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こんばんは、めいです。

先日、ゼミで初めて自分の発表をしました。リモートだったのでパソコンに向かって一人でワタワタしてたのですが、何事もなく終えられたので良かったです。

ただし、準備段階でやや苦労しました。何かと言うと、グラフを作成してレジュメに載せる作業です。今回の発表資料では各種グラフが必要で、大学生3年目にして未だパワポを使いこなせない私は「どこだっけ!?挿入!?Excel使うんか!?」とプチパニックでした。
しかし、そこで救世主登場。1年次必修科目、情報処理のテキストです。ほぼ記憶がない半期間の授業でしか使わなかったこのテキスト、Word・Excel・パワポ全ての資料作成に必要なスキルが網羅的かつ簡潔に説明されている、超便利救済アイテムなのです……ありがたい……社会人になっても大事にします………。1年の終わり頃「パソコン苦手だし使う時あるかも〜〜」って気まぐれにとっておいてくれた自分もありがとう。
というわけで、無事にグラフを載せたレジュメを完成させることができました。グラフ程度で苦戦しててこの先大丈夫そ??という声は喉奥にしまってくださいね。
ちなみに、フォントやレイアウト、デザインテーマや色味など、全体を整える作業は好きです。資料が見づらいと内容も理解しづらくなってしまうように思うので、レジュメを作るときは見栄えにも拘っているのですが……これがまた余計に時間かかるんですよね〜〜!見やすくて分かりやすいレジュメをササッと作れるようになりたい!

演習発表って、めちゃくちゃ時間と労力をかけて準備したものが当日5分で終わるの、なんだか切ないですよね。と言いつつ発表の時は早く終われ!!!!って思いながら喋ってます。
発表、レジュメ作成、レポート、課題etc… 毎日色々ありますが、趣味の時間や推しを養分にして頑張りましょう!
ではでは、おやすみなさい。

幸せの

こんにちは!やなです。🐸
最近暑くなってきましたね。梅雨はどこに行ってしまったのでしょうか。夏の雨は肌に湿気が張り付くような感じが嫌いなのですが、降らなければ降らないでなんだか物足りない気持ちになりますね。

***

この間、幸せを購入しました。
そう……あれは池袋で用事を済ませたあと、電車の発車時刻の調整のために池袋駅構内のSEIBUを散策していたときのこと。(いきなり何が始まったんですか?)
デパ地下巡りが趣味の母に「時間があったら美味しそうなお菓子買ってきて!和菓子がいいな」と言われた言葉を思い返し、(いやでも和菓子ってどんなのよ)と内心思っていた、どちらかと言えば洋菓子派の私は、OLさんやご年配のご夫婦の間を通り抜けながら和菓子売り場をちらちらと眺めていました。慣れていない私には贈答品ばかりが目に付き、これは母には悪いが入り口にあった美味しそうな洋菓子でも買って帰ろうかな…と半分諦めていたそのとき。目の前をするすると歩いていたご夫婦が突然ショーケースの前で驚嘆を発して止まり、私も目を見開いて立ち止まりました。
なぜって……私の手の甲くらいの大きな大福と、大福いっぱいに詰め込まれたフルーツたちが目に飛び込んできたんです!
早くも何味にする?と相談しているご夫婦。まあそりゃあ希望の象徴を視界に入れてしまったら買わない手はありませんよね。私も買います。
そうこうしている内にけっこう並んで来ちゃったし、私も早く決めなければ。定番の苺。期間限定らしいスイカ。栗、マンゴー、キウイ、パインまで。どれもショーケースの中できらきらと輝きながら今か今かと購入されるのを待っています。どれにしようかな。最初だしやはり苺にしようかしら。
会計。2時間分の保冷剤と本命を鞄に詰め、いそいそと帰宅。
さあ、いざ実食。おっこれは…!!もちもちとやわらかい餅。本当にこれは餅なのだろうか、と思ってしまうくらい。中の餡子も甘過ぎずしつこすぎず、飽きないお味。これなら餡子が苦手な人でも食べられそう。そして大本命の苺はみずみずしくて甘くて。口の中であっという間に溶けて消えていってしまいました。思わず母と顔を見合わせてにっこり。これは美味しい。なんなら今まで食べた大福の中で一番美味しいかも。
大きいので食べきれないかと思い、1個ずつにしたのを若干、いやだいぶ後悔しました。ああ…2個買えばよかった……!
370円で買えるしあわせ。あっという間になくなってしまったけれど、一瞬の幸せが私に1週間分の希望を与えてくれました。お菓子って偉大ですね。(完全に食いしん坊の台詞です)

