、たしかに。今この時、空腹を忘れていた。くだらない私の回想物語も間食程度にはなるらしい。

また、くだらない思考が渦を巻く。私は常にそんな思考の台風の目。うぅむ、好きな食べ物とそれを作った料理人を好きになることはまた別なのかしら。まぁでも、きっとそうよね。シェフを呼んでくれたまえ!なんて台詞、洋画でしか聞いたことないし。でもちょっと言ってみたいなそれは。だってほら、胃袋を掴まれちゃうことってあるじゃない?




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キミは私で、私はキミ。なんか違う気がしますが、まぁいいでしょう。
私は今日も美味しい物語で腹を満たすために書架を渡り歩きます。美味しい料理はもちろん好き、でもその料理を作り出す華麗に汚れた料理人の御手もまた、私を魅了するのです。その限りではございませんが、そういうことも、きっとあるのです!

ごちそうさまでした。