あけましておめでとうございます。
今年も、もこをよろしくお願いします。
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本当のことを言おうよ、君は、田舎が嫌いなんだよ。
いや、分かっているさ。その嫌いという気持ちは、ある対象を避けてしまうような、知らないうちに遠ざけてしまうような、そんな単純な心の動きを示しているものではないとね。だけど、敢えて嫌いという言葉を使わせてもらおう。複雑な感情は、一旦単純な感情に置き換えてしまう方が、理解しやすいんだ。どんなに複雑なものだって、分解していけばきっと単純な何かの集まりだよ。
君はさ、最近西洋占星術にハマっているようだね。そしてその星たちのお告げによれば、どうやら今年は運勢がいい。素晴らしくいい一年になりそうだと、何もかもが叶うような気がして迎えた2023年1月×日、君の身に恐ろしい出来事が降りかかった。今までの努力とか、自信とか、我慢とか、そんなものを全てハンマーで叩き割られるような出来事だった。君は粉々になった。目の前に横たわる粉々になった自分自身。君はそれを呆然と眺めていたね。ああ、滑稽!僕はそんな君を見て、高らかに笑ったんだ。君はいつだって人と逆なんだ!願えば叶わないし願わなければ叶う。やりたいことはやれないくせにやりたくないことはやらされる。ネガティブな想像をすればポジティブなことか起こるし、ポジティブなことを考えれば真反対にネガティブさ。ということは、2023年、君は最悪!運勢、大凶!はは、なんて素晴らしいんだ!そして僕はそんな君を一番近くで見続けられるんだ。なんてったって僕は、君自身だからね。
君は最近、旧友の下宿先に上がり込んで、朝4時までお酒を飲んでいたね。田舎の友達ならみんな経験しているような宅飲みも、君にとっては初めてで新鮮だったろう。だから、知らなかったんだ。居酒屋みたいに人の目がない状況で、お酒を飲んだ若い女たちがどんな話をしだすのか。そうさ、男の話さ。君は永遠に男の話を聞いていたね。友達なのか恋人なのか愛なのか欲なのか、東京の友達の口からは絶対に聞かないような話を散々聞いたんだ。なんて下品なんだと君は思っていた。でも、すごく笑顔だったよ。楽しそうだった。久しぶりに見たよ、君の愉快な笑顔をね。さあ、君は一体どっちなんだい?君は下品さにも上品さにも辟易している。最初に言っただろう、君は田舎が嫌いなんだと。僕はそれしか言っていない。東京が好きだとは言っていないよ。ほら、早く認めなよ。東京だって嫌いなんだ。思い出しなよ、君を粉々にした東京の女を。君のエクストリームな精神性は、気高い東京では受け入れられてないんだよ。ここだけじゃない。田舎から逃げても、都会から逃げても、何をどう頑張っても、君が評価される場所なんてない!
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黙ってくれないか、君。どうして君は、東京とか、田舎とか、そういう目でしか物事を見ない?女が、男が言っているけれど、それはただ単にそういう人であるだけで、そこに東京とか、田舎とか、関係あるのか。私は一つ君に言っておきたい。私は確かに、自分が生まれ育った街と、現在過ごしている街、この二つにかなりのギャップを考えている。右だったものが左で、上だったものが下になる世界で、苦労して、努力して、我慢して、大学3年間を過ごしてきた。その頑張りは、時に実を結び、時に認められない。まあ、認められないことの方が多いかな。でも、仕方がないよ。私は努力の他の努力をしていない。自分が求める姿にはなっていても、他人が求める姿にはなっていない。いつも他人を置いてけぼりで、自分を優先している。知っているんだ、そんな自分を。それを、馬鹿にしたければしてもらって構わない。どうせ君も私なんだから、馬鹿にしたところでさ、私も君もきっと変わらないよ。だからさ、何が言いたいのか自分でも分からないけれど、私はこうやって生きていければ、それでいい気がしてるんだ。君が言いたかったことの半分以上は理解できていない気がするし、私が言いたいことの半分以上言えていない気がするけど、君が私をこき下ろしてくれて、少し安心したよ。なぜなのかは、分からないけどね。
じゃあ、さようなら。