京都祇をん ににぎ|菓実の福(https://kajitsunofuku.jp/)
よろしければぜひ。おすすめです。

***

本日の1曲。
SEKAI NO OWARI『バードマン』(https://youtu.be/4GavZcdf9Ls)
五月病のあなたに、がんばっているのになかなか結果が出せなくて悩んでいるあなたにおすすめの曲です。

それではまたお会いしましょう!やなでした。

文學爱

ごきげんよう、もこです。
日本文学科に来た理由を思い返してみました。


自分が文学の道に進むとはまるっきり思っていなかった。昔から、読書という言葉が苦手だった。大人たちがあんまりにも「本は読んだほうがいい」と口を揃えて言うので、大人に反抗したかった私は本を読んだら負けだと思っていた。実際、現在も読書は趣味ではないし、好きかと聞かれるとそうでもないと答えている。

私がそこまで本に執着しなかったのには一つ大きな理由がある。それは姉の存在だ。姉はとてつもない読書家だった。学校図書館の年間貸し出し数ランキングなどではいつも姉がぶっちぎり1位だったようだ。6歳離れているので詳しくないが、姉の同級生に、姉より読書する人間は一人もいなかったと思う。

そんな姉と比べると、私は全く本を読まない人間だった。あまんきみこ作品にハマったり、はやみねかおる作品を全て読破したり、ハリーポッターシリーズの分厚い本を全巻熱心に読んだり、今思えば人並みかそれ以上には本を読んでいたが、偉大な姉と比べて、私は本嫌いな子供として扱われていた。(中高生になってから、自分よりはるかに読書経験の少ない人間が世の中にたくさんいると知って驚いたものだった。)

私は文学に興味がなかった。むしろ政治や経済にものすごく関心があった。中学生の頃から、早く選挙権が欲しいと言っていた。内閣閣僚の名前をみな覚えていた。将来は大学で政治や経済を学ぼうと思っていた。文学部に行くなんて思ってもいなかった。

私が中学に入ると同時に姉は大学の経済学部に入った。姉が文学部に行かなかったのにはどんな理由があったか忘れた。ただ姉が文学の道に進まなかったことで、自分の文学に対する枷がひとつ外れたのは確かだ。もし姉が文学部に行っていたら、私はいま文学部に来ていなかったと思う。なんとなく私は姉と別の道を進まないといけないのだと昔から思っていたからだ。

姉が経済を学び、経済に挫折していた頃、私は高校生になっていた。私にとって高校の授業はどれもつまらなくて、授業中はとにかく眠かった。あんまり眠ると怒られるので、私は眠気覚ましに電子辞書をいじった。そこで私は辞書に青空文庫が入っているのを見つけた。これはいいと思った。授業中に小説を読んでいても、先生からは電子辞書で調べ物をしているようにしか見えないし、友達も特に注意しない。その日から私は気に入った本を授業中に少しずつ読み進めるようになった。近代文学との出会いである。

近代文学に触れるうちに、私は文学より文豪に興味を持ち始めた。近代の文豪同士の関係性に惹かれ、彼らのことをよく知るために彼らの小説を読む、という感じになった。国語の資料集を読み込んだ。新潮日本文学アルバムには大変お世話になった。高3の夏までには坪内逍遥〜戦後第三の新人あたりまでの近代文学史がきっちり頭に入っていた。

読書量は姉の足元にも及ばなかったが、文学知識は姉を超え始めた。いつからか私は志望学部の欄に文学とばかり書いていた。志望大学の欄には、東京の、文京区付近の大学の名前ばかり書いた。どんどん文学に引き込まれていき、抜け出せなくなっていた。

