数年ぶりに吉本ばななさんの『キッチン』が読みたくて本棚を覗いたら、いつの間にか本が消えていました。こんにちは、さゆりです。
私の部屋には天井まで届く高さの本棚がひとつありまして、小さいころはそこから本を出して床に山積みにしながら読書をするのが好きでした。といっても半分以上は父の本だったのですが、下の方にある児童書を中心に、小説や自己啓発本とか、難しいビジネス書とか、そういった本を読み漁る背伸びした子供だったと思います。その中で、小学校高学年から中学生ぐらいでしょうか、『キッチン』に出会ったんです。もう何年も読んでいないのでだいぶ輪郭がぼんやりしていますが、最近読んだ本の雰囲気の雰囲気がそれによく似ていて思い出しました。
なんでしょう、表現するのが難しいのですが、静かな語りなのに温かみがあって、ノスタルジーで、現実を描いているのに白昼夢のような柔らかさがあるところでしょうか。巻末の短編もとても印象に残っています。もうほとんど忘れてしまったのに、読んだときの感覚だけは残っていて急に懐かしくなったんです。不思議ですね。さあ読むぞと思ってせっかく建付けの悪い本棚を開いたのに、『キッチン』だけ忽然と姿を消していてなんだかとてもショックでした。でも大丈夫、もう大人なので今度は文庫本を買います。待ってろ、私の『キッチン』。
先日21になったばかりで昔といってもせいぜい10年前程度のことですが、年月が経ってから不意に思い出して懐かしくなるのってたいてい本か、香りか、音楽なんです。本を読んで感情や感覚や香りを重いだすこともあるし、その逆もあります。本棚の埃っぽい匂いで、本の内容を思い出したりだとか。みなさんにはないですか?
ちなみに香りで記憶や感情を思い出す現象って「プルースト効果」っていうらしいですね。プルースト、というと、ノーズショップにあった癖強フレグランスの1900 ルール ドゥ プルーストを思い出します。(私には合いませんでしたが、甘さを煮詰めたようなかなりインパクトのある香りでした)お値段なんと驚きの3万円。Les Bains Guerbois(ればんげるぼわ)という耳なじみのないブランド名なので覚えにくいのですが、なんとこの「プルースト現象」の名前の由来になった文豪イメージの香水らしいじゃないですか。今後はきっとプルースト現象が起こるたびにこの香りを思い出すことでしょう。
今月、半年前から待ち続けた推しのイメージフレグランスが届きます。32歳二重人格の看守キャラ、とかいうとやばそうな響きですがおそらくお分かりの方もいるのでは。
今まで推しが自分と真逆のタイプだったせいで推しの香りと自分の雰囲気がバトルしてしまい似合った試しがありませんでしたが、今回はトップがソリッドソープとベルガモット、ミドルからシナモンバーク、ラストがサンダルウッドとムスクのスパイシームスキーノートらしく。おや、これはいけるんちゃうか?という希望を胸に抱きつつ毎日そわそわしています。似合うといいな。似合わなかったら泣きます。やることが山積みでチベットスナギツネみたいな顔になる日もありますが、強く生きていきたいと思います。暑さと紫外線にはお気をつけて。では、また。


