耳を澄ますと秋の虫のころころとした音色が聞えてくる。
耳の奥で鳴る鈴が、宵の中、道しるべとなって語りかけてくる。
心の中がりんと静まり返る。
淀むことなくたしかに流れてゆく月色の川に冷やされた風が、私の髪の毛先を冷たくさせて昼間青かった植物はやわらかく揺れた。
部屋に飾った生け花はすこしづつ老いていく。あるいは少しずつ昇天していく。
削っていくほど完成形が象られていく彫刻を見ていると、削られたこころはどんな形をしているのか見てみたくなる。
手持ち花火は綺麗だと思ったそばからほろほろくずれていく。この先も火に触れることはできない。
耳を澄ますと秋の虫のころころとした音色が聞えてくる。
耳の奥で鳴る鈴が、宵の中、子守歌となって囁きかけてくる。
静かな泉が湧き起こるようになにかが心の中でこぼれた。
ぽろぽろぽろぽろ涙がとまらなかった。
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まいです、ごきげんよう❀
近ごろ、朝夜がすごしやすい気温になる日も増えてきました。
汗をぬぐった時、ふと姿を見せる秋の予感のそのなんともいえない寂しさが私は好きです。
先日、日帰り旅行にと日光を訪れたので今日はそのお話を。
日光に行く日の朝は3時半起きでした。
朝早くから支度をするから?そうではありません。珍しく目が覚めてしまいました。
早朝4時前に国際宇宙ステーションが東京の空を飛ぶと前日のテレビでいっていたことを思い出し、私はひとり静かに枕元の窓をあけて南東の空を眺めていました。
すると、本当に見えました。肉眼で、たったいま宇宙を漂っているステーションを見ることが出来ました。予測されていた58分ぴったりに一つの星がきらっと光って星であれば不自然な軌道を描いて2分後にきえていく。月のそばを通過して。
これは国際宇宙ステーションが東京の空の上を通るときに、その空が晴れ、かつ宇宙ステーションに太陽の光が当たっていなくては見られないという、貴重な瞬間のようでした。
たったいまベッドにいる私と宇宙にいるだれかが直前上にいたと思うと興奮して眠れませんでした。
良い一日だった、と言いかけた時はまだ朝の7時でした。これからがメイン、旅行の始まりです。
淡い曇天だった日光は心地よいくらいに涼しく、苔の緑が本当に美しく光っていました。
神社を見、自然と戯れ、おいしい空気を肺いっぱいにとりこんで、お土産はこれでもいいかなと思いました(笑)。
帰りがけ、揚げゆばまんじゅうを買おうと思っていたのですが気づけばお店が閉まっている時間。
すこしがっかりしていると、あと3個残ってるよーというおばさんの声。
あとこれだけだから2個の値段でおまけしておくね、と笑顔で渡してくれたおまんじゅうは、手の中でじんわり温もりました。
考え事や余計なものをどこかへ置いて、身軽に旅へ行くというのは心の洗浄になってとても良いなと思いました。人里離れた場所にいるのも落ち着くなあと思いつつ、さいごは人の温かさで満たされていました。
今日はこの辺で。それでは。