思えば高校で初めて近代文学に出会ったわけではなくて、中学校の頃に習ったレモン哀歌や一握の砂、もっと遡ればNHK「にほんこであそぼ」で扱われた名文なんかは、昔から私を刺激していた気がする。少しずつ蓄積されていった文学への興味が、高校で一気に開花しただけなのかもしれない。

そんなこんなで完全に文学に進路を狂わされた私は、現在日本文学科で逞しく勉強している。ちなみに日本文学科では一年生の頃に古文を扱う授業が多くあるが、私は古文が得意なタイプの近代文学オタクだったので苦ではなかった。一応高校生の頃に与謝野晶子訳の源氏物語を読んだり、百人一首を全首覚えたり、とりかへばや物語巻一を全部読んだりしていた。こんな私ですから、日本文学科での勉強が、楽しくないはずがない。大学ではずっと趣味を極めている感じ。

本学に来て良かったと思うのは、ここまで近代にハマっている私でも他の時代の文学を研究してみたいと思うくらい面白い講義を、先生方がしてくれることだ。最推しは近代だが、他の時代も別腹で面白い。そもそも授業の進め方が楽しい。高校までのように、本文を読んで漢字の読みを確認して品詞分解をして、なんてことはしない。作者はなぜこの表現を使ったのか、この言葉が暗に意味するものは何か、伝本で表記が変わったのは単なる書き間違いか否か、今までやってきたことのもっと裏側を追求する。これこれ!これをやるためにここに来たんだよ!という感じがしている。

ただ、私は考えるより行動するが得意なので、文学者にはならない。文学が好きな人より、研究が好きな人の方が、向いていると思う。

最近は文学散歩をしている。たくさんの近代文学が生まれた文京区にある大学に行くのが夢だった。夢叶えり。文学をやりたくて東京にまで出てくるのはすごい行動力だと思う。おかげであらゆる文豪に会えた。お墓の前に行くと、今までは遠い存在だった文豪たちが、実際に生きていたことが実感できる。作られた資料館や記念館とは違う、生の彼らを感じられる。その度に、よかったね、と私は過去の自分に言ってあげる。よかったね、苦労して東京に来てよかったね、過去のあなたが必死にもがいたおかげで、未来の私はあなたが大好きな文学に埋もれて過ごしています。

模様替え

こんにちは。れいかです。

ちょうど1週間前、自分の部屋を模様替えしました!

①布団の向きを90度回転
②机を壁際(角)に寄せる
③洋服ダンスを向かいの壁に移動
④洋服ダンスの移動先に置いてあった本棚を処分

工程はこれだけだったのですぐに終わりました。(模様替えと言っていいのか?笑)
短い時間なのにも関わらず、部屋の印象がガラッと変わってテンションが上がりました!
机と布団を壁際に寄せたことで、床のスペースが広くなったんです♪
最近ヨガマットを広げるときに狭く感じるのがちょっとストレスだったので、この機会に改善できて良かったです🙌

配置を変えた後は片付けをしました。
1番力を入れたのは洋服!
衣替えをメインに、半日かけて整理しました。
中高時代から長く着ていた服もいくつかあり、この機会に手放すことを決めました。
すっきりした~!
どこになんの服があるのか分からない雑然とした感じもかなり不快だったみたい…。
全季節の洋服を一通り見れたので、これから新しく洋服を買う時に役立ちそうです!
組み合わせを考えやすくなって、マンネリ化も防げるはず!
クローゼットを見ていると、自分の好みや欲しい服の系統がなんとなく分かってくるのも面白いなと思います。

ここのところ自分の部屋にいると気持ちが沈みがちで、部屋のドアを開けた瞬間「ダメ人間スイッチ」が押されてしまうような感覚に陥っていました…(笑)
それが、たった10~15分程度の配置替えで部屋の空気までも一新することができて正直驚きでした!
近々ベッドを新しくする予定なので、更に雰囲気が変わるのが楽しみです。
自室は過ごす時間が長い割に、今まであまり工夫をしてこなかったんですよね…。
ベッドの次はカーテンも好きなデザインのものを選んで、もっと快適な空間にしていきたいと思います!
楽しみ~☆

