更新担当:もこ
女という言葉は弱い、しかし男という言葉も弱い。そういう意味で女という言葉は強いし、男は強さの陰で脆い。そんなことを考えて、同窓会はかなしい。
悲しき医学生に多く会った。高校の近くには私立大学があって、伝統ある医学部を有している。そこに入学するには家一軒分の費用がかかって、そのために何浪もする人がいる。その私立大学自体は決して偏差値が高い訳ではない。これが、悲しみの要件のその一。プライドがあるとしたら、学部まで皆言うのである。
私の同級生には開業医の娘息子が多く、なんとしても親の病院を継がなければならない人多し。文学が好きでも?数学が好きでも?学ぶべきは医学。難関大有名大国立大に行きたくても、これ以上「入学のための学問」を続けるリスクからか、とにかく現時点で入学できる医学部となると、家一軒分建てられそうな金額を投資。悲しそうなのである。書かずにはいられないのである。ホラ、また学歴とか、権威とか、そういうことを伝えたいのではない。私の精神病を治したのも、その大学出の先生だったが、医者になってしまえば、どうでもよくて、そんな話を、大学入学に関わる諸問題でメチャクチャになった私に、してくれて、優しくて、まあつまり、悲しいのだ。
悲しき上京者にも会った。私がいた「地方」では、学歴が大事である。学歴をよく見てくれるということでもある。東京は見てくれない。どうやら東京は、学校というものの選択肢があまりにも多いらしい。あまりにも多い選択肢の中から、なぜその学校に進学することを選んだのか、なぜ、をよく聞かれる。どんな大学に行ったかではない、どうしてその大学に行ったのか。なぜその学部なのか。大学名なんて、どうでもいいのだ。その人がどんな人なのかに興味がある。それが東京。東京の人はよくネイルを褒めてくれる。
地方から指定校推薦で某難関私立大に行った人がいた。それで、その人はそれで安泰と思っていた。確かに、地方なら安泰。いい大学に行ったら、それでハッピー親孝行20代までお年玉。しかし、そうではないのがTOKYO。その人は、なぜ、を聞かれて困った。なぜこの高校?(それ以外高校がないからですよ!)なぜこの大学?(有名だからですよ!)そんなもの、通用しない。やあやあ、地元に帰って、地元の巨大企業に就職しました。語弊、それを良くないと言っているのではなく、そのことに本人がやや満足していないことを言っている。本人は、全国に名を轟かす有名企業に行くつもりで、わざわざ東京まで来たのだから、そのことを考えるなら夢破れて山河もなし。だが、地元に帰ってきて良かったと、私は思っているよ。それでもきっと、悲しい。その子の双子の姉と最近会った時、妹にはもっといいところに行ってほしかったと言っていたから、やはり悲しい。
喜びの人にも会った。権威ある地元の帝大に行って、岐阜の文房具メーカーに就職した子。受験とか、就活とか、そういう競争にぜーんぶ飽きて、自分が大好きなものを追求したら、文房具が昔から好きだった。そしたら偶々好きだった文房具メーカーと接点ができて、そのまま入社。二十何年も福岡を出たことはないのに、いきなり岐阜に飛び出す、真面目な女の子。私はその子の就職先の文房具を雑貨屋なんかで見つけたら大体買っている。昔は嫌いだった子だけど、今は好きになっちゃった。君からもらったハンカチ、実は愛用。
変わらない人にも会った。受験がうまくいかず、行きたかった国立大に行けなかった。浪人はせずそのまま私立大学に入って、4年間心理学を学ぶ。その後、心理学を極めに極めて、院からは、行きたかったあの国立大に行く子。秋ごろに、「(A大学)と(B大学)、どっちも受かっちゃったんだけどどっちに行けばいいかな😂」と私にメッセージをくれた、あの時の私には青汁みたいな血が流れた。飲み込んで「最終学歴的には(B大学)の方がいいしそっちに行きなよ」なんて、その子が喜ぶと思って返した。青汁。いくら不味くても健康になれるんだ。牛乳と混ぜて飲んでいた、小学生の頃。
美人にも会った。誰か分からなくて、「お名前なんですか?」と聞いたら、旧友の名前を名乗ったので、私は驚いた。「え!めっちゃ友達やん!全然分からんかった!」と返した。どうしてその子と判別できなかったのか、目元を見てすぐ分かった。全部察して、「まあ私たちみたいな人は、変わるよね〜」と言った。これは、私も悲しい。「そうよ〜変わるよ〜」と返された。なんだか嬉しそうだった。私も、じきに変わると思う。ヤ、変われないかもしれない。まだ、子供みたいに手術が怖くてサ。
弱いとか強いとか、あまりにも表裏一体なもので、弱いと思っていたら強くて、強いということが弱さの暗喩で、しかしとにかく私は弱いと、これだけは言える。そして最近、いやいやあんたは「甘い」のよ、と強い友達に言われた。ああ、弱い。紹介し忘れた、友達。賢すぎる大学に行って良すぎる企業に就職した悲しみも血も涙もない最強の友達。その子が、私を見て「甘い」と言い切っていて、その強さの前に、私は何をしたら良い。舐めてみる?なんて、ハハ。こう見えて、苦いカモヨ?ハハ。もう彼女とは、一年の浪人以上の経済格差が生まれてしまうでしょう。気軽に飲みに行けないね。奢るよ、なんて言われても、半分払わされても、なんか癪。
悲しいとか、弱いとか、あなたに分かってもらいたくて書いてるんだよ。
あなたは私を嫌いじゃないって信じてたから、こういう時、どうしたらいいかね、分からなくて、悲しんでるんだよ。言葉もなく、こんな仕打ちないでしょうって、泣いてるんだよ。気が済むまで訴え続けるよ。
シティポップが苦手です。
シティポップが好きな君は好きです。
また会いましょう、もこより。




