春のおたよりを差し上げようと思います。
…といっても、もうそろそろ「春」というには暑い日もありますね。…まだ4月なので許してください……
気を取り直して。
私が住んでいる地域のことは、すでに何度かお話しさせていただいているので、もう、「とりあえず、山なのね」ということはお分かりだろうと思います。
いままでは、わりと「山」の嫌なところ…愚痴のようなものを書いていたので、今回は山のいいところを書こうと思っています。
春はいい季節です。目に優しい季節です。厳しい寒さ(関東にしては本当に厳しいんです。マイナス10度の世界です……え、そうでもない?)を乗り越えて、はだかだった茶色の木々は葉を徐々に膨らませ、野には色とりどりの花が咲きます。私が住んでいる地域の山は杉の山ですから、目に入る色は一年中濃い緑…海松藍色(みるあいいろ)くらいの深い緑色ですが、この時期に限っては萌える若葉の緑…萌黄色というには黄色が強すぎます…浅緑、若緑のような色のほうがしっくりきます…が目、いっぱいに映し出されます。どんなに暗い気持ちも吹き飛ぶような、生き生きとした、緑です。この季節になると、ああ、この山奥に住んでいてよかったな、案外いいところだな、なんて気軽に思えます。
春の魅力はやはり色彩の豊かさ…なんだな、と思います。冬の殺風景…というか、寒々とした風景を見た後であれば一層そう感じます。冬はなんにも残らないので、野も山も木もすべて茶色いんです。枯れている、茶色。杉の木は常緑樹なので緑色は残るのですが、―これはそこに住む人しかわからないでしょうがーこころもち、茶色っぽい色に変化するため、これも「茶色」。それが一気にすべて色づくので、圧倒されるのです。藤の花なんかは、お庭に植わっている、人口の支柱に垂れ下がる淑やかな紫から(これは山じゃなくても見ますでしょう、藤棚です)、別の木を支柱として(天然の支柱、と呼ぶことにします)その新緑に絡み合ってさながらアートの紫もあります(紫と新緑って合うんですね…)。おいでになるなら、やっぱりこの季節が良いでしょうー最も、私が言うまでもなく、私の家の近所の川は、例年ゴールデンウイークになるとバーベキューをしに来る観光客で賑わっています。きっとその方々は新緑…よりお食事をお楽しみでしょう…中学生時分の私は、ゴールデンウイークの部活帰りにそのいい匂いを「嗅がされて」、腹の虫を鳴らしたものです…いい思い出…伝わるかなあ…―
さて、この時期になると、生き物も活発に、嬉しそうに生活を始めます。鳥、虫、獣…この間はいやに痩せたキツネをみました。その後子供のキツネもみましたから、痩せていたのは母キツネなのかもしれません。鳥も、つばめ、うぐいす、やまばと、トラツグミ、ひばり、めじろ…私はあまり鳥に詳しくないため、これ以上は知らないのです…もっといろいろいるはずなのに…が一斉に羽ばたきます。鳴き声が多様に聞こえて来て、しかもつばめとなると家の電線にとまって鳴くものですから、朝は鳥のけたたましい鳴き声で起きたりします…羨ましいですか?けっこううるさいんですよ?ひなが餌をねだる鳴き声は…命がけなので仕方ないのですけど…それはもううるさいんです。ギャー‼と鳴きます。まあ、このように、耳にも彩りが感じられます。
文字だけでどれだけ伝わったかわかりません。私の拙い文章ですから、もしかしたら上手くお伝え出来なかったかも。とにかく、春は「生命の息吹」どころでは済まないくらい、爆発的に色が増える季節なんです。それだけ。
写真を付けたかったのですが、日ごとに色が変わるもので、どこを切り取ろうか迷っているうちに季節が過ぎようとしています。どこを切り取っても最高なんですよ。
東京の学校にはあんまり花が咲いていなかった(私個人の感想です)ので、春のおすそ分け…になったかな。
春でした。