それではまた。

たまには過去に戻りたくなる

みなさん、こんばんは。さやかです。

今日は雨風が強かったですね!このまま梅雨に入ったりするのでしょうか?家の中から静かに雨を見るのは好きなのですが、雨の中外に出るのは好きじゃないんですよね……気分も暗くなりがちだし、今年の梅雨は短いといいなぁ。

 さて、先日自室の本棚を整理していたら、高校の文化祭のパンフレットが出てきました。久しぶりに開いて眺めていたら何とも言えない気持ちになって、「これがいわゆるエモいってやつなのか…?」と一人で悶えていました。

 私は、中学一年のときに初めてその高校の文化祭に遊びに行きました。中学でも文化祭は開催されていたのですが、その高校の文化祭はレベルが違くて。なんというか、「全力で遊んでいる」感じがしたんですよね。そこに憧れて、中学二年でも三年でもその高校の文化祭を訪れました。そして、めでたくその高校に合格し、今度は憧れていた文化祭を作る側の人間になりました。そうしたら、中学のときよりも何倍も楽しくて!まぁ、高校生だった当時は、楽しいというよりかは、「文化祭準備とかやること多すぎてもう無理、胃が痛い…!」という状態だったのですが、今振り返ってみると、そう言いながら必死に準備を進めていくのが楽しかったんだろうなと思います。

 久しぶりにパンフレットを開くと、「あ、この出し物友達と回ったな」とか、「この年の出し物の準備は大変だったんだよな」とか、さまざまな思い出が蘇ってきます。すごく懐かしくて、愛おしくて、「あの頃に戻りたいな」なんて少し思ったりもするけれど、そんなことは出来なくて。前に進むことしかできないけれど、それでもたまには後ろを振り返ってみても良いかな?と、しばらく文化祭のパンフレットと思い出に浸りました。

 高校を卒業してから、数年。あれから、少しは自分は成長できたのでしょうか。大学四年生になればもっといろんなことができるだろうと思っていたのですが、結局まだまだ子供のままです。ストレスに弱いのも、スケジュールを詰め込む癖も、すぐ弱気になってしまうところも、何も変わっていません。それでも、日本文学科で古典を学び、サークルに明け暮れたこの三年とちょっとの期間で、少しは逞しくなれていたらいいなと、思います。

それでは、今日はこのへんで。さやかでした!

わたしを元気づけて、ティラミスくん

こんにちは、とみーです。
この頃、梅雨になったなぁとしみじみと感じます。低気圧で気分も上がらない日は、ショパンの「雨だれ」という曲を聞いて昼寝をしています。高尚な趣味を持っているつもりになれるし、優雅な気分に浸れるので、オススメです。

さて。皆さん、スターバックスコーヒーの期間限定商品はお好きですか? 私は基本的に「気になるけどスタバ怖い無理」というタイプの引きこもりです。そのため、少し前に大大大大大好物の「ティラミス」味フラペチーノが出た時も、行きたい行きたいと思いつつ、諦めていました。

そんなティラミス味を気にしながら迎えた販売最終日のこと。
その日、たまたま幼馴染と家の前でテキトーにお話していました。そこで話題に出したのが例のティラミスフラペチーノ。実はこの幼馴染、この辺で一軒しかないスタバで5月からバイトを始めていました。(4月に「飽きた」と言って(私に一緒にやろうと誘った)バイトを辞めた後で)

彼女は言いました
「そんなにティラミスが好きだったの!? まだギリある、行こうよ!」
そして私は、そのまま幼馴染に車でスタバまで連行されました。さすが行動力の化身…。
まさかティラミス味がまだ残っているとは思っていなかったので、驚きつつ、わ~い!と子供のようにはしゃぎました。期間限定商品が最終日まで残っているのは、準田舎の良いところですね。東京ではすぐ無くなりますもの。

