暑い日はビールに限る?

暑すぎて歩く気すら起きません。

言い訳に過ぎませんが、私そもそもの習性として花粉が飛散し出してから秋虫が鳴き始めるまでは基本的にやる気が出ない方で、9月以降はまた生き急ぐようにバタバタし始めますので今回まではインドアな感じの文章をお許しください。

こうして外に出ない日々が続く中何をいったいしているのかと言いますと、第一に企業のHPを見て、第二に本を読み、第三にスマホで文章を読んだり動画を見たりしています。冷房が効いた部屋の窓から覗く外の世界は晴れ渡り、絶好のお出かけ日和だと思うのですが、一歩外に出れば全てが幻想であることを思い知らされるわけです。朝から昼間はこうして、目が悪くなるような生活をして、夕方とか夜にちょっとだけ外を歩いて、体力を最低限維持しています。

本を読むと言っても、古典集成を読んでいるとか文学部の学生らしいことは一切せず、ずっと美術雑誌とか旅行雑誌ばかり見て楽しんでいるだけなので、なんとも言い難いです。

雑誌やSNSを見て、たくさん行きたいと思う場所はあるのですが、近隣だと銀座ライオン銀座七丁目店でしょうか。

ということで行ってまいりました。

銀座七丁目のライオンは現存最古のビアホールで、東京の中心地としてはかなりびっくり、戦前からあります。それゆえ、マッカーサー元帥もよく来ていたとか。ガラスモザイク画をはじめ、ほとんどが当時のままということで生きた文化財の代表例です。

頑張って昼間に行ったので比較的すぐ入れて、ビールも食べ物もすぐに来ました。夏祭り中なこともあり、ガリバーブーツで楽しんでいる客も多々見られましたけど、私たちはより多くの種類を楽しみたかったので、中か大ジョッキを数種類頼んで回し飲みしました。全部美味しかったです。黒ラベルは安定の極上として、意外だったのは、エーデルピルスの上品さと白ビールの飲みやすさ。二つとも初めて飲んだのですが、エーデルピルスは(ピルスとあるから当たり前)ウルケルに似ていて、でもそれらよりちゃんとポップに苦味があって、何より見た目が儚げで可愛い!白(調べたら白穂乃香とありました)はエーデルピルスや黒ラベルとは違って、苦味や麦感がないというか、原材料が小麦だからなのか詳しくないので知りませんが、本当に飲みやすいのにびっくりしました。ビール苦手でもこれなら好きって人たくさんいそうだなぁと思いました。

食べ物も本当に美味しくて、テーブルにみっちりなぐらい頼んだのに一瞬で無くなりました。個人的にカリーブルストが特に美味しくて、もっと食べたかったです。今回は頼まなかったのですが、周りの客が食べていた、つぶ貝のガーリックバター焼きが美味しそうだったので次回以降のため、ここにメモします。

昼間の銀座は日陰もあまりなくて最高に暑く、普段の銀座から考えると、ありえないぐらい路上に人がいませんでしたが、美味しい思いが出来たので行って大正解でした!あまり飲酒は良い印象を持たれないですし、あまり体に良くないことはわかっていますけれども、こうして歴史ある場所で百年前の人たちと同じように楽しめるようになったことは、歳とって良かったことの第一位です。

本日の読みたい詩

「お道化うた」 中原中也作 『在りし日の歌』収録

銀座ライオンの前身である、カフェー・ライオンについて書いてある本が良いかとも思ったが、やめて、これを選んだ。

ビールを呑みつつ泥酔の中、ベートーベンとシューベルトについて、彼らをベトちやん、シュバちやんと呼び、時空を超えた会話をする。さんざん色々話した末に、最後は「いざ知らぬ」と投げる。そして、どちらも早死にしたことを「誰知らうことわりもない……」と言って締める。

詞選びといい、展開といい、最後首がこっくんと言ってそうな消え方といい、詩全体から、暗い道だか部屋で、酔っている時の情景がありありと浮かぶ。次に並ぶ詩が「思い出」なのも、酔って寝た時の夢というか、翌朝の眩しさのような。

中原中也という人間が酒に酔っている、という行動が、絵や動画なんかよりも生き生きと伝わる、寂しくも美しい詩だ。