そんなこんなで私は無事にティラミスフラペチーノにありつき。
コーヒーティラミスの深い味わいを堪能し。
地に伏して幼馴染を仰ぎ見て、深く感謝の意を示しながら言いました。

「うめぇ!これを飲まないなんてティラミス好きの名折れ! 飲めてよかった!ありがとう、田舎! ありがとう幼馴染!」

とてもおいしく、そして楽しい思い出になったのでよかったです。

最後に。この記事を書くために、軽く調べてみたのですが、ティラミスはイタリア語で「わたしを元気づけて(意訳)」というのが語源だそう。バッチリ元気づけられて、課題へ向き合う気持ちも出ました。が!なんとティラミス飲んでいる間に課題の締切がひとつ終わっててぁぁああああ!と叫びました。そんな日もあります。おしまい。

それでは、また。

今って現実?

お久しぶりです、まなみです。
昨日ゼミの発表がありました。過去一何やってんだ?って感じだったんですけど、あまりハァ!ムリ!ハァ!とならずに当日を迎えました。なぜ?(良い発表できたかは別です🤫)

最近生きた心地がしないです?
最近も発表に向けてレジュメを作成している時、これ!終わらんくない!ねえ!ってっ前日焦っていたのに夕方に完成してアレ?ってなったり、到着時刻を調べて電車に乗ったのに何故か予定時刻より10分も早く着いてたり、1時間くらいダラダラしたな〜と思ったら10分しか経ってなかったり、毎日通ってる道に知らない建物があったりします。
時空超えてる?今って現実?って思うことが多い!ブログ書いてる今も現実?

ぼんやり生きてる!良くなくなぁい?なんも良い方向に進んでないのにぼんやり生きてていいのぉ?
でも今すごい生きやすいです。
普段ハァハァ!やばいよね!無理じゃない!?って生きてるので、部屋に入り込む光が寂しくていいな〜とか紫陽花咲いてるやんけ!だとか曇天〜☁️って周り見てのほほんとしてられるの生きやすい!
でもぼんやり生きてるのっていいのかな!ってめっちゃ思っちゃう!
セカセカ生きてる方が向いてるし、どうしようやばいよね!?!やばいよ!!?!って焦ってるから大きな事件(事件?)を起こさずに生きてこれたので不安だ〜
いや知らんけど、ぼんやり生きるのが生きやすいならぼんやり生きた方がいいのかな?しなきゃいけないこと一億百万個あるので今はのほほんNGなんですけど、今後の人生の何処かではのほほんと生きたい!

これもいつか話そうと思っていたのですが、歳をとるのが怖い!未来なんて無い!と思っていたので、のほほんと生きるという夢ができてよかったな〜😴

なんか分かんないけど明後日にはハァハァ!やばい!!!!!!ねえ!!!!!!どうすんの!!!!!!????このブログ書いたの誰!???????ねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!になってるかもしれないなと思います🙃

のほほん🤗
それでは〜🌼🌸

学校に咲いてた紫陽花!
図書館に咲いてるのより色が淡くてかわいいね☔

Show me magic on a rainy day.

「ぼくは魔法使いだからね」
 廃ビルの中で出会ったお姉さんは確かにそう言っていた。

 詳しくは覚えてないんだけど、僕が中学生の頃だから10年くらい前かな、その日は重く灰色の雲が空を覆っていていつ振り出してもおかしくない天気だった。僕は何があったか忘れてしまったんだけど、とにかく家に帰りたくなくていつもの帰り道を一人行ったり来たりしていた。その頃、人と話すのが得意じゃなくてさ、友達はそんなに多くなくて。一人で帰る方が多かったんだ。まあとりあえず、そうしてるうちにスンと独特なアンニュイな匂いが鼻を通って、ああ、降り出すなと思ったら案の定。ぼたぼたと頭を濡らす雨から一時だけでも逃れたくて、建設予定地の看板がいつまで経っても撤去されない廃ビルの軒先に走った。ここは肝試しに使うには新しく、かと言ってここ何年も取り壊しが行われない廃ビルだ。「いわくつき」ではなく土地の権利関係で揉めているらしいとのことを、近所の噂話で聞いたことがある。5階建てのビルというよりはアパートの造りに近いその建物は人が住まなくなった年月に呼応するように、壁紙を剥がし蔦を生やし自然に帰ろうとしているようだった。僕はタイル貼りのロビーの階段に腰かけ、上がる目処の立たない夕立をぼんやりと眺めていた。
「まったく飽きもせずよく降るものだ。そのうち全部沈んでしまうよ」
 すっと通る声が頭上から落ちてきた。さっきまで人はいなかったはずなのに! 反射的に声の方に振り向く。最初に見えたのは長い金色の髪。そして黒いワンピースだった。
「こんにちは、少年。きみも雨宿りか。そうか。止むかも分からないけれどね」
「ええ、こんにちは」
「まあそうだな、仮に止むとして共に待つのも良いだろう。けれどもただ待つのは興がない。どれ、魔法を見せてやろう」
 狼狽する僕を置いてその人は一人でぺらぺらと喋った。立ち上がっても僕の頭上より遥かに高い背丈は男の人を思わせたが、声は女の人のような少し高くてキンと張る声だった。顔は帽子をかぶっていてよく見えなかったが、耳にはキラキラと光るアクセサリーが付いてるのが見えた。
「それ」
 長い髪とその声から仮にお姉さんと呼ぶが、お姉さんは手を振ると、赤いナイロンの花を取り出した。
「これねェ、きみにあげようか。うん、ポケットにももう一輪入れておいたよ」
 お姉さんがそう言うので慌てて制服のポケットを見ると、本物のバラが挿さっていた。
「あげるよ、あげる。まだあるよ」
 お姉さんがハンカチを振る。するとブレスレットくらいの大きさの金色の輪が三つ現れる。それぞれは独立してたが、お姉さんが手首につけてから外すと、繋がっていた。
「ここ持って」
 動転しながらも言われるがままに金色の輪の端を持つ。お姉さんも端を持つ。すると真ん中の輪が炎をあげて消えた。
「まだ」
 お姉さんは輪を回収すると、今度はコインを出した。銀色のコインは全部で5枚。お姉さんが一枚ずつ宙に放る。するとばらばら落ちてきたコインは10枚。
「えっ」
「いい驚き具合だ。こうでなくては」
 お姉さんがコインを拾ってスカーフに入れると、コインは消えてなくなった。
 それから全部は覚えてないけど、確かトランプが飛び交って、ステッキやリングが出たり消えたり増えたり減ったりした。パチパチと光る棒や銀色のナイフがその人の腕の中ではおもちゃのように踊った。僕はその度に拍手をして段々夢中になっていくと同時に、一つの噂話を思い出した。最近、身長が高くて長い金髪の人が近くを彷徨いているらしい。不気味だから近づいてはいけないよ。強くて怖い人だそうだからね。そしたら怖くなってしまって、この魔法がいつ終わるのか気になって、居ても立っても居られなくなってきた。
「どうした? 少年。なんだか元気が無くなってきたね。折角魔法を披露しているのに」
 お姉さんがヘソを曲げたように言う。途端にお姉さんの機嫌を損ねたら何か大変なことが起こるような気もしてきた。
「ああ、そうか。そろそろ雨が上がるんだね。そうだね、きみは雨が上がれば帰るから、仕方ないね」
 お姉さんは汚れたガラスから空を見やった。僕はほっとして胸を撫で下ろした。
「じゃあ、最後に一つ魔法を教えてあげよう。きっとすぐに困ったことが起こってしまうだろう。怖くてどうしようもなく困ったときに唱えてくれ。大きな声で。きっと大丈夫。大丈夫だからね」
 お姉さんは僕の手をとり、ゆっくり文字を書きながら僕に囁きかけた。ハートのマークが着いたお姉さんの細い指がするすると動く。それは異国の言葉のようで、僕は一回では覚えられなくて、もう一度と顔を上げたらお姉さんは消えていた。
 今考えるとお姉さんは魔法使いではなくてマジシャンだと分かる。けれど最後、僕の前からまるで最初から無かったかのように消えたのだけは、本当に魔法のようで信じられなかった。
 呆然としながら廃ビルを出ると、雨に濡れたアスファルトからは独特の匂いが立ち上り、空は雲の切れ間に青が見えるようになっていた。鮮やかな魔法が行われたステージは一切の煌びやかさを捨て、ただの廃ビルとしてそこに立っていた。

 その後、本当に一回だけどうしようもなく困ったときがあって、その魔法を口に出した。それはお姉さんと会ってから1ヶ月後くらいのことで、その日も学校の帰り道だった。いきなり知らない人に腕を掴まれて車に乗せられそうになったのだ。サングラスをかけた怖いおじさんに強い力で掴まれ、周りに誰もおらず僕はどうすることもできずに慌てて唱えた。
「あいの ゆあくらむ ゆうりめんば み とぅ まじしゃんうぃる ぱにしゅゆ」
 そうしたらおじさんたちは当然腕を離した。僕は反動で転けてしまったが、おじさんは僕に構うことなく逃げて行った。どのような魔法が起こったのか僕には分からなかったが、とりあえず助かったのだ。

 どうしてこんなことを話し始めたかというと、思い出したからだ。梅雨に入ってそろそろ夏に向けて衣替えしないと、部屋の掃除もしようかと思いながら駅から歩いているときに雨が降ってきた。そういえば天気予報で雨が降ると知っていたような気もしたが、折り畳み傘を持ってくるのを忘れていた。ぽつぽつと落ちてきたしずくは夏先の雨特有の質量と速度であっという間にざあざあと強い刺激に変わった。参ったなと思い鞄を頭の上に乗せて走りながら、どこか適当な建物の軒先で待とうと考えた。それで寄ったビルの軒先で思い出した。生憎そこはあの廃ビルではなかったが、突然の夕立とアスファルトの香りはあの日を想起させ、そしてふと、魔法を思い出したのだ。
「あいの ゆあくらむ ゆうりめんば……」
 口に出してみて、気づく。これは魔法の言葉では無い。知っている言葉だ。
「I know your crimes. You remember me too. Magician will punish you.」
 私はお前の犯罪を知っている。お前が私を覚えているのと同じように。マジシャンはお前を罰するだろう。
 もしこの魔法が英語であったとしたら、このような意味ではないか。英語を聞きれてない中学生なら、魔法の呪文に聞こえるかもしれない。しかし英語であったとしたら、英語を知っている人にはそのように聞こえたのではないか。
 これは後で調べて知ったことだが、僕の住んでいた地域は相応に治安が悪かったらしい。戸籍も国籍も正体も定かでない人々が多く住み、廃ビルが放置されていようものならすぐに不良の溜まり場か、不良より怖い人達の拠点になっていたぐらいには。それがなぜ、あの廃ビルには手をつけられてなかったのか。なぜそれだけの地域にいて僕は治安が悪いとも知らず、怖い事件に触れたのも一度だけだったのか。
 身長が高いのに気配を悟らせずに後ろに立てる人。消えたと思わせるくらいに素早く動ける人。パチパチと光るスタンガン。銀色のナイフ。耳のピアス。手の甲のハートの刺青。魔法使いと名乗ったお姉さんは、魔法使いではなくて、廃ビルを占拠しようとする怖いおじさん達にも負けない人。そしてそのような怖いおじさんが近所にいることを知っていて、子どもに声をかけてあの魔法を……。
 そこまで考えてふと頭を上げると雨はすっかり上がっていた。今のうちに帰ってしまおう、と足を踏み出す。考え事は深く追求するのをやめた。あの人は魔法使いと言ったから、お姉さんは魔法使いなのだ。

 これは余談だが、家の玄関に飾ってあるバラが一年中ずっと綺麗に咲いていることについて、造花だと思った僕はさして気にしていなかった。しかし部屋の掃除をする際に、そのバラは生花であったことに気づいた。家族に聞いても「あんたがもらってきた造花でしょ」としか答えてくれず、他に覚えはないと言う。僕が覚えている限り、バラをもらった経験は魔法使いからもらったあの日一度きりだ。